「私のハートを強くさせるのはみんなです!」 1年半ぶりの君との再会、そして次の約束も。アーティスト・斉藤朱夏が“セカイノハテ”から見せたカラフルな景色と、届けたメッセージ/“セカイノハテ”ライブレポート
初のフルアルバムリリースに会場が沸く
「ゲームしたり、タオルをまわしたり、踊ったり。みんな遊んでくれてありがとう! 実はここから……3つ、お知らせしたいと思います! わードキドキする!」と、このライブが7月11日(日)の23:00~24:00にフジテレビTWOで放送決定したこと、8月に初の東名阪ツアー“朱演2021 LIVE HOUSE TOUR『真夏のハイウェイ』”の開催することを発表。
「去年の3月にZeppツアーを回る予定だったんですが難しくなってしまって。また新しい形で東名阪回ります。みんなのところに遊びに行くからね! ファイナルは8月16日です。まあ、なんの日かは、ねぇ……! みんな言わなくても分かると思うんだけど、別になんの日かとかはねぇ……!」と匂わせつつ話したものの、最後には「お祝いしてほしい」と自ら誕生日をアピールしてしまったところも朱夏さんらしい(笑)。
そして3つめのお知らせとして、8月18日(水)に初のフルアルバム『パッチワーク』をリリースすることを発表し、歓喜の声が聴こえるかのような大きな拍手が沸き起こる。
「泣けてきちゃうからやめて(笑)。初めてのフルアルバムです。すごいよ! いま楽曲制作の途中なんだけど……すごいことになってます。早くみんなに届けたくて。私、最近SNSで“緊張した!”とか、匂わせ行為をしてたんですけど……フルアルバムのレコーディングをしていました。1曲目、すっごく緊張して! こうしてフルアルバム、Zeppツアーができるのは、みんながずっとずっと背中を押してくれたから。本当に皆さんのおかげです。ありがとうございます!」と、元気いっぱいに感謝を伝えると「本当はね……」と声のトーンを落とし心境を吐露する場面へ。
「もっとうれしいお知らせとか、いろいろなことをみんなに伝えたかったけど……実は伝えられなかったものもたくさんあって。でも、今こうして嬉しいお知らせができてることに、すごくホッとしてます。みんながいてくれたから、私がこうして突っ走っていけた。正直、本当に壁ばかりあって。つらいなとか、悔しいなとか、ムカつくとか、負の感情が沸きあがってきたけど、それを誰かにぶつけることもできなくて。
この壁を開くにはどうブチ壊せばいいのかなと、いろいろな方法を考えました。でもやっぱり、つまづいて、転んで、ぶち当たって。きっとね、みんなもこの1年半、そうだったと思います。人生にはいろいろな壁があるってよく話すんだけど……でも、いまは焦らなくても良いかなって。無理なときは無理だ! じゃあ1回休憩しようって。それでもいいんじゃないかなって思いました。
この先の未来にどんな壁が待っているのか……正直怖くて、足がガクガク震えるけど、今日安心しました! ここにいるみんな、本当は来たかったけど来られなかったみんな。みんながいるから、どんなに分厚い壁があっても絶対にブチ壊して、みんなに会いにこようって。みんなに会いに行こうって。私のハートを強くさせるのはみんなです! 本当にありがと!」
その言葉の想いを全てを表現した「セカイノハテ」(TVアニメ「バック・アロウ」のエンディングテーマ)では、壁をブチ壊したことを宣言するかのように、イントロで思いっきりハイキック! そして今度は君の番だと言わんばかりに<さあ一歩切り開いていけ>とファンの背中を思いっきり押した朱夏さん。バンドメンバーによる演奏もひときわエモーショナルで、紆余曲折があったコロナ禍で一人ひとりが壁を乗り越えて、“今、ここ”にいることを感じさせる。とりわけ会場全体にエネルギーを注ぐようなDメロは、照明のドラマティックな演出も相まってグッとくるものがあった。
この日のラストナンバーに選んだのは「止まらないで」。ステージ全体を走りまわり、時にはしゃがみ、ファンと視線を結びながら力強いロングトーンで<止まらないで>とメッセージ。「まだまだ止まらないで! 走っていくよ! 私の背中、ずっと見つめててよ! オッケー!?」と叫んだのだった。
客席が明るくなり、「今日は本当にありがとう」とライブを振り返る。笑顔ではあったが、緊張の糸がほどけて、今にも泣きそうな表情でもあった。
「というわけで突っ走ってきました。あっという間だったな。1年半ぶりに君と再会することができて、何回も何回も言うけど、この日を迎えられたことが奇跡だなと思います。みんなと会えるって……こんなにも最高なんだ、こんなにもうれしいんだって。私がこうしてステージに立てるのは、みんなと、スタッフの皆さん、バンドメンバーのおかげです。この先、どんなことが起こるか、正直分からないけど……でも大丈夫だなって思います。こうやってライブができてすごく幸せだし、みんながここまで来てくれたことに感謝してます。みんなにとってこの日が宝物になったら良いなって。この日を迎えられて、私の宝物ボックスにステキな思い出ができました。みんなのおかげです。何度ありがとうを言っても、感謝が伝えきれないくらい、もう胸がいっぱいで」と声を詰まらせ、「また、みんなと会えることを楽しみにしています! 今日ステージに立たせてくれて、本当にありがとうございました! また斉藤朱夏はライブがより大好きになりました! 8月にみんなと会えるのを楽しみにしてるから、手洗いうがい、しっかりするんだよ! また会おうね!」とゆびきり。
こうして一緒に過ごせる時間が決して“当たり前ではない”ことを知っている、彼女と私たちだからこそ、次の約束ほどうれしいものはない。
君に会えたこと、ステージに立てたことの喜びを全身で表現したこの日。それだけではなく、さまざまな軌跡を経て辿り着いた“セカイノハテ”で、アーティスト・斉藤朱夏として、また新たなスタートを切ったことを予感させた。この日君からもらった宝物を抱きしめて、アーティスト活動3年目の夏がはじまる──。
[取材・文/逆井マリ PHOTOGRAPHY BY Viola Kam(V’z Twinkle)]
斉藤朱夏/パッチワーク CD情報
2021/08/18発売
通常盤
価格:3,850円(税込)
初回生産限定盤
価格:4,730円(税込)
パッチワーク パッチワーク盤(完全生産限定盤)
価格:7,700円(税込)
アニメイト特典
★オリジナルポストカード
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。