アニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』監督 境 宗久さん✕コリオグラファー JUNJUNさんインタビュー|他のアイドルアニメとの違いは山田たえの存在!?たえのダンスの成長にも注目!【SAGA_R:10】
2018年を代表するアニメの1つ『ゾンビランドサガ』のTVアニメ第2期、『ゾンビランドサガ リベンジ』2021年4月より放送スタート! そしてアニメイトタイムズでは、第2期でもインタビュー連載企画「ゾンビランドサガ広報誌R(リベンジ)」を実施中です。
先日放送された10話は、失敗に終わった駅スタを幸太郎が急いだ理由、『サガジン』の大古場と幸太郎が遂に対峙、そしてフランシュシュと佐賀を襲う大きな出来事など、終盤に向けて怒とうの展開!
インタビュー連載の今回は、境 宗久監督と、アニメのフランシュシュ、演じるキャストのライブの振付を担当されているJUNJUNさんの対談です。JUNJUNさんの振付がアニメに落とし込まれるまでの過程、『ゾンビランドサガ リベンジ』のライブシーンで流れた新曲の振付のポイント、キャストによるライブでの裏話など語っていただきました。
ラストへつながるお話でそれぞれあったこと、やろうしていることが明確になった10話
――まず境監督へ。先日放送された第10話について振り返っていただけますか?
境 宗久監督(以下、境):ここから最後まで1本でつながっていく中で、その出だしとして、それぞれ今まであったこと、これからやろうとしていることが改めて明確になった、大事な回になったかなと思います。
――7話で大古場がフランシュシュの正体をつかんだところで、8、9話とゆうぎり回で明治時代に話が飛んでしまったので、ヤキモキしていました(笑)。
境:どれだけもったいつけるんだという感じですよね(笑)。焦らしているように思われたかもしれませんが、大事な部分であり、8、9話があったからこそ、改めて振り返っておきたいなと思って、ああいう構成になりました。
――1話で、フランシュシュがなぜ無謀とも思える駅スタ(駅前不動産スタジアム)に挑んだのかなど、いろいろな疑問が明かされないままでしたが、10話で諸々理解できました。
境:どういう過程を経て、あそこに行きついたかも補完できたかなと思います。幸太郎とマスターの関係がおぼろげながら見えてきたり、どうフランシュシュが誕生したのかが垣間見えたのではないかと思います。
――プロットの時点で、終盤で明らかにしようと決められていたんですか?
境:そうですね。アイドルの存在意義、アイドルには何ができるんだろうとか、どういうふうに攻めていけばいいだろうというところから展開を考えていきました。
――ラストでフランシュシュ、そして佐賀に何が起きたのか、気になりました。
境:これ以上、話すと11話のことも話してしまいそうになるので(笑)。
――わかりました(笑)。8話からまったく別作品のようなテイストのシリアスな話が続きましたね。
境:7話本編が終わった後の8話の予告を見た時から「何が起こるんだろう?」と(笑)。8、9話は徹底的に時代劇にしましたが、ゆうぎりの過去を描くならああせざる負えなくて。皆さんはゆうぎりの運命を想像しながらご覧になると思うので、あまりおちゃらけもできないし。
だからと言って暗くはしていませんが、命の大切さや、佐賀県がどう生まれ変わっていくかとか、どうよみがえらせるかに繋がっていると思うので、筋を通して描いたつもりです。
――JUNJUNさんは『ゾンビランドサガ リベンジ』の制作を知ったのはいつ頃ですか?
振付担当 JUNJUNさん(以下、JUNJUN):2019年3月の品川でのライブ(3月17日、品川インターシティホールで開催された『ゾンビランドサガLIVE~フランシュシュみんなでおらぼう!~』)の後あたりで「もしかしたら?」というようなことを聞いた気がします。正式に知ったのは7月(27日開催)のアルピノでのライブのリハーサルででした。
境:シナリオも動いていましたから、そういう話も伝わっていたかもしれませんね。
JUNJUN:制作が決まった時は「待ってました!」という感じで、素直に嬉しかったです。同時にどんな内容で、どんな曲になるのかな、どんな振付にしようかなと、どんどん妄想が膨らんで、ワクワクしていました。1期よりも更にレベルアップしたいと思っていたので、頑張りたいなと。
――JUNJUNさんが『ゾンビランドサガ リベンジ』をご覧になった感想は?
JUNJUN:1期では見知らぬもの同士が1つのグループになって、お互いを知っていきながらライブを成功させようと頑張る姿に感動していましたが、2期ではそれに加えて、駅スタライブ失敗で抱えた借金を返すという目標もできて。みんなで協力や信頼し合う様子を見て、アイドルグループを超えて、もはや家族だなと思いました。
4話のライブシーンがとにかく好きで、特に会場の後方で見ていた愛が、ステージ上の純子たちの元へ走っていく姿にぐっときました。揺るがない絆みたいなものが見えて感動しました。7人そろったところで歌った「目覚めRETURNER」のエレクトリックver.の演出もかわいかったです。
たえちゃんを囲んで、みんなが円になる間奏のパートは、アニメでは今まで反映されていなかったので、そこがアニメになっていたことも嬉しかったし、たえちゃんに羽が生えていたのを見て、「何これっ!?」と喜びのあまり思わず叫んでしまいました(笑)。
境:あそこは何とかして、見せたいと話してましたよね。、リアルなライブでもなかなか再現できていないから、アニメでやっと見せることができて。
JUNJUN:たえちゃんがセンターにいること自体があまりないことなので。
境:「たえにもエフェクトを足してください」と話数演出の方にお願いしたら、羽を生やしてくれました(笑)。
『ゾンビランドサガ』シリーズの振付を担当するJUNJUNさんが苦戦したことは?
――JUNJUNさんが『ゾンビランドサガ』に関わることになった経緯と、作品上どのように関わられているのか、ご紹介お願いします。
JUNJUN:まずavex picutresさんから振付の依頼をいただいて関わるようになりました。基本的には楽曲と簡単なイメージをいただいて、振りを付けて、モーションキャプチャー撮影用にダンサーに踊ってもらい、その映像を境監督や制作の方々に見ていただいて、場合によっては振りを作り直したりもします。
境:でも、振りを変えてくださいとかはほとんど言ったことがないです。いつも上がってきた映像を見て、「カッコいいので、このままお願いします」と。
――このプロジェクトではアニメのキャラクターたちのダンスシーンだけではなく、キャストもライブでパフォーマンスするわけですが、振付をする際に意識されている点はありますか?
JUNJUN:楽曲ができるまでのエピソードを考慮しつつ、曲のイメージに合わせて、フランシュシュらしい動きやキャラクターに合わせた動きを作るようにしています。アニメのライブシーンでは一部しかお見せできませんが、ライブではフルで見ていただけるので、曲の最初から最後まで、細部に至るまで全力でやらせていただいています。
苦戦したところは、たえちゃんの動きです。毎回、たえちゃんはどれくらい、ダンスができるようになっているのかを制作の方と相談しながら作っていました。またライブでは、たえちゃんがいない6人編成なので、7人編成から構成を変えるところもいつも苦戦しています。
他のアイドルアニメとの違いはたえがいるか、いないか!?
――JUNJUNさんは『キラッとプリ☆チャン』や『アイドルタイム プリパラ』など、他のアイドルアニメでも振付を担当されていますが、他作品とのやり方の違いはありますか?
JUNJUN:進め方はだいたい同じですが、大きな違いはたえちゃんの存在があるか、ないかですね(笑)。普通はメンバー全員がまとまっていたり、計算された動きをしますが、1人だけ浮遊したり、どこかに行ってしまうというのは今までなかったので。
境:最初の頃、相当苦戦されていましたよね。収録の現場でも迷われていて、僕も具体的な方向性をなかなか示せなくて、申し訳なかったんですけど。「でもリズムはとれるんじゃないですか?」みたいな話をして。ポイントでみんなでそろえるところはそろえて、みたいなところを足掛かりに作っていった気がします。
宣伝担当:たえが少しずつ、上手になっていくところを再現していくのは大変そうです。
JUNJUN:特に1期では12話の「FLAGをはためかせろ!」が一番上手に踊れているはずです。2期でも1期の時よりはダンスが上達していると思います。
境:4話ではドラムを叩いてましたからね(笑)。
JUNJUN:ヘッドスピンもできますよ。
境:「リズムだけはとれる」というところから、どこまで発展するんだと(笑)。
宣伝担当:たえが少しずつ、うまくなっていくというところは監督からのオーダーですか?
境:いえ、JUNJUNさんから「ここはもう踊れる感じでいいですか?」と提案してくださって。でもたえが段々、成長していくというのは物語としてアリだなと思ったので、取り入れさせていただきました。
(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会