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劇場版『Gのレコンギスタ Ⅲ』スタッフトーク音楽編公式レポ到着

劇場版『Gのレコンギスタ Ⅲ』「宇宙からの遺産」菅野祐悟氏、ハセガワダイスケ氏、仲寿和氏ら登壇スタッフトーク音楽編の公式レポートが到着! 菅野「富野監督は『僕は菅野に嫌われている』と言ってますが、僕は大好きです(笑)」

『機動戦士ガンダム』から始まったガンダムシリーズの生みの親・富野由悠季氏が総監督を務め、2014年10月より放送されたTVアニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』。

その劇場版『Gのレコンギスタ Ⅲ』「宇宙からの遺産」の大ヒットを記念して、8月18日(水)にスタッフトーク音楽編が開催されました。

音楽を担当している菅野祐悟氏、TVシリーズと劇場版第1部のエンディングテーマ「G の閃光」歌唱担当のハセガワダイスケ氏、プロデューサーの仲寿和氏の3名が登壇し、今回は『G-レコ』の音楽についてのトークが実施されました。

菅野氏と富野由悠季監督との音楽制作秘話や、ハセガワ氏による即興での「G の閃光」披露など大盛り上がりだったイベントの公式レポートが到着しましたので、ご紹介します。

▲左から仲寿和氏、菅野祐悟氏、ハセガワダイスケ氏

▲左から仲寿和氏、菅野祐悟氏、ハセガワダイスケ氏

劇場版『G のレコンギスタ Ⅲ』「宇宙からの遺産」スタッフトーク音楽編公式レポートが到着!

まずは、仲プロデューサーからお二人に『G-レコ Ⅲ』を観た感想について語って欲しいという振りからトークがスタート。

ハセガワ氏は「僕は今回、号泣しちゃいました。アイーダさんの “これからの時代は年寄りが作るものではないのです”というセリフで滅茶苦茶泣いてしまって。他に印象に残っているのは、劇伴の音が大きいこと。音量感が自分が今まで感じた中でも大きくて。そこにも感動しました」と印象的なセリフと音楽の存在感について語った。

続いて菅野氏は「ベルリとアイーダが姉弟であることがわかってしまった後、テレビシリーズにはなかったベルリが庭園で慟哭するシーン。あのシーンが加わることで、ある意味大人の残酷さやベルリの悲しみみたいなものの感情がすごく伝わってきましたね。その結果、主人公2人の関係性を深く見ることができて、より作品が見やすくなりました」と新作パートの効果について語ってくれた。

その新作シーンでは、今作用に書き下ろしの楽曲が使われていたという仲氏からの説明に続いて「『G-レコ Ⅲ』で新たに制作していただいた楽曲に関して、どんなエピソードがありましたか?」との質問。これに関して菅野氏は「ベルリが泣き叫ぶシーンの曲に関しては、富野監督と何度もやり取りをしました。あのシーンの本当の意味みたいなものを僕自身も掴むのに時間がかかってしまって。やり取りの中で監督の言う真意を掴んでいってようやく書けたのが先ほど劇中で聞いていただいた楽曲です。あの曲に関しては、新曲ということもあって僕自身思い入れが強く、印象に残っていますね」と答えた。

また、もうひとつの新曲に関しては、クライマックスのクレッセント・シップのシーンで使用。この曲に関しては、「最後のたたみ込むようなシーンということで、ちょっと長めの曲として書かせていただきました。今まで使ってきた「G の閃光」のイメージを崩さず、新鮮に見ていただけるといいなという思いを込めて書いています」という思いを伝えた。

次の質問は「TV シリーズの頃の『G-レコ』への音楽側からの関わり方について教えてください」というもの。ハセガワ氏は「当時、僕は菅野さんのアシスタントとして『G-レコ』の楽曲作りのお手伝いをしていて、曲の中でエレキギターを弾かせてもらっているんです。『G-レコ Ⅲ』の劇中でもその曲はちょっと聞こえてきたので、“やった!”と思いましたね」と振り返る。菅野氏も「TV シリーズはもの凄く過酷だったよね」と振ると、ハセガワさんは「僕は、人生で初めて三日間徹夜しました」と同意。

続けて菅野氏は、「本当に大変な作業でした。関わったどの作品も大切で本気でやっているんですけど、富野監督とのお仕事というのは、ある意味命がけで。富野監督自身がガチンコで、自分の人生をかけてぶつかってくる感じがあるので、僕らの方も“一歩間違えたら死ぬんじゃないのか?”という気持ちでぶつかっていかないと、監督には納得してもらえないようなところがありました。それは音楽のクオリティとかそういうところだけでは無いので、きちんと言葉にするのは難しいんですが、やっぱり本気でぶつかっていかなければ戦えない人だなというところは印象に残っていますね」と富野監督と一緒に仕事をする過酷さや本気度を披露してくれた。

次の話題は、ハセガワ氏が歌を担当している楽曲「G の閃光」について。ここで、ハセガワ氏が歌を担当することに至るまでの、驚きの事実が明らかに。

「僕はもともとシンガーソングライターとして活動していたんですが、自分の実力的にも年齢的にも歌手になるのは難しいだろうと思って。そこで、偶然菅野さんと出会い、歌手は諦めて音楽作家になろうと弟子入りしたんです。そんな中で、菅野さんから“君、歌を歌えるよね?”という形で、「G の閃光」のデモテープに仮歌を入れさせていただいたのがきっかけなんです」とハセガワさんが関わった経緯が語られた。

それに対して菅野氏は「当時、彼は完全に無名で。“TV シリーズの ED テーマである「G の閃光」を誰が歌うか”という話になった時に富野監督が“デモテープの歌はすごく素敵じゃないか。この人でいいんじゃないの?”と言っていただいて、まさかのデビューをすることになって。今まで燻っていて、歌手をあきらめようと僕に弟子入りしたら、まさかの歌手になれたという。そこから今はすごく活躍するようになっていった。だから、人生って何があるかわからないし、新しい可能性が開くこともあるんだなとハセガワ君を見て思いますね」と自分のもとで働いていた仲間の新たな門出の感想を語った。

これを受けてハセガワ氏は「本当に、『G-レコ』と菅野さん、そして富野監督には本当に感謝しています」と感謝。「ハセガワ君は、何に対しても一生懸命やる人なので、そこが歌を通して富野監督に届いたのかなというのと、歌の実力とか才能みたいものを監督が見出してくれて、今のハセガワ君があると思うので。もちろん、才能があっての話なんですが、人生って面白いなと思いますね」と菅野氏が感想を述べた。

この話に、「僕自身、ちょっと泣きそうで」と語った後、ハセガワ氏は持参したギターを手に、即興で「G の閃光」を披露。

一時期はストリートミュージシャンもやっていたということから、床に座ってアコースティックギターを奏でながら歌うストリートバージョンの「G の閃光」を高らかに歌い上げる。

歌い終えたハセガワ氏は「今の話の流れで、ここで歌うことができたのは、結構ヤバかったです。お客さんは全員泣いてますよ(笑)。僕は売れてない当時、駅前とかで歌っていたので、それも思い出しましたね」と楽曲をこうして披露したことを感慨深げに語った。

ハセガワ氏の生歌披露による盛り上がりから戻って、トークも後半戦へ。

ここでは、菅野氏と富野監督による楽曲制作におけるやり取りの話題へ。

「『G-レコ』では、50 曲くらい、トータルだと 70~80 曲くらい書いていると思うんですが、まずは監督にデモテープを聴いてもらうんです。一般的な作品の場合は、“6番目の曲はもっとテンポを早くしてもらえますか”とか、“10 曲目は悲しい感じを足して欲しい”とか2、3曲のリテイクが来たりする感じで。でも、『G-レコ』の場合はまず監督から直筆のお手紙が来まして。1曲目から順番に感想、というか“思い”が書いてあるんです。基本的に褒めてくださっているんですけど、読んでいくと“もっとこうしたらいい”とかも全部の曲に書いてある(笑)。そうすると、50 曲全部にリテイクが来ていることになるんですね(笑)。監督からいただいた手書きの手紙は宝物だなと思いながら、当時は血反吐を吐きながらやったという記憶がありますね。富野監督から、そういった思いのこもった手紙をいただけるということ自体が、作曲家の中でどれだけいるかということを考えたら、本当に貴重な体験で。映像に対して、音楽がどういう風にアプローチしていくかということも、もの凄くたくさん学ばせていただきました」と菅野氏と富野監督の音楽制作における濃密なやり取りの一端が披露された。

続いての話題は、少し前に話題となった、富野監督のインタビュー記事について。そのインタビューで富野監督は、DREAMS COME TRUE と菅野氏が楽曲の扱いを巡って揉めているようなこと、そして菅野氏がその扱いに対して不満を持っているようだと答えていた。果たして、その真実とは……。

菅野氏は、「富野監督が“僕は菅野祐悟に滅茶苦茶嫌われている”と言ってましたが、そんなことはなくて滅茶苦茶大好きです。さらに、ドリカムさんとはまったく揉めていないです(笑)。大好きでお会いしたい歌手ですし、1度もお会いしていないですから。ぜひお会いしたいです。なぜか、僕がドリカムさんに嫉妬心を燃やしているみたいに監督が言っていますが、まったくそんなことはありません(笑)」と否定。

仲プロデューサーからは「インタビューの時に楽曲の話になると、どうしてもそういうコメントが出てきちゃうんですけど、監督としては『G-レコ』の世界観を菅野さんの楽曲で作っていただいた中で、相談もせずに勝手にドリカムさんにお願いしてしまったところで“そんなことをしたらやっぱり怒っているよね”と。つまり嫌われていると監督の中では思っているんでしょうね」と補足が入る。

菅野氏からは「直接何かあったわけでもないですし、監督のことは大好きだとお伝えください」と会場を笑わせた。

ハセガワ氏は「監督は、菅野さんのこと絶対大好きですよね。ドリカムの中村さんのラジオに監督がゲストで出られた時も、菅野さんの名前を何度も出していましたから」とフォロー。

続いて、仲プロデューサーから「『G-レコ』の第4部に期待することは?」という質問が振られた。

「第4部の曲はハセガワ君と一緒に作っているんですが、なかなか OK が出ないんです(笑)」と菅野氏から現状を報告。第4部でボーカル曲を担当するハセガワ氏も「ノドをカラカラになるほどやりきる形で1回レコーディングしたんですが、全部やり直しになりました(笑)」と現在も絶賛産みの苦しみを味わっている状態であることを語った。

菅野氏から「第4部は新作パートが多いと聞きましたが?」と仲プロデューサーに質問すると、「全体の半分くらいが新作パートになるので、これまでとは全然違う感じになると思います」と第4部に関する新たな情報が開示された。

そして、楽しいスタッフトークも終了の時間に。最後は、登壇者からのメッセージで締めくくられた。

「今回は音楽を中心とした話ということで、『G-レコ Ⅲ』から新たに新曲で彩っていただいており、第4部、第5部と新曲を使わせていただく予定となっていますので、そちらの方もこの後楽しみにしていただければと思います」(仲)

「僕は『G-レコ』と出会ってすごく人生が変わって。自分の中で“元気の G”はガンダムの“G”であり、始まりの“G”でもあるので、すごく大切な作品です。なので、第4部で僕が引き続き歌えるかはまだわかりませんが(笑)、ぜひ僕が歌えるよう皆さん応援していただければと思います」(ハセガワ)

「今日、僕とハセガワ君が登壇するということで、お客さんが来なかったら“僕らって人気がないってことがバレちゃうね”という話をしていたんですが、たくさんのお客さんに来ていただいて嬉しいです。これからも第4部、第5部と続きますし、新曲も新規パートもあります。皆さん、最後まで応援よろしくお願いいたします」(菅野)

イベント概要

【イベント名】劇場版『G のレコンギスタ Ⅲ』「宇宙からの遺産」スタッフトーク音楽編
【開催日】2021年8月18日(水)20:25-20:55
【場所】新宿ピカデリー シアター③
【登壇者】菅野祐悟(音楽)、ハセガワダイスケ(TV シリーズ、劇場版第 1 部 エンディングテーマ)、仲寿和(プロデューサー)

 

劇場版『Gのレコンギスタ Ⅲ』「宇宙からの遺産」作品情報

2021年7月22日(木・祝)全国ロードショー


 

イントロダクション

ポスト宇宙世紀とも呼べる「リギルド・センチュリー(Regild Century=R.C.)」を舞台に、ガンダムの原作者である富野由悠季自身が総監督・脚本を手がけた『Gのレコンギスタ』。

その作品が5年以上の月日を経て、新たに劇場版として再編集された。2019年11月、2020年2月に上映された第1部、第2部に続く第3部はさらに新作カットを増し、ハイパーな作品としてよみがえる。今、時代を鮮やかに生き抜く若者たちの物語がここに!!
 

あらすじ

【STORY of Ⅰ&Ⅱ】
R.C.1014年、かつての宇宙戦争によって多くの科学技術や知識が失われた時代。だが、地球上の全エネルギーを供給するキャピタル・タワーを支えに少しずつ再興の兆しを見せてもいた。ある日、キャピタル・ガードの候補生ベルリは、謎のMS「G-セルフ」でタワーを襲撃してきた宇宙海賊の少女アイーダと出会う。アイーダに惹かれたベルリは彼女の行動に巻き込まれ、海賊部隊の母艦「メガファウナ」に乗船することに。そこでG-セルフのパイロットとなったベルリは、軍事組織キャピタル・アーミィの執拗な攻撃を幾度も退ける。そんな中、大国アメリアが宇宙艦隊を編成、キャピタル・タワー制圧のために出撃する。アメリア軍の隠密部隊であった宇宙海賊も追従し、ベルリやアイーダたちは宇宙へ飛び出した。大気圏外で繰り広げられる激しい戦いのさなか、アメリア軍、続いてキャピタル・アーミィとメガファウナがキャピタル・タワーの最上部であるザンクト・ポルトに到達する。
 
【Story of Ⅲ】
突如、ザンクト・ポルトにいるアメリア軍の航宙艦が攻撃を受けた。スペースコロニー国家トワサンガが、地球への帰還を目指す「レコンギスタ」作戦を開始したためだった。ザンクト・ポルトには地球内外の4勢力が集結、それぞれが権利を主張して意見を戦わせる中、アイーダは真実を求め、ベルリや仲間とトワサンガを目指すことを決意する。そして月の裏側にあるトワサンガで、ベルリとアイーダに衝撃の事実が明かされる……。
 

スタッフ

総監督・脚本:富野由悠季
原作:矢立肇、富野由悠季
演出:吉沢俊一
キャラクターデザイン:吉田健一
メカニカルデザイン:安田朗、形部一平、山根公利
デザインワークス:コヤマシゲト、西村キヌ、剛田チーズ、内田パブロ、沙倉拓実、倉島亜由美、桑名郁朗、中谷誠一
美術監督:岡田有章、佐藤歩
色彩設計:水田信子
ディスプレイデザイン:青木隆
CGディレクター:藤江智洋
撮影監督:脇顯太朗
編集:今井大介
音楽:菅野祐悟
音響監督:木村絵理子
企画・製作:サンライズ
配給:バンダイナムコアーツ、サンライズ
劇場版『Gのレコンギスタ』テーマソングアーティスト:DREAMS COME TRUE
 

キャスト

ベルリ・ゼナム:石井マーク
アイーダ・スルガン:嶋村侑
ノレド・ナグ:寿美菜子
マスク:佐藤拓也
クリム・ニック:逢坂良太
マニィ・アンバサダ:高垣彩陽
ラライヤ・マンディ:福井裕佳梨
ミック・ジャック:鶏冠井美智子
バララ・ペオール:中原麻衣
 
公式サイト
Twitter(@gundam_reco)

(C)創通・サンライズ
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