苦手な夏から「逆境をチャンスに」をコンセプトに!? 全10曲が新録された上田麗奈さんのNEWアルバム『Nebula』リリース記念インタビュー!
自身作詞曲「プランクトン」は自己解決から希望へ
──「プランクトン」は作詞をされていますが、どんなテーマやイメージで歌詞を書かれたのでしょうか?
上田:「デスコロール」で自暴自棄になった後、希望に向かうまでに何をしていたのかなと。
「何で仮面をかぶらなきゃいけなかったんだっけ?」「何で怒っていたんだっけ?」、「何にショックを受けたんだっけ?」とさかのぼっていったら、「自分がこういう人間なんだ」と改めて気付くことができて。
そこで解決策としてどうしたらいいのか考えることで希望も見えて、次につながる、そんな位置づけの曲です。
──浮遊感のあるサウンドと「ゆらり」や「ふわふわ」というコーラスなどピッタリですね。
上田:この曲のデモと「デスコロール」の歌詞を見た時、海に浮かんでいるイメージが見えて。「デスコロール」のラストフレーズ「傷口から甘い蜜が滴」って、それがふわっと広がったと思ったら海の中にいて漂っていて。
漂っている海の生物といったら「プランクトンだ!」と。プランクトンは自分では動けず、流されて進むことしかないできないけど、私は人間なので自分で動くことも進むこともできから流されてみたけど、動いてみようかなというイメージです。
──「anemone」では雰囲気がガラっと変わって、シティポップのような爽快感のあるサウンド感と軽やかな歌声です。
上田:まさに夜明けのイメージですね。この曲のMVが公開された時、「きっとリード曲だから1曲目かな?」と思われた方も多いかもしれませんが、8曲目なのが重要で、「挫折」の曲にしようと決めていました。
今まで「挫折」を悪い意味でとらえていましたが、いい意味であきらめがついて、生きるのが楽になる現象であることを体験してみて気付いて。「挫折ってこんなに温かい涙が出るんだ」とスッキリした気持ちをAnnabelさんに歌詞にしていただきました。
デモを聴いた時、こんな自分でも生きていけるんだなと背中を押してもらえた気がして、涙が止まらなくなってしまって。温かい曲になったと思います。
──MVでは朝起きてから夜まで1日を表わしているような映像ですね。
上田:衣装パターンもシチュエーションも多かったんですけど1日で撮り終えました。天気も雨雲レーダーを見ながら撮影シーンを入れ替えたり、スケジュールの変更しましたが晴天から曇り、雨まで撮影したい天候がすべて来てくれました。傘が折れたカットも自然発生の風のおかげで、「やったぜ!」と。いいシーンがたくさん撮れました。
──まばゆい光を浴びていたと思ったら、車の中で泣いたり、外で髪を振り乱したりとアップダウンが激しく、がっつり演じられています。
上田:私の感情の変化が撮れたらいいですねということと、身近な歌詞だったので、温かみを残すために身近なMVにしましょうというお話がありました。でも洗濯ものを畳んだりという仕草や動きではなく、ただ歩いているだけでも表情で感じてもらえたほうがいいかもと。難しいけど私も頑張りました。
──同じくAnnabelさん作詞の「わたしのままで」もミディアム調の温かく、優しい歌声とサウンドが心地いいです。
上田:今までモヤモヤしていた、怒りや嫉妬が生まれた原因がわかって、負の感情もどこかに消えて。それが夢ではなく、事実なのかを確認している時を思い出しながら作った曲です。「本当に大丈夫?」と何度も自分に問いかけるような。
──最後には「昨日までのわたしも連れていくよ」と前向きに。
上田:嫉妬したり、モヤモヤしていた自分も忘れないほうがいいし、負の感情が消えても覚えた状態で進んでいけたらいいなと思った記憶があって。そんなお話をしたことをAnnabelさんが覚えてくださって、歌詞に入れてくれました。ED感もあって、この曲で終わってもよかったんですけど……。
──「Jump over the wall」の歌い出しから始まる「wall」はミュージカルのラストを飾るような曲になっています。
上田:映画でいえばエンドロールが終わった後のCパートやミュージカルのカーテンコール感もあって。
自分の気持ちや感情に決着が着いて、どんな道を歩むだろうと考えた時、自分の個性や考え方を大切に生きていけたらと思い至って。
コトリンゴさんには、きれいだけどクセがあって、そのクセが心地いい音楽を作っていただけたらとお願いしました。歌詞も刺さる言葉がたくさんあるのもいいですね。