「私のハートを強くさせるのはみんなです!」 1年半ぶりの君との再会、そして次の約束も。アーティスト・斉藤朱夏が“セカイノハテ”から見せたカラフルな景色と、届けたメッセージ/“セカイノハテ”ライブレポート
声優・アーティストの斉藤朱夏さんが6月3日(木)、東京ガーデンシアターで「斉藤朱夏レコ発ワンマンライブ“セカイノハテ”」を開催した。昨年11月7日(土)にTUTAYA O-EASTで行われた、初のワンマンライブ「朱演2019~くつひもの結び方~」以来、約1年半ぶりとなる有観客ライブである。
2019年のデビュー以降行った公演は計3回。フリーライブ、ライブハウス、配信型ライブと、さまざまな形でライブを行い、(キャパシティ的にも)ホップ・ステップ・ジャンプと駆け上がってきた朱夏さん。一見順風満帆なステップアップに見えるが、その間に公演延期・中止があった。
前述の“朱演2019”は本来10月に行われる予定だったが、台風19号接近に伴い11月に延期に。そして、そのライブで発表した東名阪Zeppツアー“朱演2020”は新型コロナウイルス感染拡大防止のため全公演中止。 “君”に直接会えない時間を経て、やっと辿り着いた “セカイノハテ”は、ステージがないと生きている意味がないと自負する彼女にとっても、ファンにとっても待ちに待った時間だった。客席を見た瞬間、大きなよろこびと愛が溢れ出すのも無理はないだろう。
この瞬間を待ち望んできた斉藤朱夏と君の感動の再会 最初のMCは……
会場全体が朱色に染まる中、バンドメンバー=西野恵未さん(key)、今村 舞さん(ds)、伊藤千明さん(bs)、ひぐちけいさん(gt)が奏でる壮大な音色に合わせ、ステージ中央に設置された階段の奥、バックから光を浴びて登場した彼女はこの再会を噛みしめるかのように、力強く手を掲げていた。
「斉藤朱夏、レコ発ワンマンライブ、“セカイのハテ”にようこそ! 今日は最高のライブを作ろうね!」と、デビューミニアルバムのタイトル曲「くつひも」からスタート。<愛してるってフレーズじゃ大げさに思われてしまうかなあ もう苦しくてうれしくて この想いを他にどう言えばいい?>という歌詞は、今の “そのまま”の気持ちをまるっとパッケージしたかのよう。
続く「リフレクライト」では、赤いワンピースをひらひらと揺らしながら、コンバースのハイカットでキメた足元で一歩ずつステージ上の(宝箱をモチーフにしたかのような)階段を降り、左右に設置された立ち台へ移動。ダンスやハンズクラップで魅せつつ<ああ、世界は素晴らしい!>と高らかに歌う。今の朱夏さんにとってこれほどピッタリなファンファーレは他にない。彼女の心模様をすくい上げながら曲を手掛けてきたハヤシケイ(LIVE LAB.)さんのプロデューサーとしての手腕も改めて感じさせる。
ここで「“セカイノハテ”にようこそ!」と最初のMC。「みんな、久しぶり! 1年半ぶりの再会です。うれしいね。こんなにも会えることがうれしいだなんて思ってなかったです。今、すごく感動しています」と溢れる思いを言葉にしていく。
「毎日、ずっとそわそわしてて。もうちょっとでライブだ、緊張するな、って。今日は7時に起きる予定だったんですけど6時半に目が覚めてしまって。とりあえず味噌汁作るかって。それで、身体を動かして、朝風呂に入ってと、すごく有意義な朝活をしてしまいました(笑)。皆さんのおかげです、ありがとうございます! 私もビックリだよ! でも最高の朝活を終えて、今こうしてステージに立って、最高に、最高に、楽しいです! 会うのが遅くなってしまったんですけど、この日が無事に来たことがすごくうれしいし、奇跡だと思います。こんなに来てくれるなんて思ってなかったからさ。ビックリしちゃったよ、あそこから出てきたときに」とステージ中央奥を指し「あそこ、バカ緊張するの(笑)。この朱い光景を1年半ぶりに見られてすごく幸せです。来てくれてありがとうございます」と、観客との心の距離感を縮めながら笑顔で話した。
みんなともっとお喋りがしたい、喋りたいことがたまってるとこぼしつつ「みんなから大切な時間をいただいているので、1分、1秒、無駄にしないように、皆さんが今日は宝物だったなと思えるような良い日にしたいなと思っています。だから今日、瞬き禁止だよっ」と語尾にハートマークをつけたものの「私、ドライアイだから(瞬き禁止は)多分無理~!」と豪快に笑う。この等身大の砕けたトークも斉藤朱夏の魅力のひとつだ。
「この再会を音楽を通して味わいたいなと思います。1年半みんなと会いたくて、みんなのことが知りたくて。でも今日というこのライブ、1曲、1曲で、空いてしまった分の距離を埋めていけたらいいなと思ってます。私の1年半の思いを教えるので、皆さんもぶつけてください!」