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夏アニメ『かげきしょうじょ!!』星野 薫役・大地葉、沢田千夏役・松田利冴、沢田千秋役・松田颯水 鼎談【連載第5回】

夏アニメ『かげきしょうじょ!!』星野 薫役・大地 葉さん、沢田千夏役・松田利冴さん、沢田千秋役・松田颯水さん 鼎談|本物の姉妹だからわかる「合格通知が1通しかこない怖さ」【連載第5回】

本物の姉妹だからわかる「合格通知が1通しかこない怖さ」

――そして、第九幕では千夏と千秋の関係性が掘り下げられましたね。

利冴:原作を読ませていただいたときに、あまりにも双子の気持ちがリアルに描かれていたので、斉木(久美子)先生にお会いしたときに「双子なんですか?」と伺ったんです(笑)。実際は双子ではないそうですが、双子がよく直面することが丁寧に描かれていて、私たちとしては共感しかなかったです。

颯水:千夏と千秋の関係性が私たちの境遇とすごく似ているんです。私の演じる千秋とりっちゃんの千夏が逆転したような感じで。先ほどもお話ししましたが、私のほうが先に声優業界に入り、りっちゃんがあとからだったんです。

――最初は合格できなかった千秋を先に声優業界に来た颯水さんが演じ、先に受かっていた千夏をあとから声優業界に入った利冴さんが演じているわけですね。

利冴:そうです。だから、おうちに合格通知が1通しかこない怖さとか、「うわー!」って(笑)

颯水:私たちはどちらかが先に進みながらも結果として同じ道に進むことになったわけですが、かなり境遇が似ているなと思いました。

――お二人からすると、千夏も千秋もものすごく共感度の高い二人なんですね。

利冴:私は千夏に性格も似ているなって思います。颯水と千秋も似ているんですよ。本当に境遇こそ逆というだけで。私たちは颯水が先に受かりましたけど、たぶん颯水がそのときに落ちて私が受かっていたら、たぶん颯水は千秋と同じように泣いていたと思います。

颯水:「なんで利冴だけが受かるの、なんで私がダメだったの!?」って、きっと泣いていたと思う……。だから、この二人は並行世界の私たちみたいなものなんです(笑)。

大地:私なんかは双子の境遇がどういうものなのかあまりわからずに生きてきたけど、千夏も千秋も一緒にされたり、比べられたりして、本当につらかったんだろうなって。

颯水:でも、より似ているなと感じるのが8割はお互いのことが好きってところですね。コンプレックスがあってもそれはほんの2割あるかないか。沢田姉妹もそうですよね。基本的に一緒にいるのが当たり前だし、一緒にいて楽しいという気持ちのほうが大きくて。でも、何かがあったときに負のスイッチが入ってしまう。

利冴:同じ部屋にはいられなくなっちゃう感じだよね。

颯水:あれが、「わかる~!」って(笑)。

大地:じゃあ、本当にリアルなやりとりだったんだ(笑)。

――大地さんから見て、千夏と千秋はいかがですか?

大地:正直、最初はライトでポップなキャラクターだと思っていたんです。そう思って読んでいたので、アニメでも原作でも巨大な感情をぶつけられたという印象がありました。

颯水:確かにみんなの前でケンカするシーンも、わかるんですよ。他人同士だったら「言い過ぎたかも」「みんなもいるし……」って、ストッパーを掛けられるかもしれないけれど、家族同士になるとまわりに人がいようと遠慮がなくなるんです。

大地:血が繋がっているからこそのケンカだ。

利冴:これも双子あるあるですけど、どちらかが悪いことをするとまとめて怒られるみたいなことってよくあるんです。だから、千夏の「私は千夏であって、千秋じゃない」という反発は重たいなって思いました。ただ、きっかけとしては千夏が好きな女優さんに声を掛けられなかったり、ジュリエットがやりたいって言えなかったりと、一歩引いてしまうところがあったので……。

颯水:ちょっとこじらせちゃったところがあるよね。

利冴:でも、それはすごくわかるなって。私たちも颯水のほうが明るくて、前に前に出る子だったので、羨ましいな、颯水はいいよなって思うことがありましたし、一時期は颯水の真似をしていた時期もありました。

颯水:そっか~。でも私は私で、「かげきしょうじょ!!」のアフレコでりっちゃんは千夏のモノローグとか出番がいっぱいあっていいなって思ってた(笑)。

大地:双子ならではだね。面白いな~。

颯水:なんだか私たちの話ばかりだけど(笑)。

利冴:でも、本質を見抜いたキャスティングですね。私たちは仕事を始めるようになってから各々のアイデンティティがすごく強くなったので、きっと千夏と千秋もこれからそれぞれのアイデンティティが強くなっていくと思いますし、それを見てみたいです。

――そして、皆さんはEDテーマ「薔薇と私」を歌唱されています。第8話では1番の星野のソロ、第9話では2番の沢田姉妹によるデュエットが披露されました。

颯水:たいちょーが完璧な男役でした。

利冴:わかる! 最初にデモ音源を聴いた瞬間、たいちょーに似合いそうなメロディラインだなって。一緒に歌えることになって、すごく嬉しかった。

大地:二人もよかったよ~。完成した音源を聴いてすぐ二人にLINEしたんです。

颯水:外だったからりっちゃんからイヤホンを借りて聴いて、泣きながら歩きました。

利冴:私が先に聴いて泣きそうになっていたら、隣で泣きだしちゃって(笑)。

颯水:それぐらい素晴らしい曲だなと。

――歌詞もそれぞれのキャラクター性が入っていて、物語とすごくリンクしますよね。

大地:歌劇風に歌うというのはプレッシャーがありましたけど、1番、2番ともにそれぞれの精神が歌詞に乗っていて、演劇をしているような気持ちで歌えました。

颯水:千夏と千秋は2番から歌うんですけど、双子とはいえ同じ感情で歌っては二人いる意味がないなと思ったんです。実際、ディレクションでも「ここはもうデビューしたあとの本当にステージに立って成長した姿だと思ってください。声が太くなって感情が前にどんと出るようになってほしい」と、言っていただいて。普段は娘役っぽくふわふわした感じの千秋ですが、「薔薇と私」のときは地に足がしっかりついたイメージで歌いました。

大地:サビのところとか、どっしりした感じが出てた。

颯水:最初は紅華の生徒として役を作っていたから、不安だったんです。でも、「あなたが出したものは全部千秋ですよ」と、背中を押していただいたので、自信をもって力強く歌えました。

利冴:1番が星野のソロで、2番が千夏と千秋なんですけど、一人一人の力強さを見ると星野が圧倒的なんです。でも、千夏と千秋がもたれかかって一つの曲になっているところが「やっぱり双子なんだ」と感じられて、グッとくるものがありました。

颯水:テレビサイズのその先もあるので、ぜひ発売中のシングル(「星の旅人/シナヤカナミライ/薔薇と私」)で三人が歌っているところも聴いていただきたいです。

「かげきしょうじょ!!」の魅力を一言で表してください。

大地 葉:「感情の衝突」

いろいろなキャラクターがいろいろな場所で同時多発的に感情をぶつけ合い、バチバチしているところに「人生」を感じます。その衝突から絆が生まれるところもいいなと思いますし、実際、宝塚の方はそこから家族よりも何か深いものでつながっていくと聞いたことがあるので、そういった感情の重なり合いを強めに表現してみました。

 

松田利冴:「痛いほどわかる心情描写」

みんなとほぼ同じですが、「出る杭は打たれる」みたいな対立もそうですし、切磋琢磨するライバル関係もそうですし、「その気持ち、わかる!」というシーンがたくさんあって、リアルに胸に突き刺さってきました。本当に一人一人の心情がしっかり描かれていて、まるでドラマを見ているような気分になります。

 

松田颯水:「心がざわつくリアルさ」

女の子の関係性にあるリアルさがよく描かれているなと思います。ぶつかりあったり、傷つけ合ったりする場面では、「こういう子、いるいる!」と感じるところがあって(笑)。すごくざわざわさせられます。それが結果的に成長につながり、友情になっていくところも含めて、人間が描かれているなと思いました。

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TVアニメ『かげきしょうじょ!!』作品情報

2021年7月3日(土)24:00 ~
AT-X、TOKYO MX、BS11、HTBにて順次放送開始!!
ABEMA、dアニメストアにて地上波同時配信!!

 

 

放送&配信情報

【TV】
・AT-X:7月3日(土)より毎週土曜24:00 ~
(リピート放送:月曜23:00 ~、水曜11:00 ~、金曜17:00 ~)

・TOKYO MX:7月3日(土)より毎週土曜25:00 ~
・BS11:7月3日(土)より毎週土曜25:00 ~
・HTB:7月7日(水)より毎週水曜25:50 ~

※放送日時は変更になる可能性がございます。

 
【配信】
・ABEMA 7月3日(土)より毎週土曜25:00 ~
・dアニメストア 7月3日(土)より毎週土曜25:00 ~

他、各種配信サイトにて7月6日(火)25:00より順次配信開始

 

イントロダクション

未来のスターを目指し、輝く舞台へ情熱をそそぐ歌劇少女たちの〈青春スポ根ストーリー〉!!

大正時代に創設され、未婚の女性だけで作り上げる美しく華やかな舞台で世代を超えて人々の心を魅了する「紅華歌劇団」。その人材を育成する「紅華歌劇音楽学校」に、高い倍率をくぐり抜け入学してきた第100期生たち。

"オスカル様"に憧れる、178cmの長身を持った天真爛漫な少女、渡辺さらさ。夢も友達も、すべてに無関心な元・国民的アイドル、奈良田 愛。

何もかもがバラバラな彼女たちの、希望と葛藤に満ちた音楽学校生活が今、幕を開ける──!!

 

スタッフ

原作:「かげきしょうじょ!!」斉木久美子(白泉社『メロディ』連載)
監督:米田和弘
シリーズ構成:森下直
キャラクターデザイン:岸田隆宏
サブキャラクターデザイン:飯田恵理子、髙田晃、牧孝雄
プロップデザイン:古賀美裕紀
総作画監督:今岡大、髙田晃、福永智子、牧孝雄
美術設定/美術監督:谷川広倫
色彩設計:坂上康治
撮影監督:浅黄康裕
編集:今井大介
音響監督:長崎行男
音楽:斉藤恒芳
音楽制作:キングレコード
制作:PINE JAM

オープニングテーマ:saji「星のオーケストラ」

 

キャスト

渡辺さらさ:千本木彩花
奈良田愛:花守ゆみり
杉本紗和:上坂すみれ
星野薫:大地葉
山田彩子:佐々木李子
沢田千夏:松田利冴
沢田千秋:松田颯水
野島聖:花澤香菜
中山リサ:小松未可子
竹井朋美:寺崎裕香
安道守:諏訪部順一
奈良田太一:野島健児
里美星:七海ひろき
白川暁也:高梨謙吾
白川煌三郎:子安武人

オフィシャルサイト
Twitter:@kageki_anime
Instagram:kageki_anime

 
◆渡辺さらさ(CV.千本木彩花)キャラクターPV

 
◆奈良田 愛(CV.花守ゆみり)キャラクターPV

原作情報

花とゆめコミックススペシャル

著者:斉木久美子

「かげきしょうじょ!! シーズンゼロ」&「かげきしょうじょ!!」①~⑩巻 大好評発売中

 
「かげきしょうじょ!!」最新⑪巻&「『かげきしょうじょ!!』公式ガイドブック オンステージ!」7月5日発売

 
白泉社『メロディ』にて連載中
https://melody-web.com/sakuhin/?id=10

(C)斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
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