小林愛香さん1stアルバム『Gradation Collection』発売記念インタビュー|自身作詞曲を含む13曲は様々な歌声やサウンド感で、今の「小林愛香」のすべてが感じられる1枚!
小林愛香さんの1stアルバム『Gradation Collection』が6月23日発売となります! メジャーデビュー曲「NO LIFE CODE」や、TVアニメ『さよなら私のクラマー』のOPテーマ「AMBITIOUS GOAL」、同劇場版主題歌「空は誰かのものじゃない」などのタイアップ曲も含めた13曲を収録!
アーティスト活動のテーマとして掲げた「Gradation」のように、各楽曲の歌詞では様々な表情や人物像を、サウンドでもロックチューンからポップス、ボサノバ、カントリーなど幅広いジャンルを歌い、シンガーとしての実力と可能性を見せてくれる1枚です。
今回は、リリースを控えた小林さんにこのアルバムの聴きどころや全曲紹介をしていただきました!
音楽活動のテーマ「Gradation」を様々な角度から見られるアルバムに!
――アルバムのタイトルの由来やコンセプトについてお聞かせ下さい。
小林愛香さん(以下、小林):メジャーデビューシングル「NO LIFE CODE」の時から「Gradation」を軸として掲げてきましたが、この1stアルバムではその「Gradation」をいろいろな角度から感じることができる楽曲が集まったので、私がこのタイトルを付けさせていただきました。
今回はシングル表題曲の3曲以外はすべて新録曲で、6月11日(金)より全国公開された、『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』の主題歌やこれまでオンラインライブでのみ披露していて、今回初めて音源化された曲なども収録されています。
基本的には、サウンドプロデューサー、Q-MHzの田代(智一)さんに全体的な部分を見ていただきつつ、私が作詞したり、タンバリンの演奏をする曲があったりと積極的に制作に関わりました。
――Q-MHzのメンバーが全楽曲に関わられていることで、バリエーションに富んでいます。
小林:Q-MHzさんの曲は重厚感のあるロックとか強い印象の曲が多いので、レコーディングでは負けない力強いボーカルを意識しつつ、曲にのせられてどんどん強くなっていく相乗効果を感じました。
一方で、ポップでかわいい曲もあって。いろいろな曲を歌っていますが、小林愛香という軸がブレていないので、1つのグラデーションでつながっている、まとまりがあるアルバムになっているかなと思います。
そして聞き終わった後、結構なボリューム感と満足感を感じて。自分で言うのもなんですけど、幸福度が高いアルバムになったなと思っています。
――リリース直前にツアーもあったことで、ライブチューンが多い気がしました。
小林:元々、「NO LIFE CODE」や「Tough Heart」などのシングル曲やカップリング曲も、聞いていて自然と体が動いてしまうような曲を意識して作られています。「こんな風に盛り上がってほしい」という想いも込めていて。ライブで皆さんと作り上げ、育てていきたい曲たちです。
――この曲順でそのままライブをやってもいいような。
小林:確かにこのままのセットリストでやりたいくらい(笑)。あいきゃんチームの皆さんと一緒に曲順を考えたんですけど、ストーリー性があるつながりになっているかなと思います。
特にラストナンバーの「Can you sing along?」は、実際にライブの最後に歌った曲で、そのイメージがあるんですよね。
8曲目の「Please! Please! Please!」もみんなの声を求める曲なので、またライブでみんなと声が出せるようになったら楽しみだと思うし、その後、「Border Rain」や「AMBITIOUS GOAL」などパワフルな曲が続き、「Moonlight Balcony」や「Night Camp」は夜のイメージで、暮れていく感じを表現しています。かなりこだわったので、まずは1回、曲順通りに聞いていただきたいです。
「NO LIFE CODE」は、表現したかったことがすべて詰まった名刺代わりのメジャーデビュー曲。
――では収録順に全曲のご紹介をお願いします。まず1曲目の「NO LIFE CODE」はメジャーデビューシングルです。
小林:改めて聞き直すたび、やっぱりいい曲だなと思いました。言葉に説得力がある曲で、私が思い描く、理想のアーティスト像や表現したかったことがすべて詰まっていると言ってもいい曲です。
これからも大切に歌い続けたいし、歌詞の中に「Gradation」と入っているし、私の歌声を初めて聞く方に「これが小林愛香です!」と伝える名刺代わりの曲でもあるので、1曲目にピッタリかなと。
――「Heartache soldier」は、青春パンクのような曲調で、曲名のように誰もが「傷心の戦士」であり、日々戦っている人たちへのエールにも聞こえます。
小林:オンラインライブで1度披露している曲で、歌詞がまだついていないデモの段階から「仲間」や「友情」を感じる熱さがあって。友情もののアニメのED曲みたいに、1人ひとりが集まってくるような(笑)。
またオンラインライブを見ていただいた方はご存じだと思いますが、私たちの中ではウインク曲と呼んでいます。歌詞に「秘密の合図」とあるように、みんなにしかわからない合図みたいな感じで、歌っている時にウインクするのが裏テーマになっています。
私のウインクをファンのみんなも好きだと言ってくれたので、それを「合図」にしてくれたQ-MHzさんに感謝です。
――「Secret Feeling」は、ピアノとエレキギターの演奏やコーラスなど、ジャズとロックがクロスオーバーするおしゃれ感のある楽曲ですね。
小林:今まで開けたことがない扉を開けた感覚です。大人っぽくて、艶っぽいところがお気に入りで、歌っていても違う自分になれた気がして、楽しい曲です。また歌詞の中に「ドライバー」や「クラクション」とあるように車のイメージもあったので、完全生産限定盤に付く私がデザインしたレインポンチョにも車を入れました。
――夜の路上で「どこにでもあるような夜を踊りあかす」や「またいつか(この星の)どこかですれ違おう」もドラマティックでシティポップみたいな世界観だなと思いました。
小林:ストーリー性が見えてくるし、洋画の1シーンみたいですよね。また「散らばるヘッドライト」も夜の雨上がりの交差点で、点滅している信号も思い浮かんでくる、大人っぽい雰囲気があるので、そこも意識して歌ったし、こういう表現もできるんだという発見もあった、可能性を感じる1曲でした。
――「空は誰かのものじゃない」は、『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』の主題歌で、さわやかなバラードナンバーです。
小林:『さよなら私のクラマー』の物語が好きで、主人公の希ちゃんが頑張る姿を見ると、周りの男の子たちが彼女を好きになる理由がわかります。すごくひきこまれるし、壮大で空を感じるような映画で大泣きしてしまいました。
映画では空にキャラクターたちの心情が現れている気がするし、この曲ともしっかりつながっているなと思いました。歌詞の「きっと自由な未来を追いかける みんなのものさ」や「胸の中では強く育ち始めてる希望」など可能性しか感じられない内容でめちゃめちゃ青春だなと。私自身も青春を意識して歌いました。
映画の主題歌を歌うことが夢の1つでもあったので、実現した瞬間です。でも作品のストーリーや世界観を広げる、大切な存在なので、プレッシャーはありました。想いや責任感に縛られてしまうと空の自由なイメージを表現できなくなると思ったので、あまり気負わず、だけど自分ができる精一杯で歌いました。
レコーディングではうるうるしてしまって、オチサビでは感情を入れ過ぎると泣きそうになったので涙をこらえながら歌いました。劇場で聞いていただいて、皆さんにもこの曲を好きになっていただけたら嬉しいです。