【ネタバレあり】名作ゲーム『CLANNAD』のTVアニメを第1期~第2期を通して紹介|町と人と絆の物語……今なお語られるその魅力とは!?
『神様になった日』や『Charlotte』などアニメ作品の展開に加え、『Summer Pockets』や『LUNARiA -Virtualized Moonchild-』『終のステラ』などの制作も続けているゲームブランド“Key”。
どれも人気の作品ばかりですが、中でも『CLANNAD』は今なお語られる名作のひとつとなっており、ゲームはプレイしたことは無くともアニメを見たという方は多いのではないでしょうか。
今回はそんな『CLANNAD』のアニメ、それも京都アニメーションによって制作されたTVシリーズを第1期~第2期『CLANNAD ~AFTER STORY~』にかけてネタバレありでご紹介します。
放送から10年以上が経過していますが、まだこの作品を見たことが無いという方はぜひ参考にして貰えると幸いです。また、既に視聴済みの方の再視聴のきっかけになればとも思います。
なお、本作はあらすじだけ追いかけるとしても非常に長大な物語になっており、伏線などの要素も多彩になっています。このため細かな小ネタやギャグ要素は省いていますのでご容赦を。
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第1期『CLANNAD-クラナド-』
進学校に通う高校3年生の岡崎朋也は、無気力な毎日を送っている。毎日同じことの繰り返し。周りのみんなのように学校生活を楽しむこともできず、毎日遅刻ばかり。そのためか、校内では浮いた存在になっている。
ある日、朋也は学校まで続く坂道の下で、一人の少女と出会う。
全ての起点は高校3年の春……桜舞い散る坂道での出会いから
本作は「この町は嫌いだ」という主人公・岡崎朋也(CV:中村悠一)のモノローグから始まります。彼は自分が生活を送るこの町にいい感情を抱いていません。
気力を失い「変わらない毎日を送って何かが変わるのか」と語るくらい、朋也は心の中にやもやした物を抱えています。
そんな彼を変えるのが、第1話冒頭の学校へ向かう坂道の途中で出会ったヒロイン・古河渚(CV:中原麻衣)。朋也へ向けた言葉ではなかったものの、大好きな場所が変わっていってしまう不安や怖さを語る彼女に声をかけたことから、朋也の日常は大きく動き出します。
それまでは色褪せて見えていた景色が一斉に色づきはじめ、ふたりは学校へ向かう坂道を登り始めるのでした。
物語序盤では、朋也がどのような人物で、どんな人間関係を構築し、日々を過ごしているのかが明かされていく部分。高校3年生にもなって友人の春原陽平(CV:阪口大助)とバカをやっていたり、遅刻を重ね成績もよくなかったり、あまり褒められた生活とは言えません。
ただ、そんな不良生徒ではありつつも、困っている人がいると思わず手を差し伸べてしまう部分もあり、悪い奴ではないのは確か。渚との出会いにしても、その場から動けなくなっていた彼女に、次の楽しいことや嬉しいことを見つければいいと励ますあたりから生来の人の良さが伺えます。
ヒロインである渚は、体が弱く学校を休んでしまう日が多かったため留年しており、この春からは2度目の3年生となっています。そんな彼女には演劇部に入り学園祭でお芝居をするという夢があります。
ただし、演劇部は活動停止となっており、まずはその復活から始めなければなりません。朋也はそんな彼女を放っておくことができず、何かと世話を焼いていくのです。
本作はそんな朋也が、渚と出会ったことから様々な人たちと関わることで絆を結び、ひとつの大きな結末を紡ぎだしていきます。
メインとなるキャラクターたちの登場と、朋也と渚……それぞれの家族
また、本作を紹介する上で欠かせないのが、“僕(CV:矢島晶子)”と言う存在の一人称で語られる幻想世界の出来事。この僕という存在の正体や、彼がこの世界で一緒に過ごす少女(CV:川上とも子)については今後の物語を見ていく上の注目ポイントです。
演劇部復活を目指しての日々の中で、春原の住む男子寮の管理人である相楽美佐枝(CV:雪野五月 ※現:ゆきのさつき)や朋也の1年後輩の坂上智代(CV:桑島法子)、隣のクラスの委員長である藤林杏(CV:広橋涼)と朋也のクラスの委員長である藤林涼(CV:神田朱未)らも登場。
また、渚の紹介で両親である古河秋生(CV:置鮎龍太郎)&早苗(CV:井上喜久子)にも出会う朋也。古河家は非常に仲が良く、その温かい雰囲気を感じた朋也でしたが、対する朋也の家庭環境は複雑です。
家に帰った朋也を待っているのは、ゴミが散らばる薄暗い部屋。片隅には酒を飲んでうたた寝する父親・岡崎直幸(CV:中博史)が。息子に話しかけられて「また朋也“くん”に迷惑をかけたかな」と、非常に他人行儀な対応をします。
息子に積極的に関わるつもりがないと思われますが、これには中学3年生の頃の親子喧嘩が原因になっていたのでした。
朋也はバスケットボールが得意で高校にはスポーツ推薦で入学したのですが、この喧嘩の際に右肩を痛めたことから肩が上がらなくなってしまい、バスケットボールを続けることを断念しています。
そんな父の自分に対する対応を見て家を飛び出した朋也は、再び渚と再会。渚は夜の公園でひとり何かを話しています。
「もしよろしければお連れしましょうか? この町の、願いの叶う場所に」
ひとり演劇の練習をしてた彼女の姿に、なぜか朋也は目を奪われるのでした。
学校で彫刻を配り続ける不思議な女の子の目的とは!?
次の日からも天才少女の一ノ瀬ことみ(CV:能登麻美子)、通行人とトラブルになっていた電気工の芳野祐介(CV:緑川光)、資料室で出会う宮沢有紀寧(CV:榎本温子)と新たなキャラクターが増えることで、朋也の周りの人間関係がさらに広がって行きます。
渚をフォローして演劇部復活のため仲間を集めていくと、智代が生徒会長選挙に臨むことがわかったり、ことみとの距離を縮めていったり周囲との関係性も深まっていきました。
そうして空き教室で星形(ヒトデ)の彫刻を作り続ける伊吹風子(CV:野中藍)と関わっていくことに。彼女は3年前まで朋也たちの学校で教師をしていた姉・伊吹公子(CV:皆口裕子)の結婚式を祝うため生徒を集めようとしており、その招待状となる彫刻を配って回っていました。
しかし、公子が教師をしていたのは3年前までということで、既に知っている生徒はほとんど卒業しており活動は難航。
加えて風子こそが校内で噂になっていた交通事故にあった生徒の幽霊の正体であり、意識が戻らないまま生霊的な存在として活動していることも重要なポイント。あまりにも不思議な出来事なので、朋也と渚も最初は困惑していましたね。
公子のお相手は以前登場していた芳野なのですが、妹がそんな状態なのにと考え当初は結婚を迷ってしまっていました。
朋也と渚は悩んだ末、風子を古河家に連れ帰り、しばらく住まわせることに。秋生や早苗の協力も得て木彫りヒトデの制作は続き、学校ではそれを配布し続けました。
そんな折、学校の創立者祭が近づいてきたタイミングで、朋也と渚は伊吹姉妹を引き合わせることを画策します。それ自体は成功したものの、公子には風子の姿を見ることができませんでした。
そこで朋也と渚が風子は姉が幸せになることを望んでいると伝えると、ここで公子は結婚を決意。
その後は、公子が自分の働いていた学校で式を挙げたかったことが判明。この夢の実現に向け学校と掛け合うことにもなってきます。
そして、事故に遭う前の風子にはあまり友達がおらず、高校へ入る風子が友達を作れるよう公子が色々と行動していたこともわかりました。
そんな公子の苦労もあって入学式当日の朝に友達を作ると言って風子は出かけるのですが、その帰りに事故に遭ってしまったというのです。
徐々に彫刻を受け取る人が増え順調にいきつつあったのですが、このあたりで風子が医者から「もう目を覚ますことはないだろう」と言われたことが明らかになってしまいます。
その影響なのか、学校にいる風子の存在を認識できる生徒が減ってしまいます。彫刻を既に渡した生徒からも記憶が失われたりと、暗雲が立ち込めることに。
なんとか学校で結婚式を開催できるようになったものの、朋也や渚に近しく風子と接触があったキャラクターたちや、古河家でも秋生と早苗が既に覚えていないといった最悪な状況。
古河家にもいられなくなり、朋也、渚、風子の3人は夜の学校に忍び込み一夜を共に過ごします。ここで朋也と渚がお互いを名前で呼び合うことに挑戦する微笑ましいシーンがあり、ここで朋也は渚を下の名前で呼びはじめます。対する渚はまだ恥ずかしい部分がある模様でした
夜が明けると朋也と渚からも、風子に関する記憶が消えてしまいました。しかし、なぜ学校で夜を明かしたのかわからずとも、翌日に大切な用事があることだけはなんとか覚えていたふたり。
その理由を求めて古河家や学校を回り、最終的には学校で結婚式の準備をしていた幸村の指摘で思い出すことができました。すると再び風子の姿が見えるようになり、どうにかこの3人だけでも公子の晴れの日を迎えることに。
これまで頑張ったのに風子の願いは叶わなかったのかと思われましたが……最終的には彫刻を受け取ったことを思い出した生徒たちが大集結。姉の結婚を祝う生徒をたくさん集めるという目的は達成を見ることとなました。
そして式の最後に伊吹姉妹が言葉を交わせたところで、風子は消えてしまいました。ですがいつか再会できることを匂わすかのように、覚えている人物が多数いるような描写があったので一安心といったところ。
ことみの両親が遺した最後の誕生日プレゼント……そして朋也たちの生きる世界とはまた別の世界の存在が示される
幻想世界では舞うようにとんでいる光が何らかの存在の影であることが示されました。また、“僕”が幻想世界とは違う別の場所から来たかもしれないことが示唆される一幕も。加えて各話のタイトルが現れる木陰の様な場所が描かれた背景に、光の玉が現れていることも気になるポイントではないでしょうか。
風子の次に個別のエピソードが描かれたのはことみで、この時点で既に接触を持っていた朋也が、彼女を演劇部に加えようとしたことから深く関わっていくことになりました。
朋也は自分の知り合いを紹介する形でことみの友人を増やしていきます。クマのぬいぐるみが好きなことや、両親が高名な学者であることが明かされていきます。
音楽室を訪れた際には、「ショックで永眠する」レベルの音色(※蛍光灯のガラスが割れるような)のバイオリンを演奏して見せる一幕も。加えて、何度か本屋や学校の本を切り抜こうとするなどの奇妙な行動もありました。
バイオリンについては「たくさんの人に聴いてもらいたい」という願望があり、後に杏の提案で発表会を開催。その帰り道でことみが“わるもの”だと呼んだ謎の老人と遭遇します。かなり怖がっている様子だったので朋也や杏の機転で追い返したのですが、この人物こそがエピソードの鍵。
また杏ですが、朋也とふたりきりになった際に「もし朋也のことが好きで好きでしょうがない女の子がいたら、付き合う気ある?」みたいな質問を投げてくるシーンがありましたね。涼が朋也に好意を抱いているのはわかりやすいのですが、杏自身も朋也を好きなのかもしれません。
杏の提案で休日に出かけた際には、ことみの誕生日が迫っていることがわかりました。その帰り道で「ただ持っていて欲しい」とことみから何らかの本を託される朋也。これも今後に関係するアイテムになっていきます。
そうやってことみと関係を深めていく中で、何やら夢を見る朋也。炎に包まれる一室で幼い朋也がことみに似た泣いている女の子を見ている光景が見えましたが果たして……!?
ある時ことみは、登校時に発生したバス事故の現場を目撃したことから、突如取り乱してしまいます。知り合いは誰も巻き込まれなかったのですが、その動転ぶりは常軌を逸するもので、何らかのトラウマがあることを伺わせました。
この出来事からことみは学校も早退。彼女の家へお見舞いに行くことになるのですが、朋也はことみの家に見覚えがある様子。ここからしばらくことみは姿を見せなくなってしまいます。
そうやって日々を過ごす中で、ことみが“わるもの”だと述べた老人と再会する朋也。最初は疑う部分がありましたが、話してみると柔和な雰囲気で、ことみの言う通りの“わるもの”とは思えない人物でした。
彼との話の中で、ことみの両親の研究が“隠された世界”……いわゆる“パラレルワールド”的なものだったことが判明します。難しそうな話ではあるのですが、本作の世界においては今後、そういうものがあると示された点がポイントです。
後に朋也は、ことみの家に入り込み、過去に彼女と知り合っていたことを思い出します。互いの過去を掘り下げていく回想では、ことみの名前の由来や誕生日にクマのぬいぐるみを望んだことなど、ことみとその家族のことが掘り下げられていきます。
誕生日当日については両親の仕事の都合で一緒に過ごす事が出来なくなり、癇癪を起こしたことみは「大嫌い」だと叫んでしまいます。ですが仕事に向かった両親が、飛行機の事故で二度と帰ってこなくなってしまったというのです。
このショックで父が遺した研究の論文を燃やしたそうなのですが、やってしまった後に罪の意識から両親の記録が残る本や新聞を切り抜いて保存していたのだとか。
図書室や本屋でハサミを取り出していたのはこれが理由であり、登校時のバス事故の際の動揺も両親を失った時のことを思い出したのでしょう。また、天才と呼ばれるほどに勉強をしていたのは両親の研究を継ぐため。
事情を把握した朋也は、閉じ籠ったままのことみをもう一度連れ出すため行動をはじめます。まずはことみの家の庭を、幼い頃に会っていた時のような美しい場所に戻す作業を進めることに。
渚や藤林姉妹もことみの誕生日に向け、プレゼントとなるバイオリンの準備を進行。発表会の際に使用したものを確保したものの、バイクの危険運転に巻き込まれ壊れてしまいます。
ですが楽器屋に赴き、時間はかかると言われたものの修理の目途を付けることに成功しました。
これまで貯めていたバイト代などを費やしことみの誕生日までに庭の修復を間に合わせた朋也は、以前ことみから渡されたあの本を読み進めていきます。
タイトルが確認しづらいのですが、おそらくこの本はロバート・F・ヤング氏による『たんぽぽ娘』という小説。ことみが何回か朋也に対して言っていた「一昨日は兎をみたの。昨日は鹿、今日はあなた。」というセリフが、この作品の中にも登場しているのだとか。
これを読んでいる内に朋也は眠ってしまうのですが、夢の中でことみとの過去を思い返していきます。ことみにとっての運命の日となったあの誕生日の日には、朋也も誘われていたのですが来ることができず……。理由は、友達を誘うと息巻いたのに結局連れてこられなかったため。
夜になってからその謝罪のために向かった朋也は、そこで父の論文を燃やし泣きじゃくることみを目撃。以前の夢の光景はおそらくこの場面でしょう。その後も何度かことみの家まで行ったものの、姿を見ることはできずいつしか忘れていってしまったようでした。
夢から覚めた朋也はようやくことみと再会。そうして彼女から、好意を持っていたこと、ずっと待っていたことを伝えられます。
学校に復帰してきた彼女を迎える朋也や渚たちは、誕生日のプレゼントとして「ヴァイオリンのプレゼント券」を渡します。こちらは、修理は可能なものの誕生日当日には間に合わなかったための対応。
幼い頃はことみの家で遊んでばかりでしたが、朋也はここで数年越しにことみを連れ出すことと、友達を連れてくること。ふたつの目標をようやく達成したと言えるのではないでしょうか。
ここでめでたしめでたしと思いきや、ことみの後見人であるあの老人が、渡したい物があるため会いに来ているとの話が飛び込んできます。最初は浮かない表情のことみですが、朋也たちの励ましで会ってみることに。
老人は「どうしても今日、君に渡さなければと思ったんだよ」と話し、ところどころ傷が目立つアタッシュケースをことみに受け渡しました。これはことみの両親の遺品であり、促されるまま中を確かめるとそこにはクマのぬいぐるみと「どうか娘に届けてください」とのメッセージも同封されていました。
これは、過去にことみが誕生日のプレゼントとして望んでいたもので、事故に遭った両親が貴重な論文や自分たちの荷物を捨ててまで娘に遺したもの。世界中の様々な人たちがこの遺言とも言えるメッセージを見て、人から人へと受け渡しここまで届けられたものなのです。
スーツケース自体やぬいぐるみには手入れされた跡が見られ、まさに奇跡のような出来事の連続でここにある品。
そして、ことみが焼いた封筒は論文ではなく、クマのぬいぐるみのカタログであったこともここで明かされました。後見人の老人によるとことみの父親は、「娘がはじめて自分から欲しいものを言った」として嬉しそうに話していたというのです。
両親からことみの誕生日を祝う手紙も入っており、それを受け取った彼女はようやく、二度と帰ることが無いと思っていた両親に「おかえりなさい」を言うことができました。その後は修理が済んだヴァイオリンを受け取る日が少し描かれ、彼女のエピソードはこれにて幕に。
演劇部復活まであと一息
ことみとのエピソードがひと段落したところで、幻想世界の方で新たな光が発生。
演劇部の方は藤林姉妹とことみが名前を貸す形で加入し、部として認められる頭数が揃いました。次なる課題は顧問を務めてくれる先生となったので、元々演劇部の顧問だったという幸村に話を付けに行きました。
すると既に合唱部から顧問を依頼されているというのです。合唱部はことみとのエピソードの際に少し接触をもっていたのですが、渚が「演劇部は諦めろ」と書かれた脅迫状的なものを貰うなど大きないざこざになってしまいます。
これをやったのは合唱部の仁科りえの友人である杉坂で、彼女から仁科や合唱部の事情を知ることが出来ました。その理由は同情できるものではありましたが、「そんな風に人の同情を誘うような奴は卑怯者だ」と春原が激昂してしまいました。
春原も朋也と同様にスポーツ推薦で入学しサッカー部に入ったものの、訳あって退部せざるを得ない状況になっており、杉坂たちが甘えているように見えたのでしょうか。
この出来事を経て渚は演劇部を諦めようと考えてしまうのですが、それでも悔しさから涙を隠すことができず……。春原から事情を聞いた杏も納得できないようで、ここから合唱部との対立の解決を目指して行くことに。
その解決方法は、バスケ部と朋也、春原、杏の3人で試合をすること。なんでそんな話になったのかというと、有紀寧の占いで出てきたキーワード「バスケットボール」「不可能に挑む姿」、このふたつを実現しようとした春原の思い付きからでした。
ちょくちょく匂わされていた春原の妹・春原芽衣(CV:田村ゆかり)が遂に登場したのですが、春原の住んでいる男子寮には泊められないということで、彼女には古河家に宿泊してもらうことに。「妹のことをよろしくお願いします」と渚にしっかりお願いできるあたり、春原には妹思いな一面があることが伺えます。
このあたりから、朋也をめぐって彼の周囲の女子たちに動きが。バスケに参加する条件として杏が涼のために朋也を昼食に誘ったり、下級生の智代がわざわざ朋也の教室にやってきたり、アプローチをかけてくるキャラクターがちらほら。
そして試合当日。最初は1年生が相手だったのでリードを作ることに成功。それを守ったままレギュラー陣を引っ張り出したのですが、そこで逆転を許してしまいます。最後は試合時間残り僅かといったところで、渚の声援を受けた朋也が上がらない肩を庇いながらシュートを決め逆転勝利!
シュート直前まで結果はわかってた、勝てるわけないと腐っていたのに、渚の声を聞いてやる気を出すあたり、朋也が渚を支えにしていることがわかってきたのもこの頃でした。
帰宅する芽衣と再会の約束をしたところで、合唱部から幸村による顧問の兼任の打診がきました。春原の思い付きから始まったバスケの試合も、少しは効果があったということなのでしょう。
智代の生徒会長選挙を手伝うことに
ようやく演劇部復活と思いきや……顧問の兼任は前例がないということで、まだまだ苦難の日々は続きます。
そんなタイミングで渚が体調を崩してしまい、演劇部再興への活動は一旦ストップ。その間に智代による朋也&春原の更生計画がスタートしたり、藤林姉妹と昼食会を重ねたりとまた動きが。
朋也自身は渚がいないことにもやもやしたものを抱えているようで、演劇部の部室でひとり黄昏るような描写もありましたね。
顧問の兼任が認められない件については生徒会の方針なので、役員が変われば受け入れてもらえる可能性があります。そこで朋也は、生徒会長を目指している智代の選挙に協力することを思いつきます。しかしそれもつかの間、下校時に彼女が不良たちに絡まれたため、それを庇う形で朋也は停学を食らってしまいました。
お務めを終え復帰してくると、智代が生徒会長選挙で何らかの妨害を受けていることを知らされた朋也。不良だの暴力女だの言う噂が流れて地に落ちた智代のイメージ回復を図るため、各運動部を巡り道場破り的な行動を繰り返すことになりましたね。これが評判になり悪い噂が消えて行きました。
智代が生徒会長を目指して何を実現したいのかも判明。学校近くの桜並木を残すためだそうで、わざわざ朋也たちの転校し生徒会長になってでも守りたい大切な場所なのだとか。
町の不良をシメていたことから過去の智代が荒れていたことは察することができますが、彼女の両親は仲が悪く冷え切った家庭環境で過ごしており、それもあって誰彼構わず喧嘩を吹っ掛けては怒りをぶつけていたそう。
智代と家族の状況が変わるきっかけとなったのが弟の鷹文。なんと家族が離れ離れになるのを嫌がって、橋の上から川へ飛び降りたのです。そんな彼が大変な状況に置かれたことで、冷え切った家族関係は修復。
春になって退院した弟や家族と見た桜がこの並木道のもので、だからこそここを残したいと思ったそう。この経験からか、智代はどんなに冷え切っているように見えても大事なところは変わっていない、家族にもそういう何かがあると語ります。これは朋也の家族である直幸にも当てはまるのでしょうか。
この智代との活動のさなかで、テニス部との対決がありました。智代の試合を観戦する中で、朋也が渚を意識していることが確定的に。
ふたりで仲良く智代の試合を観戦したり、コート外に飛んできたボールがぶつかって怪我した渚を保健室に運ぶ朋也を見て、藤林姉妹や智代のフラグが折れたのは言うまでもないでしょう。
演劇部が復活するも、渚の心を揺さぶる出来事が……!!
智代の生徒会長就任が決定したことで、演劇部及び合唱部は共に幸村を顧問として活動が可能に。これから活動開始といったタイミングではありますが、朋也は先生から家庭訪問を提案されてしまいます。直幸の事もあって乗り気でないのですが、渚に捕まって結局先生を連れ帰宅する羽目に。
直幸が在宅していないことを理由に一度は上手く逃げ出したのですが、鞄を届けに来た渚に捕まって再度帰宅。そこで息子の進路について問われ、「朋也くんは朋也くん」「私が口を挟むことではない」の一点張りで通そうとする直幸を目撃してしまいます。
もはや自分から息子に関わる気が無いと頑なになった様子を見て、朋也でなくともしんどくなってきた視聴者は数知れず……ではないでしょうか。
そんな岡崎家の様子を見た渚は、自分の家に来るかと提案。これを受けたことから、朋也の古河家での居候生活が始まりました。
古河家での生活の中で早苗が子供たちに家で勉強を教えていることが判明。元々中学校で先生をしていたそうですが、理由があって今は職を辞しているのだとか。また、秋生の家業であるパン屋の仕事を手伝うことにもなっていきます。
渚はそんな両親に何らかの負い目を抱いているようで、朋也に幼い頃に自分が何か悪いことをしたのではないかと相談します。
幻想世界では“僕”以外の新たな存在を作り出すことに。しかし完成しても僕のように意志をもって動き出すことはついぞありませんでした。少女と“僕”はこの世界にとって特別な存在なのかもしれません。
渚が学園祭で演じたいという劇についての詳細も明らかに。終わった世界にひとり残された女の子による冬の日の幻想物語であるとのことですが、ここまでの物語で同時に展開されてきた“幻想世界”出来事と重なる部分が。朋也も同じような光景に覚えがあるようですが、果たして……!?
秋生と早苗にもこの劇について尋ねるのですが、ふたりとも覚えがなく逆に秋生からは逆に、何かがわかっても自分に知らせろとの忠告が。これは渚に自分たちの過去をまだ知られたくないからで、それがバレかねなかったため。
この話の中で、渚が過去に一度命を失いかける出来事があったという衝撃の事実が明かされる一幕も。
古河夫妻は夢を叶え互いにやりたい仕事に就いたそうなのですが、それによって渚と過ごす時間が減少していました。そんな状況の中で、ある冬の日に渚が熱を出して体調を崩してしまいます。
仕事が忙しいため仕方なく置いて出かけたのですが、渚は雪の中にも関わらず両親を家の外で待っており体調が悪化。
そこから何らかの方法で渚は意識を取り戻したそうですが、子供の事と自分たちの夢とを両立出来ないと気づいた古河夫妻は、娘の傍にいることを誓い自分たちの商売をパン屋に変えたそうなのです。
秋生は自分のせいで両親が夢を諦めたと渚が勘付き始めていることを察しており、この事実を知ってショックを受けないようにしたかったと語りました。ただし隠し通せるとは思っていないようで、話すためのチャンスを伺っているとも。
そうして迎えた学園祭前日のリハーサル。渚は緊張している様子でしたが、なんとか無事済ませて当日を迎えられることに。
ですがその夜、リハーサル時に必要だと話し合った懐中電灯を探し物置に入った渚は、秋生が隠していた過去を偶然発見してしまったのです。誰も悪くないとはいえ、渚が動揺せざるをえない出来事が学園祭前日の夜という最悪のタイミングで起きてしまいました。秋生が役者をやっていた事もここで明らかに。
当日もショックから浮かない表情の渚。学校には来たものの、渚は自分が両親に夢を諦めさせたと嘆いており、自分だけが好きなことをやっていると考えてしまっていました。
そんな状態の渚を何とか励まそうと本番前に連れ出す朋也ですが、途中ではぐれてしまいます。その間に彼女が迎えっていたのは資料室。有紀寧に頼んで過去の高校演劇の資料やビデオから、秋生が出演しているものを鑑賞していたのです。
コンクールで優勝した際に夢を語る秋生の姿を見てしまい、さらに表情を曇らせていく渚。朋也は「お前はお前だ」「今お前にできることをやるしかない」と励まします。
不安な状況の中、本番がやってきてしまいました。ですが渚は幕が上がっても演技を始められず、観客の前で泣き出してしまいます。
そこに駆けつけてきた秋生の「夢を叶えろ!」「子供の夢は親の夢なんだよ!」という言葉に連なって、早苗や朋也からの励ましの言葉があり、ようやく演技をはじめることを決意。集まった生徒たちの前で、幻想世界での出来事を演じ上げていきます。
ここで幻想世界のほうでも進展が。動き出すことのなかったもうひとりのガラクタ人形を埋葬する少女。そんな彼女にまた新たに何かを作ることを提案する僕が、これからもずっと彼女の側にいること、そしていつか少女を連れこの世界を出ることを目標に定めました。
無事に本番を終えた渚と話をする朋也。渚が物語の続きを思い出したというので話を聞いていくのですが、ラストは「長い長い旅をして、その先で歌を歌います」とのこと。これも今後の物語を暗示しているのでしょうか。実際の劇の最後には趣味で「だんご大家族」を歌ったようですが……。
そして休日に遊びに出かけた日の夕方、朋也と渚は私服のまま学校に忍び込みます。演劇部の部室に辿り着いたところで、朋也は渚にこの頃はこの学校が嫌いじゃなくなってきたと今の気持ちを吐き出します。そして、朋也のほうから好きだから付き合ってほしいとの告白が!!
といったところで第1期は終了。春原の妹である芽衣が再登場したり、渚が朋也を名前で呼び出す夏休みのエピソードを描いた番外編もありましたが、ここからいよいよ第2期アフターストーリーの物語へ。