『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-』小野大輔さん&畠中祐さんインタビュー|土門も古代と同じ道を歩んでしまう、同じ魂を持っている
『宇宙戦艦ヤマト2199』から続くリメイクシリーズの最新作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-』が10月8日より劇場上映スタート!
1974年に放送されたTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』をリメイクした『宇宙戦艦ヤマト2199』、社会現象とも呼べる熱狂を生んだ『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』をリメイクした『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』に続く、シリーズ最新作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』。1979年に放送された『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』以降の要素を集結させて再構成、全二章で劇場上映されます。
主人公の古代 進を演じる小野大輔さんと、ヤマトに初乗艦する土門竜介役の畠中 祐さんによる初対談が当サイトで実現! 『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの魅力や本作の見どころから、お互いのお芝居についてまで熱く語り合っていただきました!
『宇宙戦艦ヤマト』はアニメ界&TV界にとって画期的な作品だったのでは?
ーー畠中さんは『宇宙戦艦ヤマト』シリーズはご覧になったことはありますか?
畠中祐さん(以下、畠中):今回作品に関わらせていただくまできちんと見たことがなくて、ほぼ『宇宙戦艦ヤマト』初心者でした。
作品に関わることになって、改めて『宇宙戦艦ヤマト』シリーズを見始めたらテーマが普遍的であり、ヘビーでシリアスな内容になっていて。1作目がTVでオンエアされたのが1974年で、しかも日曜日の19時30分というゴールデンタイムということで、アニメ界だけではなく、TV界にとっても革命的なことだったのでは? ただ戦いを描くのではなく、様々な愛や葛藤のドラマがあり、多くの局面で未来を左右する大きな選択を迫られた時に自分ならどうするのか? と問いかけてくるような。
そんな骨太で熱量が高い作品だなとひきつけられたし、と時を経ても多くの人に愛される理由や魅力もわかった気がします。
ーー40年近く前に誕生した作品なのに、今見ても古さを感じさせず、いつまでも色あせないんですよね。
畠中:どの時代においても大切なことや本質的なものを掘り下げているからじゃないでしょうか。そんな壮大なアニメを家族が視聴する時間帯でやるという発想や決断もすごいですよね。
ーー小野さんは『宇宙戦艦ヤマト2199』から古代 進役を演じられていますが、ここまで演じられてきた感想をお聞かせください。
小野大輔さん(以下、小野):『宇宙戦艦ヤマト』は日本のSFアニメの先駆けであり、金字塔的な存在で、古代 進も『ヤマト』の象徴ともいえるキャラクターなので、演じることが決まった時は大きなプレッシャーを感じていました。
ただ『2199』から足掛け9年に渡る旅の中で、古代と森 雪との間に愛が芽生え、育んでいったり、深まっていくヤマトクルーとの絆、その先にあるデスラーをはじめとした異星人との戦いや交流など、いろいろな経験をして、成長していきましたが、僕自身もこの間に年齢を重ねて、自分の中でもいい意味での変化があって、古代と一緒に歩んでいるような感覚があります。
だから収録している時に演じながらセリフを言っているのではなく、自分の言葉で発したり、自分の気持ちを古代が代わりに言ってくれていると思える瞬間が多々ありました。そして『2205』の上映を控えた今が一番、ヤマトと古代とひとつになれている気がします。
ーー作品の中では『2199』から今回の『2025』まで6年しか経っていないわけですが、成長が著しく、背負うものも大きくなっていくため、演じるのも難しかったのでは?
小野:おっしゃる通りです。だから演じているというより一緒に人生を歩んでいる感覚があるんですよね。『2199』では戦術長だったわけですが、『2202』では艦長代理になり、今回の『2205』では新艦長にと立場がどんどん変わっていくわけです。
でも『2205』で明確に違うのは「迷わず、ブレない」ことで。艦長代理の時はブレブレで、迷うし、不安になってビビるし、選べないし。そんな中で、仲間に背中を押してもらって、雪に想いをもらって、何とかここまで来たんですけど、『2205』を客観的に見てみたら、「あれ? 覚悟を決めているな」と思ったし、本当の意味で艦長になったなと。それは沖田艦長の背中を見て育ってきて、沖田さんの背中に触れられるところまではやっとたどり着いたんじゃないかなと。そこは親心みたいな感じで、「ああ、良かった。古代がやっと大人になれたな」と思えて嬉しかったです。
ーー『宇宙戦艦ヤマト2199』から『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』までの中で印象深いエピソードを挙げるとすれば?
小野:その長いスパンで選べというんですか! 『2202』でズォーダーから選択を突き付けられた時、古代が「選ばない」という決断を下したシーンを思い出してしまいました。
畠中:(笑)。
小野:でも「彼らしいな」と。優しさや泥臭さ、いろいろな想いが募った上での結論が「選ばない」で。普通だったら許されないですよね。それを言えるところが古代らしくて、名シーンの一つだと思います。
僕個人として最も印象深いのは『2202』で土方前艦長の命令を決行するシーンです。理屈ではなく、ずっとあのシーンが心の中に残っていて、あの気持ちのまま今もヤマトに乗艦しています。これからもずっと忘れません。
畠中:『2202』の真田さんの演説からの帰還シーンはすごく良かったですね。見ていたら涙が止まらなくなってしまって。
小野:うん。あれを真田さんが言うからいいんだよね。ずっと見てくれていたんだなと。「彼はあなたです」は毎回見るたび泣いてしまう。
畠中:真田さんの人間らしさが見えたし、言葉が胸に響いてくるので、好きなシーンです。