『カイジ』格言・名言・名台詞まとめ│迷ったとき、負けたときにこそ染み渡る言葉の数々を紹介
負け続けの人生を送ってきたカイジが、同じ負け犬たちを食い物にしようとする悪党たちと壮絶なギャンブルを繰り広げる漫画『カイジ』。劣悪な環境で醜くも必死に生きる債務者たちの姿が時に感動を産み、今でも読者の心を刺激しています。
人生で負け続けてきた挙げ句、多額の借金を背負った債務者たちが多数登場する今作。そんな債務者たちが極限状況で発した言葉には鬼気迫る感情が込められています。加えてそんな債務者たちを食い物にする悪党たちも、厳しくも納得のいってしまう名言の数々を残しています。
今回はそんな『カイジ』シリーズの名言を紹介! 声優さんの迫真の演技が原作の魅力を最大限に引き上げたアニメ版をベースに、いくつかの名言をピックアップしました。
『カイジ』名言・名台詞まとめ一覧
カイジ(CV:萩原聖人)の名言
「逆境無頼」第26話「残光」(ティッシュ箱くじ引き編):「胸を張れっ…! 手痛く負けた時こそ…胸をっ…!」(カイジ)
利根川との「Eカード」に勝利したカイジは、続いて真の黒幕ともいえる兵藤会長に「ティッシュ箱」を使った勝負を挑みました。片耳を犠牲にしてまで勝ち取った大金、そして自身の指をBETし、大悪党に果敢に挑んだこの戦い。今度はカイジがイカサマを仕込んで帝愛に一矢報いようとしますが、結果は残念ながら完敗。
お金だけでなく指まで失ってしまう非情な結末にカイジも最初は涙ながらに取り消しを訴えようとしますが、これまで散っていった者たちを思い出し、態度を一変。泣きわめいても絶対に許されないことを悟ったカイジは、この名言とともに指が切り裂かれる瞬間をその目で見届けました。
「破戒録篇」Bet.1「地の獄」(地下チンチロ編): 「キンキンに冷えてやがるっ……!」「犯罪的だっ……!」
「1日外出券」を手にし、過酷な地下を抜け出すためペリカを貯金しようと決意するカイジ。しかし、そのためにはお酒やおつまみといった、厳しい労働の後のご褒美を我慢しなければいけません。ビールやおつまみ、タバコ、コーヒーといった誘惑の数々。最初は頑なにその誘惑たちから目をそらすカイジですが、そこにそっと135ml缶のビールが差し出されます。
これはカイジをカモにしようとする大槻の安い企み。しかしこの作戦は、身体も心も乾ききったカイジの身体に効果てきめん。手にしただけで「キンキンに冷えてやがるっ……..!」と五感が刺激された様子で、その小さな缶のビールをすぐさま完飲。「犯罪的だっ……!」「ビール1本のためなら強盗だって……」と心の奥底の声を漏らしたときにはすでに誘惑の沼に。この1本で完全にタガが外れたカイジは、本来のだらしのない性格も相まって無駄遣いを始めてしまうのです。
「破戒録篇」Bet.21「確実な勝利」(沼編):「希望に進むのが気持ちのいい人生ってもんだろ」
パチンコ「沼」を相手取った最終決戦は中盤。「沼」のトラップの数々を切り抜けたカイジたちですが、軍資金、地上にいれるタイムリミットが底を尽きかけます。そんな絶望的な状況ですが、「沼」の排出口を見たカイジはそこに一筋の光を見出します。しかし、ついに底を尽きた軍資金。そこでカイジは、仲間の遠藤に最後の融資を持ちかけるのです。
遠藤が負けたときのためにとっておいた逃亡資金1000万円を借りようと喰らいつくカイジ。追い詰められた状況で遠藤は勝負を諦めようとしますが、カイジの最後の策に心が揺れます。それでも慎重な遠藤でしたが、最後のひと押しに「希望に進むのが……気持ちのいい人生ってもんだろ…………仮に、地の底に沈もうともだ……!」と語りかけるカイジ。この一言でカイジとともに地獄に堕ちることを涙ながらに決意した遠藤は、カイジに最後の金を託しました。
しかし、ここで交わした契約は、カイジにとって「悪魔との契約」だったことが最後に判明するのです……。
利根川(CV:白竜)の名言
「逆境無頼」第2話「火蓋」(限定ジャンケン編):「勝たなければゴミ!」
ギャンブル船「エスポワール」で行われる「限定ジャンケン」。ホールマスターである利根川がこのギャンブルのルール説明を行いますが、その不透明な説明内容に債務者たちは不満の声を爆発させます。
そんな債務者たちの声を利根川は「黙れ……ぶち殺すぞ……ゴミめら!」と一蹴すると態度が一変。シャバで負け続けた債務者たちに自分たちが追い詰められた状況であること、そんな状況から抜け出すにはとにかく「勝つこと、勝つことだけが全てだ!」、加えて「勝たなければゴミ!」と檄を飛ばしました。
「逆境無頼」第12話「転落」(鉄骨渡り編):「金は命より重い」
人間の醜さが集約したゲーム「人間競馬」を無事クリアしたカイジたちですが、その賞金を得るためには「鉄骨渡り」に挑戦しないといけないと利根川に告げられます。危険をくぐり抜け、なんとか賞金の1000万、2000万円を得られると思った矢先のこの対応。参加者たちは騙されたと言わんばかりに不満を爆発させますが、利根川は「あんな戯れ事で金を渡せるか!」と一蹴します。
人は金を得るために多くの時間を使う。金を得るために人は命を削っている。人は「金」を得るために多くの努力をしている。つまり「金は命より重い」ことを力説。そして、集まった参加者たちはそんな大金を得るに値する人生をおくっていないと言い切りますが、それでも欲しければ「命を張る以外にない!」と「鉄骨渡り」への参加を促しました。
「逆境無頼」第13話「怪物」(鉄骨渡り編):「世間はお前らの母親ではない」
地上74メートル、全長25メートルの鉄骨渡りのメンバーを募る中、ギリギリまで参加を躊躇するふたりの参加者。いつまでも決意を決めないこのふたりに利根川が浴びせたセリフです。参加資格を取り上げられてから「そんな」「もう少し待って」と焦りだすこのふたりに、「クズが」と切り出した利根川。
続けて「もう少し待ってくれ? お前らは生まれてから何度そのセリフを吐いた? 世間はお前らの母親ではない。クズの決心をいつまでも待ったりはせん。一生迷ってろ。そして失い続けるんだ、貴重な機会(チャンス)を…………!」と、このセリフを残しました。
大槻班長(CV:チョー)の名言
「破戒録篇」Bet.1「地の獄」(地下チンチロ編):「明日からがんばるんじゃない、今日、今日だけがんばるんだっ」
135ml缶のビール1本でカイジを欲望の沼へと招いた大槻。タガの外れたカイジを欲望の沼から逃しまいと「欲望の解放のさせ方がへた」と、巧みな言葉でペリカを散財させます。そんな言葉に踊らされて散財するカイジを見た大槻の側近・沼川が「バカ丸出しですね」とあざ笑うと、大槻は本性丸出しで「バカだからね」と一言。
そんな大槻は、散財の果てに「明日から頑張ろう」「明日から節約だ」と考えるカイジのような人間の思考をお見通し。その考えを否定するとともに、「明日からがんばるんじゃない、今日、今日だけがんばるんだっ。今日をがんばった者、今日をがんばり始めた者にのみ、明日が来るんだよ」という言葉を残しました。
優しいおじさん(CV:藤原竜也)の名言
「破戒録篇」Bet.26「未来は僕らの…」(沼編):「帝愛じゃねぇっ! オレだ! オレがただでやるって言ってんだ!」
「沼」に勝利し、「45組」の仲間たちを地上へと救い出したカイジですが、遠藤の策略に加えて、最後に残ったなけなしのお金もパチンコで擦ってしまいました。仲間たちと合流して飲み食いするお金もないこの状況。「45組」のヒーローである自分が文無しでは立場がないとウジウジしているカイジですが、黒服のひとりはそんなカイジが謙虚なんだか傲慢なんだかわからなずやきもきします。
黒服といえば債務者確保のために手段を選ばないカイジたちにとって怖い存在。しかし、この黒服はなんとカイジに3万円を渡し、仲間の元へ行ってやれと言うのです。帝愛の人間らしからぬこの行動に驚きと疑いを隠せないカイジですが、黒服は「帝愛じゃねぇっ! オレだ! オレがタダでやるって言ってんだ!」と言い切ると、仲間たちとの合流を促します。そんな黒服にカイジは「優しいおじさん……!」と涙をにじませつつ、感謝の言葉を残して仲間たちの元へ向かいました。
ちなみにこの黒服の声を担当したのは、実写映画版で『カイジ』を演じた藤原竜也さんです!