JAM Project初のドキュメンタリー映画『GET OVER -JAM Project THE MOVIE-』のBD&DVD発売記念インタビュー|「一生ものの映画」と語る映画で一番反響のあったシーンとは?
20周年記念アルバム『The Age of Dragon Knights』のレコーディング風景、海外公演、各メンバーのソロ活動、そしてコロナ禍で20周年記念ツアーが中止になった中、無観客で行われた『JAM FES.』の模様に加え、20年間の秘蔵映像やソロインタビューも収録。
赤裸々なコメントや内容はアーティストムービーの域を超えたヒューマンドキュメンタリー作品であり、公開直後には大きな話題と反響が起きました。
今回のBD&DVDには、新たに各メンバーと大澤嘉工監督のオーディオコメンタリーも収録。「完全生産限定版Complete Box」には更にメンバー全員と監督が映画を見ながら語り合った座談会に、GRANRODEO、FLOW、angela、ALI PROJECTも出演した『JAM FES.』の再編版などBD3枚にオリジナルTシャツ付き!
9月10日からはツアー『GET OVER -JAM PROJECT THE LIVE-』も始まるJAM Projectの皆さんに『GET OVER -JAM Project THE MOVIE-』の見どころやツアーへの意気込み、最新シングル「Bloodlines~運命の血統~」について語っていただきました。
JAMの20年の歩みだけではなく、アニソン界の繁栄の過程も見られる作品。映画に助けられ、より深まった5人の絆
──完成した『GET OVER -JAM Project THE MOVIE-』をご覧になった感想と、公開後に触れたファンの反響などへの感想をお聞かせ下さい。
遠藤正明さん(以下、遠藤):最初は恥ずかしさもありましたが、今では映像作品として残せたことを嬉しく思っているし、僕自身この作品にすごく助けられました。故郷の友人たちも見てくれて、宮城県石巻市を大きく取り上げてもらえたことも嬉しかったと言っていました。
きただにひろしさん(以下、きただに):自分の人生の中でも映画を撮影していただくなんてめったにないことですし、この映画を通じて、より5人の絆が深まった気がします。また母や同級生も見てくれて、自分が活動しているグループについてわかってもらうことができて良かったです。
影山ヒロノブさん(以下、影山):劇場公開が終わった後も、副音声収録や座談会など、メンバーと一緒に見る機会が何度かあって。
20年間の活動を振り返りつつ、20周年ツアー目前にコロナ禍に直面した僕らの想いや様子を描いたドキュメンタリーになっていますが、ライブ会場がどんどん大きくなっていく様子や海外公演の映像を見ると、JAMだけではなく、アニソン界への認知度が上がって、市民権を得ていく過程とも重なっているなと。
お話をいただいた時はどんな作品になるのか想像できず、不安もありましたが、完成した時は映像として自分たちとアニソン界の軌跡を残せて良かったと思ったし、たくさんの人に見てほしいと心から思っています。
奥井雅美さん(以下、奥井):JAMには途中加入しましたが、音楽人生の半分以上をJAMの一員として活動してきました。今までもCDやライブ映像などで活動の記録や生きた証は残してきましたが、ドキュメンタリー映画という形で振り返れたことはありがたかったです。
コロナがなければ20周年記念アルバム、ツアーをやってと順調な20周年を迎えて、映画的にもハッピーエンドで終わっていたかもしれないけど、思い描いたロードマップとガラリと変わってしまって。
ソロインタビューの初期と終盤ではテンション感もまったく違うし。でも自分自身を見つめ直すことができたし、今後の目標や未来も見つけるきっかけにもなったかなと思っています。
福山芳樹さん(以下、福山):過去の映像もあるし、かなり密着していただいていたので、2時間の映画にまとめるのは大変だろうなと思っていました。
JAM Projectがどんなグループなのかわかりやすく、レコーディングや海外公演など普段は見られないものや、僕ら自身が悩んだり、直面した危機なども赤裸々に描かれていて、すごいなと。
僕らのライブ映像はたくさんあるので、どれをオススメしたらいいのか悩みますが、映画はこの1本だけだし、間違いなく、映像としてのJAM Projectの代表作はこれになったなと。
あと友人からは「あんなところまで見せて良かったの?」と心配されたし、僕も最初はビックリしたけど、ウソ偽りのないドキュメンタリーだからこれで良かったんだと思っています。
ツアー中止など大アクシデントがありつつも「誰も見たことがないJAM Project」を描いた映画に
──改めて本作が制作された経緯やコンセプトをお聞かせください。
影山:『牙狼
ドキュメンタリー映画と言われてもピンと来ないまま、撮影が始まり、最初のうちは緊張しましたがレコーディングから海外まで、ずっと大澤(嘉工)監督が密着していたので、そのうちカメラが回っていることをまったく気にしなくなって(笑)。
20周年記念ツアーのライブ映像でカッコよく終わるのかなと思ったらツアーが全部中止になってどうなるんだろうと。でもサブタイトルのように監督が「誰も見たことがないJAM Project」を1本の作品としてまとめてくださって、監督に委ねて良かったと思っています。
──各メンバーのインタビューもかなりの時間と回数で行われたそうで。
影山:1回目の試写が終わった後にもインタビューがありましたから(笑)。でも僕らはいつも自然体で。なぜなら何を聞かれるのかわからないので、カッコいいセリフも用意できないし(笑)。あと他のメンバーがどんなことを話したのか試写で見るまで知らなくて。
遠藤:インタビューであそこまでしゃべったのは初めてかも。今まで語る機会はなかったし、語るより音楽で表現するのが仕事だと思うし。
──『GET OVER』というタイトルも内容にピッタリで深いですね。
影山:「Get over the Border」という曲もあって、コロナ禍という状況にも合っているし、自分たちも長く続けてきたゆえの閉塞感と向かい合わなくてはいけない時期とも重なって。ベテランになった今だからこそ苦しんだり、カッコ悪い部分まで見てもらえたほうがいいなと。顔のしわまで含めて、人生だから。
奥井:しわはあまり見せたくないです(笑)。
20年間の映像やインタビュー、レコーディングなど濃密な内容に!JAM Projectの在り方も再確認!
──冒頭の人気曲「SKILL」を複数のライブ映像を繋ぎ合わせた演出がまず20周年記念らしいなと。そしてアルバム『The Age of Dragon Knights』のレコーディング風景、海外公演映像、ソロ活動、ツアー中止からの『JAM FES.』と濃密な内容になっています。
奥井:よくまとまったなと思いました。さすが大澤監督! 私たちのライブBDの特典映像とは違うなと(笑)。
影山:インタビューも、僕らの発言を文字起こしたら、とんでもない量になったそうで、膨大な発言の中からピックアップして、1本の流れにするのは大変だったと監督が言っていました。
奥井:あとファンの方や友人、関係者の方から一番反響があったのはレコーディングシーンで。
影山:僕も「あんなふうにやっているんですね」とよく言われた。福ちゃんがマイクにガンガン当たっているのを見たKATSU(angela)君もすごく驚いていて。
きただに:僕らにとっては日常的なことなんですけど。
福山:(笑)。
奥井:この20年間の映像も監督がたっぷりと散りばめてくれて。JAMの初期のプロデューサーであり、今はうちの事務所の社長のまっつ〜(松村起代子さん)が愛情を持って、入れてほしいと監督にお願いしたそうです。
JAM Projectを応援してくださっている方には見覚えがある光景がきっと見つかるんじゃないかなと思います。
影山:映画の中で、ネガティブに見えるシーンもありましたが、最後のインタビューでみんなが「まだやめられない」と語っていて。俺たちがいなくなったら、こういうアニソンを誰が作れるんだという自負もあります。
もう何でもできるグループである必要はなくて。自分たちが取り組まなくてはいけないのはパワフルなアニソンスタイルを提示していくことなんだと。