TVアニメ『平穏世代の韋駄天達』岡村明美さん&石田彰さんインタビュー|岡村明美さんの深まる謎を石田彰さんが解き明かす!?
TVアニメ『平穏世代の韋駄天達』が、毎週木曜24:55~フジテレビ”ノイタミナ”ほかにて放送中!
『平穏世代の韋駄天達』は、原作:天原さん、作画:クール教信者による人気コミックス。“韋駄天”ד魔族”ד人類”のバトルロワイアルを描いたストーリーで、「ヤングアニマル」(白泉社)にて好評連載中です。
壮絶な戦いの末、圧倒的な速さと強さを誇る戦いの神々「韋駄天」が世界を破滅に導く「魔族」を封じ込めてから800年。今や“あの戦い”は遠い神話の中の昔話でしかない。生まれてから一度も戦ったことのない「平穏世代の韋駄天達」が平和ボケしている中、何者かにより、再び魔族が長い眠りから復活させられた――!? 武力、智略、政治、陰謀、使えるものはとにかく何でも持ってこい! ノールール&ノーリミットな三つ巴のバトルロワイアルがいま始まる!!
第1回のハヤト役の朴璐美さん&イースリイ役の緒方恵美さんのキャストインタビューに続き、本稿ではリン役の岡村明美さん&プロンテア役の石田彰さんにインタビュー! 作品の見どころ、豪華なキャスト陣、エンディング秘話まで、たくさんお話を聞きました!
深夜アニメという枠でやることのアドバンテージ
――『平穏時代の韋駄天達』という作品の印象をお聞かせください。
石田彰さん(プロンテア役/以下、石田):かなり倫理的に責められそうな作品だなと思いました。
一同:(爆笑)。
石田:でも、それが深夜アニメという枠でやることのアドバンテージなのかなと思っています。世間に褒められるような何も文句を言われないことばかりしかやれなくなってしまうと、つまらない。勿論過激さだけを目指すのも、それはそれで間違いだとは思いますが、こういう作品が許されているうちは、まだまだ日本も安泰だなと思いました。
一同:(笑)。
――石田さんご自身はこういった作品はお好きですか?
石田:「多少の毒をはらんでいる方がエンタメとしては面白いな」という立場ではあります。
――岡村さん、作品の印象をお聞かせください。
岡村明美(リン役/以下、石田):私は最初、陸上関係のお話だと思っていたんです(笑)。
一同:(爆笑)。
石田:NHKでやりそうだね。
岡村:そうなんです。「韋駄天」という言葉からのイメージもありましたし、それにタイトルのところに足の絵が付いていたので、「これ、絶対走るやつだ!」と思っていて……。それで実際に作品を知ったら、「えぇ~!? エロい!グロい! ノイタミナさん攻めるなぁ~!」と(笑)。
――岡村さんご自身はこういった作品はお好きですか?
岡村:血が出ると、「キャッ~~!!」ってなっています。アフレコの時はだいたい線画なので、血とか出ていてもあまり怖くないんですよね。でも、実際のオンエアを見ると、「こんなに血が出てたんだ!」と思います。ただ(作画の)色がやさしいので、なんとか大丈夫なんですけど、見ながらドキドキしちゃって、あっという間に終わります(笑)。
――キャラクターを演じる際に意識しているところや気を付けているところはありますか?
石田:初登場時のプロンテアとイースリイ(CV.緒方恵美)とのやり取りは怪しげなんですけど、それは狙いだと思うんです。コミックスの登場の仕方も同じですけど、読者に対して、「この二人は何か怪しいことを考えているのかもしれない」と思わせるところなので、そこはそこで独立しているシーンという気持ちでやりました。
それ以降は特に悪く見せる必要もないですし、そういう立場にいるキャラクターでもないと思うので、ごく普通にやっていますね。
――リンとの関係性の時はちょっと違って見えます。
石田:そこはキャラクターの色付けとして演じています。ハヤト(CV:朴璐美)がわりと平気で(師匠であるリンに)向かっていくようなタイプなので、プロンテアは(ハヤトよりも)能力が高いにも関わらず、リンには全然頭が上がらないというか、恐怖心を植え付けられているというギャップがある。
そこがプロンテアとハヤトの違いだと思っていて、そういう役割が与えられているんだと理解しているので、リンに対する態度を変だと思ってもいないですね。
――プロンテアの声のトーンが少し軽めな感じがしました。
石田:他のどのキャラクターに比べるかにもよりますけど、軽妙な感じではありますね。物事に対して、重大局面をそんなに重大ととらえていない。というか、プロンテアにとって、そんなに重大局面はない。
岡村:ハハハ(笑)。
石田:魔族が復活してきたところで、まだ自分で対抗できるという自信があるから、イースリイみたいに、いろいろ先のことを心配しながら作戦を練るというところも持たなくていいので、言われてみればそういうふうに軽くは演じていますね。
――リンの声のトーンは少し重めな感じがしたんですが、岡村さんがキャラクターを演じる際に意識しているところや気を付けているところはありますか?
岡村:リンは800年生きているキャラクターです。800年生きているし、クソババアと呼ばれているし、でも見た目は少女でかわいいじゃないですか。最初のおじいさまと一緒にいる頃は、感情も豊かで、かわいらしい少女という感じなんですよね。
その後は道理として、身体も声も変わらないわけなんですけど、「~じゃ」や「~じゃろ」といった話し方に変わるから、そこでちょっと重く感じることもあるかもしれませんね。
年齢的には若いイメージで演じているんですけど、「~じゃろ」という言い方はなかなか演じることがないので、さすがに800歳はね……(笑)。
石田:(笑)。
懐かしさと新しさが混じる魅力的な作品
――物語や設定について、何か感じられたことはありましたか?
石田:半分冗談のような話ですけど、最初に魔族が氷の塊のところで発見されて、そういうところに出くわすというのは全然話は違うけど、「あぁ、何か『デビルマン』(※1)みたい……」って思いました。
※1:1972年~1973にかけて発表された永井豪原作のコミックスで、アニメ化もされた。
一同:あぁ~~!
岡村:(うなずき、手を叩きながら)思いました、思いました!
石田:全然違う話なんだけど……。「まぁ、神さま、魔族、そして人間の三つどもえの捉え方って、いろいろあるんだなぁ」と思いました。ただこの作品は、ほぼ人間界は置いてけぼりの話で、魔族と韋駄天の抗争のような話になっています。
岡村:先程、石田さんが『デビルマン』とおっしゃられていましたが、改造とかするのは「ちょっとショッカー(※2)みたい!」って思いませんでした?
※2:『仮面ライダー』シリーズに登場する架空の組織。
一同:(うなずきながら、笑)。
岡村:「改造しちゃうの?」と思って、ちょっと懐かしかったです(笑)。タイトルのロゴも「何か懐かしい!」と思っていたら、いきなり斬新なOPになるので、懐かしさと新しさが混じって、「何かすごいぞ!」となりました(笑)。
――この作品の見どころのひとつでもある「高速説明中」シーンについて、重要な部分が「高速説明中」という方法を取っていますよね。
石田:設定の説明をされるだけだと、話的にはつまんなくなるとは思うんですよ。だから、高速でギュッと早送りのようにさせることができるのであれば、それはそれでやり方としては、ひとつの解決方法なんだろうとは思います。
この作品がもっと話数も潤沢にあって、1年間かけてできるような話であれば、説明を説明パートだけで独立させてやるのではなくて、いろいろな物語の展開の中に溶け込ませていくこともできます。
そうしながら、見ている人が「説明ですよ」という説明をされなくても、「あぁ、こういうことなんだろうな」とわかる。そのような作り方ができれば、それに越したことはないんですけど、いかんせんそこまで長く作れないので、僕からしたら「高速説明中というパートは、しょうがないよね」という感覚です。
でも、それを独特で面白いと捉えていただけるのであれば、むしろそのままにしておいた方がいいなとは思います(笑)。
――「高速説明中」のシーンは加工されていますか?
石田:加工しています。
――アフレコ収録の時は、通常のスピードでセリフをしゃべられているんですね?
石田:そうですね。
――オンエアをご覧になって、どのようなシーンになったのか確認されたんですか?
石田:「具体的にはこうなったんだ」というのは、オンエアのできあがりを見てわかりました。ただ、リハーサル用に収録素材をもらった段階で、「これ、全然(画とセリフ量のバランスが違って)入んないけど、どうするの?」とは思っていました。
アフレコ収録当日にスタジオで、「そのまま尺を気にせずに読んで、言い切ってください」と(音響監督から)言われて、そこで「あぁ、なるほど。早回しにするのね」とシステムが理解できたので、想像はしました。
――リンは「高速説明中」のシーンはないですね。
岡村:リンは説明しないです。イースリイさんとか、頭良いタイプだけですね(笑)。
――リンは長ゼリフもあまりないですよね?
岡村:ないです、ないです(笑)。難しいことは、「知らん!」で終わりです(笑)。
一同:(笑)。