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『宇宙戦艦ヤマト2205』山寺宏一インタビュー

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-』山寺宏一さんインタビュー|「感極まるシーンやこのひと言に賭ける」と思わせる本作の魅力とは?

シリーズで印象深かったのはデスラーの兄の存在、そしてキーマンとの関係性

ーー『宇宙戦艦ヤマト2199』から『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』までの中で印象深いエピソードを挙げるとすれば?

山寺:デスラーに関してはすべてですね。旧作では描かれていなかったエピソードも多いし、アベルト・デスラーとフルネームで表記されるのも『2199』が初めてで。なぜデスラーがああいう人物になったのかが少しずつ明らかになってきたことが印象深くて、特に兄(マティウス)がいたことは驚きました。そしてキーマン(ランハルト・デスラー)との関係性も大きくて、この『2205』でも描かれています。加えて今回はイスカンダルのスターシャとの関係も段々わかってきて、ビックリしました。

ガミラスを救うために冷徹になっていたことは前シリーズでも描かれていましたが、更に背負っているものも見えてきて。「デスラーは冷徹を演じていたのか? それとも心の底からそうだったのだろうか?」と真意をつかみにくかったデスラーをここまで丁寧に掘り下げてくださったこと、そしてずっと演じることができたことに喜びを感じています。

ーー好敵手である古代進について感じたことや演じる小野大輔さんのお芝居の印象をお聞かせください。

山寺:古代 進経験者としては(1999年発売のゲーム『宇宙戦艦ヤマト 遥かなる星イスカンダル』から先代の富山 敬さんの後を引き継ぎ、古代 進役を演じ、2009年には劇場用アニメ『宇宙戦艦ヤマト 遥かなる星イスカンダル』でも古代役を担当)、見事な古代 進を作り上げたなと常々、思っていました。前作『2202』では高次元世界に雪と共に取り残され、地球人の決断によって救われたわけですが、古代はまた大きなものを背負ってしまいましたが、その続きとなる今作では葛藤する中でも真っすぐに生きる古代を見事に演じています。ぐっとっくるセリフもたくさんありました。例えば若手に「ヤマトとは?」と語りかけるシーンとか。

ーー『2199』では古代はまだ若かったわけですが、『2205』では艦長として乗組員を引っ張り、新人を育てなければいけなくなって。

山寺:古代が成長していく姿をしっかり演じてくれていると思います。今作では新人の乗組員に過去の自分を重ねながら見守っていますが、古代と土門の掛け合いは今作の大きな見どころの1つでしょう。

ーー『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-』の台本を読んだ感想をお聞かせください。

山寺:以前、放送や上映されていた『宇宙戦艦ヤマト』シリーズをリブートし、蘇らせる形で『宇宙戦艦ヤマト2199』、『2202』、そして今回の『2205』と制作されてきたので、ある程度はストーリーや展開の予想はしていましたが、それでもこの『2205』の台本を読んだ時には衝撃が走りました。

冒頭からデスラーの長ゼリフから始まるので、「もしかしてナレーターになってしまったのでは?」と(笑)。読み進めていくと、「そういうことか!」とわかったし、いろいろと深く掘り下げられていて、「すごいな」と感心しました。

ーー振り返れば、一番最初に公開されたテザービジュアルではデスラーが1人で、「それでも生きろと」のキャッチも衝撃的でした。

山寺:今、公開されているメインビジュアルでは古代と土門と3人ですが、あのビジュアルは前に出すぎですよね。でもスマホに保存してあるんですけど、「それでも生きろ」までで切れるように画面に出して、落ち込んだ時によく見ています(笑)。

デスラーも『2205』で活躍させていただいているのは嬉しいんですけど、あまりにもいろいろありすぎて。アフレコでも心を持っていかれるようなシーンがあったし、ひと言のセリフだけでもぐったりすることもありました。

ーー私は旧作も見ていますが、『2199』からの新シリーズは旧作を踏襲しつつ、新しい要素や解釈を入れ込むことで新鮮に楽しめました。

山寺: 『2199』からの歴代監督やスタッフの皆さんの発想と努力の賜物ですよね歴史ある作品ですが、新たに『宇宙戦艦ヤマト』シリーズをご覧になる方には頭の中で整理しやすくなって、わかりやすくなっているし、ずっと通して観て楽しんでいただけるのではないかなと思います。この『2205』も。

でもリメイクシリーズを通して、想像を超える展開の連続でしたよね。、『2202』をご覧になっていただいた方はもう何があっても驚かないと思いますが(笑)、今回もすごい展開が待っています。

原作ファンの方と新しいファンの方、すべてを納得させることは難しいと思いますが、『2205』を最後まで演じ終わった今、「だからデスラーはこうなんだ!」といろいろな疑問に対する答えがわかった気がしました。

ーー今作の映像をご覧になった感想をお聞かせください。

山寺:今回もすごい映像になっているなと。また『2202』に登場した敵のズォーダーがとんでもなく強かったし、手塚(秀彰)さんの声と音の迫力と相まってすごく怖くて。「これ以上、強い敵なんているのかな?」と思っていたら、更に強力な敵が登場して、デザリアムハンマーなんていう恐ろし い兵器まで。作動している時の音がまた嫌で、すごく印象に残っています。

たくさんのスタッフの皆さんの愛情と力の結晶で、素晴らしい映像と音をぜひ劇場で楽しんでいただきたいなと思うし、僕も劇場で体感したいなと思いました。

ーー今作の見どころや注目ポイントのご紹介をお願いします。

山寺:ヤマトをはじめとするメカニックは相変わらず、すごいですし、戦いも更に壮絶になっていきます。でも『ヤマト』シリーズはやっぱり人間ドラマ、命のドラマなんだなと感じさせてくれる作品になっています。

僕はデスラー目線でお話しさせていただきましたが、心を動かされるキャラクターが他にもいます。古代 進に加えて今回初登場の土門竜介、そして僕個人としては薮助治にグッときました。

この前章でも、デスラーの想いや新たな事実に触れれることができますが、後章でも見たことがないデスラーを見ることになるでしょう。まずはこの前章をしっかり目に焼き付けてください。まだ原作をはじめ、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズをご覧になったことがない方にも響く作品になっていると思います。

この前章を見た後、皆さんはどう思うのかな? 僕は「ヤマトありがとう」という気持ちになりました。いろいろな衝撃が走ると思うので、まずはその目で確かめてみてください。

『宇宙戦艦ヤマト 2205 新たなる旅立ち』前章 -TAKE OFF-作品情報

2021年10月8日(金)上映

 

 

概要

1979年に放送され、高視聴率を獲得したテレビスペシャル『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』をモチーフに、全二章、完全新作で描く「宇宙戦艦ヤマト」シリーズ最新作。〈前章 -TAKE OFF-〉は、10月8日(金)より劇場上映・Blu-ray特別限定版販売・デジタルセル配信同時スタート。

 

スタッフ

原作:西﨑義展
製作総指揮・著作総監修:西﨑彰司
監督:安田賢司
シリーズ構成・脚本:福井晴敏
脚本:岡 秀樹
キャラクターデザイン:結城信輝
メカニカルデザイン:玉盛順一朗・石津泰志・明貴美加
音楽:宮川彬良
音響監督:吉田知弘
CGディレクター:後藤浩幸
アニメーション制作:サテライト
配給:松竹 ODS 事業室

 

キャスト

古代進:小野大輔
森雪:桑島法子
真田志郎:大塚芳忠
アベルト・デスラー:山寺宏一
スターシャ:井上喜久子
デーダー:天田益男
土門竜介:畠中祐
徳川太助:岡本信彦
京塚みや子:村中知
坂東平次:羽多野渉
坂本茂:伊東健人

 
作品公式サイト
シリーズ公式ツイッター

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