【ネタバレあり】名作ゲーム『CLANNAD』のTVアニメを第1期~第2期を通して紹介|町と人と絆の物語……今なお語られるその魅力とは!?
第2期『CLANNAD ~AFTER STORY~』
2学期が始まった。朋也たち3年生はそろそろ進路を決めなければいけない時期だが、 朋也は自分の将来が見えないまま、相変わらず渚の家に居候していた。
そんな中、秋生が隣街の商店街チームと野球の試合をすると言い出す。
親友とその妹とより深く関わっていく朋也
第2期冒頭から、朋也は幼い男の子の手を引いてどこかへ向かう男性の夢を見ます。開始時点で各話タイトル時に確認できる光の玉は7つとなっており、徐々に増えてきていることがわかります。
オープニングテーマとなった「時を刻む唄」は今なお語られる名曲なので覚えている方も多いことでしょう。最終回を見終えた後に再度フルバージョンを聴くと、よくこの作品の物語を表していると感慨深くなること請け合いです。
第1話は秋生が隣町のチームと野球をするということで、いつもの演劇部の面々に加え、美佐枝や芳野といった社会人も勧誘しチームを結成しました。
試合ではピッチャーの秋生が怪我を負ってしまうトラブルがありましたが、逆転のランナーが出たところで朋也の打順となり、ヒロインたちの応援や秋生からの「この町に勝利を」という激励を受け快打を飛ばし見事勝利!
その後、第2期で最初にフィーチャーされたのは、これまで朋也の友人として物語を賑やかしていた春原とその妹の芽衣。3年の2学期にもなって進路を決めていない春原ですが、彼を心配した芽衣が野球の試合後も帰らずに残ったことからエピソードが展開していきます
春原の口から「しっかりものの恋人でもいたら妹もホッとする」ポロっと飛び出した言葉から、彼に偽の恋人を作り芽衣を安心させることを思いつく朋也。とはいえ相手が春原なので、依頼したヒロインたちから断られ続けてしまいます。絶対に悪い奴ではないのですが……。
最終的に春原の偽の恋人を承諾してくれたのは、まさかの渚の母・早苗。実際に芽衣に恋人を紹介する段階で舞い上がってしまう春原ですが、芽衣もやはり疑いの視線を向けざるを得ない様子でした。
後日、芽衣が自分にも好きな人ができたと嘘を付いて気を引こうとすると、春原は動揺を隠せません。それでも春原は、早苗からの連絡が気になって芽衣を放置してしまうのです。
兄に叱って欲しかった芽衣は、朋也と渚に幼い頃は近所の男の子たちにしょっちゅう泣かされていたところ、毎回のように春原が助けてくれていたことを教えてくれます。加えて兄の彼女が偽物であることも見抜いていました。
その後、芽衣を遊びに誘い町に繰り出した際に春原と偶然にも遭遇。そこで朋也は渚とは別れ芽衣を彼女にしたと出まかせを言って揺さぶります。それでも行動しない春原を見た芽衣は、もう一度サッカーに打ち込めば、兄が元に戻るのではと考えます。
しかし、朋也たち光坂高校のサッカー部はガラの悪い連中ばかりで、朋也、渚、芽衣は春原の復帰を願い出るものの断られてしまいます。この対策を詰めることになるのですが、春原がサッカー部を退部する原因がここで明かされることに。
朋也たちの学校のサッカー部は上級生から下級生への対応が悪く、それが我慢ならなかった1年生の頃の春原は暴力沙汰を起こしてしまったというのです。また、朋也と出会ったのもこの頃だったのだとか。
再度交渉し粘った結果、球拾いをしろと命じられる朋也たち。しかしサッカー部の面々は、シュート練習でわざとゴールからボールを大きく外したり、芽衣にボールをぶつけたりとあからさまな嫌がらせを連発。
どうにか耐えきったのですが復帰は当然断られてしまいます。春原はこの時点で下級生に事情を聞き、何があったのか知っていながら現れていないようで、この事実を知らされた芽衣が遂に泣き出してしまいました。
頭に来た朋也が暴れだそうとしたところで、ようやく「芽衣を泣かせるんじゃねぇ」と駆けつけてきた春原。朋也とふたり、サッカー部の部員たちを相手に大立ち回りを演じ、人数差があったもののきっちり勝って見せていたのは流石といったところ。
ふたり共ボロボロで酷い有様なのですが、今度は芽衣を巡る出来事の清算をするかのような朋也と春原による激しい殴り合いが勃発。しかし、翌朝顔をあわせた朋也と春原は、お互いの顔を眺めて大爆笑するのです。
最後に朋也は春原と出会った当時を思い出します。喧嘩の後だったのでボロボロ、顔を見て大笑いするなど、今回と重なるような状況。春原とはその時からつるんでいるようで、直前に殴り合いをやっていたとしても何の後腐れも感じさせない、このふたりの関係性が記憶に残った人は多いことでしょう。
志麻の正体と光の玉の力とは
幻想世界ではあの光たちが何らかの影であり、本体が別の場所にあること。そして、別の世界の何かが生み出しているのではないかという予測が出てきました。
続いて物語の中心となったのは、寮母の美佐枝と彼女の傍らでいつも見られていた一匹の猫。
美佐枝は朋也たちの高校で初の女子生徒会長を務めた人物であり、現生徒会長の智代も憧れを抱いているところがあります。だからこそアドバイスを貰いやってきているようなのですが、美佐枝は昔から人の相談を聞くことが多かったのだとか。
自分ではその事を自嘲気味に語るのですが、朋也は叱ってくれるだけでなく、心配もしてくれるのがいいと評します。また、石鹸のいい匂いがするとも。
この「叱ってくれて、心配してくれて、いい匂いがする」という3つが引っかかった様子の美佐枝は、以前にも誰かから同じことを言われたようで……!?
その後、朋也と渚を見ていて青春時代を思い出したのか、自身の学生時代の思い出を語っていくれる美佐枝。しかし朋也は眠ってしまいます。
当時の美佐枝はある男子に好意を持っており、校門前で待ち伏せをして一緒に帰ろうと画策するなど青春を謳歌していました。そんな中で出会ったのが志麻賀津紀(CV:朴璐美)という少年。
志麻は過去に入院していた際に美佐枝から励まされたそうで、その恩返しのためにやってきています。ひとつだけ“願いが叶うもの”を預かっており、これを使って美佐枝の願いを叶えることで恩を返したいようなのです。
ただ、彼は何やら浮世離れしたところがあり、美佐枝の登下校のタイミングに校門前で必ず待っていたりなど、普段はどこで何をしているのかが不明瞭。
ある日の下校時、志麻は美佐枝が好意を持っている男子から断りの伝言を頼まれてしまいます。結局は美佐枝本人がその男子が彼女といるところを見かけてしまい、ショックで学校を休んでしまいましたが。
そんな彼女を慰めようと、志麻はここで言葉を尽くし美佐枝への好意を表明。朋也の言葉から思い出した「叱ってくれて、心配してくれて、いい匂いがする」は、彼の発言だったことがここで判明しました。
そうやって徐々に仲を深めていくふたり。美佐枝はある時、もうすぐ開催される秋祭りに志麻を誘います。
美佐枝の友人が画策して女装した志麻を学校に潜入させたりといった場面も。その後は志麻の家に行こうとするのですが、なんと彼はその場所が思い出せないと言うのです。
それでも何とか辿り着いたのですが、志麻の母親から「お線香をあげてやってください」と言われてしまいます。この発言が出るということは、志麻本人はは既に亡くなっていることに他なりません。ここで彼は、忘れていた自分の正体を思い出します。
約束していた秋祭りの日に、託されていた願いを叶えられる光を使って、美佐枝の望みを叶えようとする志麻。しかし巾着袋の中には何も入っておらず、美佐枝は最初から何も入ってなかったか、今の自分には必要なかったのだろうと語りかけます。
それでは収まりがつかない様子の志麻を見て、自分の事をいつまでも好きでいて欲しいと願う美佐枝。これに喜び涙を流す志麻ですが、もう一緒にいられる時間が少ないことを感じており、美佐枝たちと過ごした時間を大好きだったと振り返りました。そうして、飲み物を買いに行くといって美佐枝が離れた間に姿を消してしまいます。
慌てて追いかけてきた美佐枝に別れを告げ去っていくのですが、その際に「一生好きで居続けます」と誓った彼の姿はその後から見られなくなってしまうのですが……後に、寮母として帰ってきた美佐枝の隣には一匹の猫が……!?
眠ってしまった朋也はこの出来事を夢で見ており、彼が美佐枝へ伝えてほしいことがあると気づきました。そして渚と出かけた秋祭の会場で、美佐枝に「お祭りの時、最後まで一緒にいられなくてごめん」「願いの通りずっと傍にいる」「美佐枝が幸せになることを望んでいる」……の3つを伝えると、またあの光の玉が生まれました。
生霊となっていた風子の時もそうでしたが、猫が人の姿を取って会いに来る……そういう不思議なことがこの町では起き得るのです。
最後にこの猫の独白が入り、今の主人である美佐枝の近くに居たいと願っていることがわかりました。この猫はまだまだ美佐枝の傍に居続けることでしょう。
穏やかな女の子の裏の顔は不良グループの姉貴分!?
幻想世界では冬が近づいてきているようで、少女が眠ることが増えてしまいます。これを受け、僕は雪が大地を覆う前に今いる小屋を出る決意します。
朋也たちの方では、資料室で何度か会っていた有紀寧が主軸に。彼女は兄の和人がリーダーを務めていたことから町の不良グループの姉貴分的な存在になっており、資料室にやってくる幾名かの面倒を見ているところがあります。今回はそうやって資料室へやってきた、須藤という人物が事の発端。
須藤も所属している有紀寧たちのグループと別の不良グループが揉めており、彼女を通して朋也たちも関わっていくことになるのです。ある意味で和人が両チームのいざこざのストッパーを果たしていたのですが、彼が今どこで何をしているのかも注目ポイントでした。
そんな折に関わることになったのが、家出した姉の手掛かりとなる有紀寧の下にやってきた少年。当の姉は有紀寧たちのグループにいたためすぐに再会できたのですが、この時に調子に乗った春原が自分が和人だと名乗ったため、後に問題をややこしくしてしまいます。
有紀寧を通して不良たちと仲を深めていく朋也たちですが、このあたりで和人が交通事故に遭い入院していることと有紀寧に似ていることが判明。
不良たちのたまり場からの帰り道、朋也たちは春原を和人だと勘違いした集団に襲われてしまいます。この窮地は智代のおかげで大事には至らず、彼女から最近はこのあたりで暴力沙汰が多いという情報を得られました。
別の日の資料室での須藤とのやり取りから、敵対しているグループがやはり春原を和人と勘違いし、勝ち目がないと自棄を起こしていることが判明。そして再び智代から、このままでは警察が出てくるという情報も飛び出します。
このままでは共倒れになってしまうので、有紀寧は相手のグループに話を付けに行くことを決意します。ですが敵対グループにも怪我人がでており、もはや一戦交えることは避けられない状況。
すると敵対グループのリーダーから、この状況を最小の被害で収束させるため自身と和人、大将同士のタイマンを持ちかけられます。勝った方のチームが相手チームを下に置くという条件でこの場は決着。しかし和人は出てこられないということで、朋也たちは春原を代役として当日を迎えることに。
そして当日ですが、大変なトラブルが発生……!!
渚が早苗から預かった新作“ハイパーレインボーパン”を、和人の代役となるはずだった春原を含めた有紀寧グループの男性陣が、揃って食べてしまったのです。しかも早苗の友人から貰った究極のジャム(※ゲームブランド“Key”の作品である『Kanon』には、得体の知れないジャムを作るヒロインの母が存在している)をつけてしまったことも付け加えておきます。
仕方ないので唯一残った朋也が敵対グループのリーダーとタイマン勝負に挑みました。
日が暮れるまでなんとか粘ったのですが、目を覚ました春原たちが朋也がやられている場面を目撃したことから突撃。それを見た敵対グループもリーダー助けるため突撃をはじめ、もはや抗争は避けられないと思われたその時。なんと、入院中の和人が姿を現したのです。
しかし、その和人は有紀寧が変装した姿だったので、すぐにバレてしまいました。彼女がどうしてこんな行動をしたのかというと、この喧嘩を終わらせるためには、最早和人本人が出てこなければならなかったため。
有紀寧のこの行動でようやく双方による争いは止まりました。では和人本人はどこへいったのかというと、既に亡くなっていたというのが真相。有紀寧たちのグループは全員でそのことを秘密にしていたのです。
そして、和人の墓前で明かされていく真実。有紀寧は当初、和人の知り合いが怖かったと語ります。しかし、和人の葬式で涙を流す須藤達を見て関わっていくことを決めたのだとか。
このあたりを語り終えると、須藤たちだけでなく敵対していた佐々木たちも墓前で手を合わせてくれました。そして有紀寧がきっと兄も喜んでいると語ると、朋也はまたあの光が生まれる瞬間を目撃。
後に有紀寧が語ったところによると、この光の玉は朋也たちの住む町で語られる伝承に記されており、幸せの象徴みたいなものだとのこと。手に入れられればひとつだけ願いを叶えられるなんて話もあるそうですが、最近は見つけられる人が少ないらしく、それを見つけた朋也は特別なのかもしれませんね。
高校生活の終わりに朋也は……
物語の核心に迫っていく情報が出てきたところで、迫ってくる朋也たちの高校生活の終わり。各話タイトルの背景に集まった光は9つ。朋也が色々な人と関わるたびに、徐々に増えてきていることは確定的でしょう。
進路について渚と話す朋也ですが、触れられたくないのか話をはぐらかしてしまいます。この話の流れで彼女の誕生日がクリスマスイブだとわかると、朋也は渚をデートに誘いました。
他の面々の進路についても判明。看護学校に行くという涼や、幼稚園の先生を志望している杏、アメリカ留学することみと、それぞれ自分の希望を叶えようと奮闘している様子。
ここで再び渚が熱を出して倒れてしまいます。朋也は心配するものの見守ることしかできないのですが、季節は夏から秋、冬へ移り変わっても体調が好転することはなく、朋也は渚が卒業できないなら自分も卒業しないなどと言い始めてしまいます。
クリスマスには古河家でクリスマスパーティ&渚の誕生会が実施され、演劇部の面々や智代、有紀寧らも大集合。この賑わいもつかの間、ここで渚の再留年が決まってしまいました。
3学期は、登校してくる3年生が少ないため渚の側にずっといた朋也。彼はここで渚をずっと守っていきたいと決意します。
卒業式の日にも朋也は、渚との卒業に未練を感じさせながら春原と語らっていました。すると幸村が通りかかり、朋也は、春原と自分を引き合わせたのはあなたなのかと問いかけます。
その答えは歳を理由にはぐらかされたのですが、そんな彼も朋也たちと同様に今年で学校を去るということで、恩師といえる存在に「ありがとうございました」と頭を下げ見送るふたり。
そして、智代や有紀寧に4月から同級生になる渚の事を頼んだところで、朋也は古河家への帰路を急ぎます。その間には、春からの渚と過ごした時間を思い返していました。
帰宅したところで、渚は家の前で待っていました。体調が優れないのにそうしていたのは「朋也の最後の制服姿」を見たかったから。
彼女から卒業を祝う言葉をかけられると、朋也は「俺、卒業しちまった」と心境を吐露。しまいには「学校なんて大嫌いだったけど、お前(※渚)とならいつまでだって過ごしたいと思っていた」と泣き出してしまい、「留年すればよかった」と悔しさを滲ませます。
そんな朋也に「そんなことで足を止めたらダメです」「私はもう一年頑張りますから」と話す渚。このあたりのふたりの関係性は非常に重要な部分で、渚を励ましながらも、そうやって頑張る彼女を見て朋也自身も励まされていたことがわかります。
朋也の新たな生活が始まる
朋也の高校卒業後も物語は続いていきます。ここまでで各話タイトル背景の光は10個になりました。
進路を決めていなかった朋也は、居候の身ながら無職になってしまいます。当面は古河パンで働くことになるのですが、いつまでも甘えてはいられないため新居や仕事は平行して探すことに。
3度目の高校3年生を送ることとなった渚については、やはり主な友人たちが卒業してしまったことから難しい状況。懸命に存続のため頑張ったものの、演劇部も自然消滅してしまいました。
そんな生活を続ける中で、朋也は偶然町中で藤林姉妹と再会。涼の友人の兄が今のアパートを出ること、そこの家賃がとても安いという情報を得ます。これで決心がついた朋也は、以前知り合った電気工の芳野の下へ急ぎ、彼の働いている光坂電気という会社へ就職を決めます。
古河家を出る際には秋生から困ったら頼れとの温かい言葉が。秋生に朋也は「いつか渚を連れて行っていいか?」と尋ねるのですが、決めるのは渚だということで強く反対されることはありませんでした。
渚は朋也の新居での生活を支えるため、古河家から朋也の家へ通っては食事を用意してくれるようになっていきます。そんな彼女の支えもあって、朋也は社会人として徐々に仕事を覚えていきました。。
渚から創立者祭に誘われた際は休みを取ったものの、ミスをしたことから責任を取るため仕事を優先。こういった朋也の行動ひとつひとつが信頼得ることに繋がっていったのですが、そんな風に大人になろうと藻掻いている姿を見て胸が熱くなった人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、約束を守れなかったこともまた事実。社会人となった朋也とまだ高校生の渚、お互いの生活や日常がズレてきてしまっている点は見逃せません。果たしてふたりはこの部分をどう埋めるのでしょうか。
渚も卒業し、ふたりは晴れて……
そうやって日々を過ごすうちに、物腰や雰囲気が柔らかくなってきた朋也。仕事のほうも順調で、会社の偉い人の紹介を得てさらに待遇のいい職場への転職の話が舞い込んできます。
しかし、せっかく光坂電気で上手くやれるようになってきたばかりだったため、迷いを見せてしまいます。芳野が自身の過去を朋也に話した(※学生時代やミュージシャン時代、公子との出会いや関係性など)こともあって会社を移ることを決意したものの、ここで再登場したのが父である直幸。
なんと警察のご厄介になりかねない代物を(※物品が何だったのかは不明)を取引していたため、逮捕されてしまったとの連絡が入ったのです。これによって悪い噂が広まったのか転職の話は無情にも白紙に。ですが、既に信頼を得ていた今の仕事はなんとか続けられることになりました。
父親に自分の人生の足を引っ張られた形になり、すっかり腐った様子の朋也は、渚にこの町を出ないかと相談します。しかし渚は逃げてはダメだ、出るのは構わなくても前向きな気持ちでないとと考えていたのでした。
そんな渚も伴って直幸との面会に臨む朋也ですが、「あんたを親だなんて思っていない」と吐き捨てたにも関わらず、何も話すことのない父に激昂してしまいます。そして帰り道、自暴自棄になって自傷行為に走る朋也を必死に渚が止めようとしてくれました。
落ち着いたところで朋也は「結婚しよう」と渚に呟きます。このプロポーズを渚が受けたため、古河家へ赴き秋生に話を付けるための真剣勝負に臨むことに。
その内容は野球。ピッチャーは秋生、バッターは朋也で、勝利条件は秋生からヒット性の当たりを1本でも出すこと。勝てば朋也の要求を全て飲んでもらえるのですが、初勝負では一度もバットにボールが掠めることはありませんでした。
しかし早苗に「渚のために頑張ってみては?」と発破をかけられたことから努力に努力を重ね(※仕事の休み時間に素振りを欠かさずするなど)、熱意に負けた秋生から「これが本当に最後の1球」だというチャンスを引き出し、見事モノにしたことで「渚を俺にください」と懇願。
ここで「渚が辛い思いをするようならすぐに連れて帰る」とは言われたものの、反対はされず事実上のお許しが出ました。早苗からは渚は自分たちの夢であり、これからは朋也も自分たちの夢になったとの心温まる言葉がありました。
3月期に渚はまた体調を崩してしまうのですが、今年は既に単位が足りているため卒業は決まっている状況。ただ卒業式には参加できなかったので、後日、朋也が春原をはじめ藤林姉妹、ことみや智代や有紀寧たちに声をかけ参加してもらった、渚のための卒業式が執り行われることに。
秋生や早苗も見まる中で渚は、これまでの学校生活を振り返り、朋也と出会い励まされることで色々な人と出会い変わっていったこと、3回目の3年生でも頑張ろうと決意できたこと、この場に集まった面々のおかげでそんな強さを貰ったことを語っていきます。
卒業するのに5年もかかるなど、辛いことが多かったこと点は察して余りあるのではないでしょうか。それでも、この学校で過ごした時間がかけがえのないものだった、大好きだと言える彼女の強さに、朋也をはじめ周囲の人たちも救われていたはず。
そんな渚の長い高校生活が終わったところで、直幸の下へ結婚報告へ向かったふたり。ここから渚の姓が古河ではなく“岡崎”に変わり、夫婦としての生活がスタートしました。
現実世界と隠された世界との関連性が示される……そして近づく渚の出産
当面は朋也の家で同居する形になりました。一緒に暮らすにあたって「よろしくお願いします」を言い合ったりなど、微笑ましい光景が続きます。
渚は自分も仕事を探すと宣言。体は弱いがいつまでも弱い自分でいたくないということで、朋也もそんな彼女の選択を尊重します。渚の職場については、新たにできたファミレスでウェイトレスの仕事をすることとなりました。
朋也はふたり分の暮らしを自分の手で支えることに喜びを見出していきます。そんな幸せな日々を過ごす中で、以前に有紀寧から聞いた願いが叶う光の伝承を思い出しました。渚に願いが叶うならどうするか尋ねるのですが、なんと“自分たちの子供”が欲しいようで……!?
これがどうなったかはひとまず置いておいて、朋也は秋生の誘いで渚が働くファミレスへ行くことに。店内では紆余曲折あって店長から呼び出されてしまいましたが、渚の仕事ぶりを聞くことができ少しは安心できた様子。
その後は渚から、光坂高校に新たな校舎が建つことを知らされ大きく動揺する朋也。代わりに取り壊される旧校舎が問題で、そこは朋也や渚たちが青春を過ごしていた演劇部の部室があった場所なのです。やはり、この町や自分の周囲の人たちが変わっていくことに不安を覚えているようでした。
再び古河家を訪れた朋也は、吐き気から渚が洗面所に駆け込む場面を見かけます。悪阻の症状に似ているので秋生が赤ん坊でも出来たかと冗談めかして言うのですが、早苗によると冗談ではなくズバリその通り。
以前、渚は朋也に自分たちの子供を望んでいましたが、その念願が叶った形。動揺を隠せない秋生が問い詰めるかのように朋也の胸倉を掴み、「めでてぇじゃねぇかよ」と絞りだすような声を上げていたのは印象的でしたね。
朋也はここから自分の力で3人分の家計を賄うことを考えるのですが、ふと過ったのは自分の父である直幸のこと。彼も朋也が生まれる時にこんな事を考えたのかもしれません。
その後は無我夢中で忙しない日々を過ごしていく朋也と渚。10週目の落ち着いたタイミングで、渚から自宅出産がしたいとの要望がありました。自分の家で、この町で赤ちゃんを生むことにこだわる渚のため、朋也は一度秋生や早苗に相談してみることに。
渚の体調に心配が無ければいい、最初に赤ちゃんを抱いてやれという秋生。早苗の紹介で助産師と引き合わせられると、リラックスできる環境が大事、まだ出産まで時間があるためじっくり考えろと言われます。
このあたりまでは順調でしたが、渚が体調を崩してしまう冬に時期が近づいてきました。早苗から渚の出産の際に危険が伴うと医者から診断を受けたと知らされ、朋也は心配からか不安な様子を見せます。
順調に行けば問題はないだろうとのことですが、渚の病気や体調次第のため万が一を考え慎重に考えていくことになりました。渚の意思は子供を産む方向で動くことはなかったのですが、朋也は秋生にも相談することに。その際に秋生の秘密の遊び場を教えてもらいました。
元々は森の様な場所となっていたのですが、現在は大きな病院が建設中のこの場所。秋生は子供たちと野球をしたり時間をつぶしたりしているそうで、仕事中に居なくなった際は大体ここに足を運んでいるのだとか。
ここで幼い頃に渚が一度死にかけてしまった話の詳細も判明。絶望的な状況の渚を抱えてこの場所を訪れ、「渚を助けてくれ」と願ったところ目を覚ましたのだとか。
秋生もはや奇跡としか言えない出来事に当初は夢じゃないかとも思ったとのこと。以来この場所に足を運び続けているそうでで、渚の命を繋いだと思われるこの場所が彼女の分身のように思えてならなかったとも語ります。
奇跡のような出来事ですがこの話を信じる朋也。秋生はそんな朋也に、ギリギリまで必死に考えて力を尽くせばそう悪い結果ばかりにはならないだろうと言葉をかけてくれました。
そして、朋也と渚は自分たちの子供の名前を“汐”と決めます。これなら男の子でも女の子でも合うというのはもちろんですが、波が打ち寄せる場所という意味のある“渚”に対し、“汐”は潮の満ち引きを表す意味を持つそうです。
幻想世界では少女がもう動けなくなってきており、僕に側にいて欲しいと望みます。ですがこれから先もずっとふたりで居られるようにと考える僕は、少女を置いてまだ行動を続けます。
渚のお腹がかなり大きくなり、出産の日が近づいてきました。朋也が仕事の間は秋生や早苗が支えてくれており、できる限りのことを家族みんなでやっているような状況。そんな時、朋也は早苗に自分を恨んでいるのではないかと心境を明かします。
朋也と出会ったことで渚は強くなり、朋也も渚のおかげで強くなったと話しますが、これが自惚れだったと弱気になってしまっているのです。
その後は年明けに新年会が行われ、春原や藤林姉妹、ことみが朋也の家へやってきました。ここで、ことみが両親の研究を引き継いだことが明らかに。彼女の両親の研究というと、いわゆるパラレルワールド的なものでした。
朋也たちの生きる世界と別な世界があることは示されていましたが、そのふたつの結びつきが深いこと。だからこそ互いに影響を与えあい、時間や空間や人の意識が響きあい、両方の世界を作り変えたり新しい世界を作り出したりしている説があると判明。
この話を聞いていて朋也が思い返したのは、渚が高校時代に演じた「終わった世界の女の子の物語」。あの物語は作中に登場していた幻想世界のエピソードにそっくりでしたが、やはり関係があるように思えてなりません。
意味深なタイミングで幻想世界の方で大きな変化が。なんと僕が、ガラクタを積み重ねるしかできない自分に絶望し、どんなに努力しても無駄だったと作業を止めてしまったのです。
その後、出産については渚の命には変えられないということで、病院で行うことが決まりました。
しかし、予定より二週間も早い大雪が降った日に、渚は熱を出し陣痛までもが始まってしまいます。交通機関が麻痺しており、秋生と早苗がなんとか急いで助産師を連れてくるものの、仕方なく病院ではなく自宅での出産に切り替えることになりました。
渚が苦しんでいる姿を傍らで見ていることしか出来ない朋也。渚にとってもそうですが、朋也にとっても苦しい時間を潜り抜けどうにか汐が生まれます。しかし、出産を終えた渚は弱り切っており、朋也が未来への希望を語り聞かせるさなか亡くなってしまいます。
渚と過ごした時間を思い返し、いなくならないでくれと縋る朋也。そして再びやってくるあの桜舞い散る坂道の光景と「この学校は好きですか」「この場所が好きでいられますか」という言葉。
今再び、この言葉を投げかけられた朋也は、出会わなければよかった、別々の道を歩いていればこんな悲しい出来事は起きなかったと結論付けてしまいます。そうして色づいていた筈の鮮やかな光景が褪せていき……
古河家へ預けっぱなしにしていた娘との旅行の果てに
渚を失った朋也は悲嘆に暮れ、体を痛めつけるかのように全てを顧みることなく働き続けていました。子供を作った事も間違いだと考えるなど、これまでの人生を否定するネガティブな一面が目立つ一幕も。ただ、早苗が様子を見に来ており、渚が亡くなった後も古河家との付き合いは続いている模様。
そうして早苗と外出する機会を得た朋也は、一緒に入ったファミレスで旅行に誘われます。これに考えておくと遠回しな断りを入れるのですが、何度も早苗から結論を出したかと電話があり、その押しの強さに折れる形で仕事の休みを取ることに。
当日に古河家へ赴くと、旅券と置手紙だけが残されていました。なんでも早苗と秋生は急用で出かけるとのことで、預けたままの娘・汐とふたりきりで過ごすことになったのです。
この時点で汐は5歳になっているようですが、彼女が生まれてから朋也は、娘を秋生と早苗に任せ仕事に没頭していた模様。時たま早苗が朋也の下に連れてくることはあっても、顔を見ることすら碌にしなかったとも語っていました。
汐は秋生や早苗と一緒に旅行へ行きたいとのことですが、それはどうしても叶えることができません。仕方なく古河家で汐と一緒に過ごす朋也ですが、汐が壊したおもちゃを直す、わざわざふたり分の食事を用意するなど(※不評ではありましたが)、面倒見のいい部分は無くなっていない様子。
結局、秋生と早苗を待っていても埒が明かないということで、汐とふたりきりの旅行へ出かけることに決めます。
行きの列車内では、騒がしくしていた親子を朋也が怒鳴りつけてしまうといった一幕がありました。そうやって目を話した隙に汐が居なくなってしまったのですが、トイレで発見した彼女は目の下を赤くしており、おそらく泣いていたであろうことがわかります。
その後、電車を乗り換える際に、朋也は思い付きから汐におもちゃを買い与えます。中々決められない汐に、ロボットのおもちゃを勧めて購入するのですが、このロボットの顔があの幻想世界の僕に少し似ているような……!?
旅の途中で宿泊した旅館では、汐から母親の事を教えて欲しいとせがまれる一幕も。早苗は朋也から渚のことを教えて欲しいと考えているようですが、この時点の朋也は汐を突き放してしまいます。
ふたりの旅の目的地となっていたのは、一面の田園風景が広がる田舎でした。途中で花畑を見つけて汐を遊ばせると、朋也も来てよかったと一応は考えられた様子。そうしている内に、朋也はふと眠りに落ちてしまいます。
目を覚ますと、汐からあの買ったばかりのロボットのおもちゃを失くしてしまったと言われます。くまなく探すものの見つからないため、帰りに同じものを買おうという朋也。しかし、汐はあれがいいと言って聞きません。
仕方なく汐を見守ることにするのですが、ここで幼い頃の記憶が脳裏をよぎりました。これを追いかけるかのように歩みを進めると、岡崎史乃という女性が待っていました。
彼女は直幸の母親で、朋也にとっては祖母にあたる人物。どうやら早苗から連絡があり、ここで待っていれば朋也に会えると言われていたようなのです。
ここで史乃の口から、父である直幸の過去が語られていきました。
直幸は今の朋也と同じように結婚し子供を授かったものの、その折に突然奥さんを亡くしてしまったことは朋也の回想からわかっていました。今の朋也の境遇と非常に似通っていますが、ここから先が明確な違いの部分になります。
なんと直幸は、奥さんを亡くしてなお、幼い朋也を自分の手で育てると決意していたのです。そんな日々が始まったのがちょうどこの場所であり、ここからが直幸の人生で一番頑張った時間なのです。
厳しかったり乱暴だったりすることはあっても、朋也のために全てを投げうち共に生きることを選んでいた。これまで見ることを避けてきた父の姿を知り、「お菓子をよく買ってもらいました。手をつないで、散歩に行って」と何気ない時間が自分にもあった事を思い出す朋也。
そしてあの日の父と同じ場所に立った朋也は、史乃から「直幸はダメな父親だったと思いますか?」と問われ、自分の方がよっぽどダメな人間だと思い至ります。
そうやって自分を情けないと卑下する朋也に、史乃は直幸もそうだったと語りかけました。そして直幸を誇りに思いたい、人間としてはダメでも父親としては立派だったと思いたいと語る彼女に対し、朋也は「俺もそう思います」と述べて安心させます。
ようやく父を認めることが出来た朋也は、頑張り過ぎた直幸はもう休んでもいい頃だとして、この土地で待っている、帰ってくるようにという史乃からの伝言を預かりました。
そして朋也は汐の下へ。まだ失くしたおもちゃを探していた汐に、新しい物を買おうと再び語りかけます。前より雰囲気が優し気になっている点は見逃せませんが、そんな朋也に汐は、初めて父親である朋也が選んで買ってくれた、ひとつしかないものだからと話します。
この言葉を聞いてようやく汐に寂しい思いをさせていたことに思い至った朋也は、長いことダメな父親だったけれど、これからは汐のために頑張ると誓います。汐は側に居て欲しいと言ってくれますが、今日は大切なものを失くして悲しいと心境を明かてくれました。
汐はこれまでは悲しくても泣くのを我慢していたようで、早苗から泣いていいのはトイレかパパの胸の中だと言われていたのです。そんな汐を朋也は正面から抱きとめました。この瞬間ふたりはようやく親子になれたのだと言えるのではないでしょうか。
朋也は帰りの電車内で汐に渚の事を話して聞かせるのですが、思い返せば返す程に涙が溢れ出てきてしまいます。そうして朋也は、自分にしか守れないものを見つけたと心の中で渚に誓います。このシーンは朋也を演じる中村悠一さんの声もあって、視聴者側も感情移入せざるを得ない場面のひとつでしたね。
引っ張りに引っ張った父との決着
ふたりで古河家に帰ってきた朋也と汐は、仲良く早苗に「ただいま」を言いました。そして朋也は、生前のままになっている渚の部屋に足を踏み入れます。
そこで早苗にこれまでの感謝と謝罪を伝え、汐を渚のように思いやりがあって強い子に育てると決意を語ったほか、一生を賭けて恩返しをする、汐と幸せになるとも誓いました。
その後は秋生から野球に誘われ、汐の前で秋生の投げたボールを打ち返し快音を響かせる朋也。渚との結婚を承諾してもらう際の勝負は最後の一球までかかりましたが、一発で決めたあたり朋也があの時より強くなったことが伺えます。
その夜、朋也は秋生と早苗が軒下で語り合っているところを見かけます。渚が亡くなってから5年、汐のおかげで救われていたという古河夫妻。秋生は早苗が渚が亡くなった日から泣いていないことに気づいていました。
そんな彼女にもう泣いても良いんだと語りかけて労う秋生。ふたりに気づいた朋也が、見えないところで頭を下げていたのは印象的。
汐との新生活のため古河家を出る際に、朋也は早苗から直幸とのことを聞かれ、近いうちに顔を出すと遂に宣言しました。
仕事先でも娘と一緒に暮らすことになったと芳野に報告。汐を幼稚園に迎えに行った際には、彼女の担任が研修会で休んでいることが判明しました。
担任の先生への挨拶は研修会から戻ってきた際にとなりましたが、汐いわく髪が長くて綺麗で優しい女性なのだとか。その後、汐が留守番中にお絵描きをする場面があったのですが、描かれていたのはイノシシのようなもので……!?
汐と買い物に出た帰りには、公園で公子と再会する一幕も。なんと入院していた風子が退院しており、朋也は彼女の記憶がもう無いようでしたが、元気な様子を見せてくれました。
翌日、仕事を休んだ朋也は汐を連れ実家へ向かいました。久しぶりに再会した父はすっかり老け込んでおり、汐を紹介した後に史乃に会ったこと、そして彼女から預かった伝言である「そろそろ休んでもいいんじゃないか」「田舎に帰ってもいいんじゃないか」を伝えていきます。
この言葉を受け孫である汐の顔を確かめた直幸は、「もう、いいのだろうか」「俺は、やり終えたのだろうか」と声を漏らします。
そんな父に、自分のために人生丸ごと使ってくれた、もう充分だと言い聞かせる朋也。知らず知らずの内に、朋也の手を引いて新しい生活を始めた時の誓いを達成していたことを実感した直幸は、「良かった」と憑きものが落ちたような様子。
実家へ帰る直幸を見送る際には、父の今後を心配するような言葉を呟くたびに、朋也は幼い頃に父から貰っていた言葉たちを思い出し涙します。そして「父さん、今日までありがとう」と感謝し、「あの人は幸せだったのだろうか?」と去っていく父の背中を見つめ続ける姿が見られました。
ここで汐が見つけたのが、あの幸せの象徴だとされる光が朋也の中へ溶けていくところ。この光が生まれたということは、きっと直幸もようやく報われた想いだったのではないでしょうか。
幸せも束の間、汐も渚と同じ症状に悩まされるようになってしまい……
ある時の朝食中。この日から汐の担任の先生が戻ってくるということで、早めに出かけて挨拶をしにいくことに。やはり汐の担任の正体は杏で、イノシシの方は彼女が飼っていたボタンが成長した姿でした。
最初は丁寧な挨拶をするのですが、朋也のそんな顔を初めて見たと杏が笑い出すと、再会を喜ぶかのように、友人たちの近況や彼らも朋也を心配していたことが明らかになっていきます。
その後は仕事先で芳野から風子が汐と友達になりたがっていることを聞かされました。この頼みを快諾した朋也は、休日に風子を迎え入れます。当日は風子の勢いに飲まれつつも、一緒に食事をしたり、トランプで遊んだりと仲を深めていきました。
後日、幼稚園へ汐を迎えに行った朋也は杏から運動会があることと、父兄が参加する競技があることを知らされます。
古河家でその話になると、秋生が園長に代わり教員チームのアンカーをやることが判明。その話の流れで、朋也が秋生と直接対決となる父兄チームのアンカーを務めることに決定しました。
娘にカッコ悪い姿は見せられないと、仕事の休み時間や休みの日に走り込みを行うなど張り切る朋也。するとその頃、留守番中の汐が家を抜け出してあの病院へと向かっていました。
迎えた運動会の前日。ここで汐が熱を出してしまいます。医者を呼ぶも原因がわからずじまいだったのですが、この症状は生前の渚と同じもの。
そして再び幻想世界の状況が明らかに。僕と少女はふたりで歩き出したものの、急がないと雪が積もって動けなくなってしまいます。
運動会については欠席し、汐の側にいることを選んだ朋也。すぐ良くなると思いたいところだったのですが、汐の体調は1ヶ月が過ぎても戻ることがなく……。
娘のため退職を決断した朋也は、退職届を提出したその日に芳野から「ご苦労だったな」と労われます。そこでドライバーの交換を持ちかけられ、汐が良くなったら戻ってこいとのエールも貰いました。
汐を見守ることしか出来ない朋也は、欲しいものはないかと聞きました。旅行したいと言うので、元気になってからにしようと優しく諭します。ですがその心中は穏やかではなく、一人娘のたったひとつの願いすら聞いてやれないのかと悔し気な様子。
この町にもてあそばれているのでは、許せないとも考え絶対に汐だけは救うとも決意していましたね。
その後、買い物の途中で例の病院にやってくる朋也と秋生。秋生はこの場所で渚の生存を願ったことで、彼女は街と繋がったのではと分析する朋也。だからその娘の汐もそうなのではと考えているようです。
今度は町はずれの丘を削ってショッピングモールができる、みたいな話も出ていました。変わっていく事は町にとっても苦痛だと朋也は考えているようですが、果たして……!?
そうして連日汐の看病を続ける朋也ですが、流石に疲れが隠せないようになっていました。ここであの花畑に行きたいと汐にせがまれるのですが、前回以上の切実さを感じ取った朋也は、そんな状態の汐を連れて出かけることを決意します。
汐はそんな朋也に手を引かれ一生懸命歩こうとするのですが、進んでいくことができません。そこに雪が降ってきました。汐に雪が好きかと聞かれ、好きだと答えるものの、朋也の脳裏には渚が亡くなったあの日が焼き付いていました。
汐の足取りは徐々に重くなっていき、遂にその場から動けなくなってしまいました。彼女は既に自分がどこにいるかもわからなくなっており、汐は朋也に大好きだと言い残して意識を失ってしまい、続けざまに汐を助けてくれと嘆きつつ朋也も倒れてしまいます。
幻想世界では朋也と汐を思わせるかのように、動けなくなった少女を見守る僕の姿が見られました。やはり、現実の朋也の出来事とリンクしているように思えてなりません。
そして再び、第1期第1話冒頭のあの場面へと帰ってきました。まるでループしているかのようなあの日の再現が続き、渚との出会いの瞬間がやってきます。
「この町は嫌いだ」と変わらない毎日を過ごしていた朋也に、変わっていく事の恐ろしさとそれでもこの学校が好きだと語りかけるような渚のあの言葉。ここで声をかければふたりは出会い、結ばれた後に汐が生まれることになるのですが……
渚に加えて汐をも失ってしまった朋也は、出会わない方が良かったと逡巡し足を止めてしまいます。
長い旅路の果てに朋也が見つけた答えとは
一面の猛吹雪の中、動けなくなった幻想世界の僕と少女。こんな冷たい場所が旅の終わりなのか、こんな場所で彼女を眠らせたくはなかったと僕は後悔を見せます。
そして渚と出会ったあの坂道に戻ってきた朋也は、まるで時を止めてしまった世界で、渚に声をかけるべきではなかったと後悔を見せるのです。
そして坂道を登ることなく振り返り、朋也に背を向けて去って行ってしまう渚。
この朋也と僕の心情がリンクしているような描写から、やはり幻想世界は朋也たちの世界に関連していることはもはや確定でしょう。
再び幻想世界。目を覚ました少女に僕が声をかけると、今まで届かなかった声がようやく届くようになっていました。少女は夢を見ていたそうで、その中で色々なことがわかったと話します。
どうやら彼女はもうすぐ人でなくなるため、僕の声が聞こえるようになったのだそう。彼女の話から、この世界とは別の世界でふたりは一緒に過ごしていたことが明かされました。
また少女はこの幻想世界そのものともいえる存在なのだそうで、居なくなってしまうとあの光たちが不幸になってしまうと言います。あの光は幻想世界とは違う世界に住む住人たちの想いで、僕と少女もその一番遠くて一番近い世界に存在していたことも明かされていきます。
そして少女は僕と出会えた事だけで充分だと話し、僕がこの幻想世界ともう一つの世界の両方に存在していることと、そしてこれからこの世界での意識を閉じることを教えます。また、大勢の人の想いが幻想世界では光となって見えるように、少女の思いがあちらの世界ではいくつもの光になって輝くとのヒントもくれました。
加えて少女は、僕が別の世界で目覚めた後、色々な人たちに出会い色々な経験をしてまた自分と出会うと語ります。ここで繋がるのが、あの各話タイトル背景の光たち。朋也が色々な人と関わっていくことで集まったことは示されていました。あの光のひとつひとつは小さくとも、たくさん集まれば大きな力になるというのです。
最後に少女は「だんご大家族」のメロディを口ずさみ、「いつも私に歌ってくれた歌」だと僕に語りかけます。そうして世界が崩壊していくさなか、僕は幻想世界での意識を閉じる瞬間に、少女が「さよなら、パパ」と別れの言葉を口にし光となっていく様を目撃して……
再び視点が切り替わると、時間が動き出したかのように舞い散り始める色鮮やかな花弁たち。朋也は坂道を下り去って行った渚の名を、思いきり叫び駆け出しました。この時の中村さんの叫びが今なお記憶に残り続けているという人は多いことでしょう。
そうして渚を抱きしめた朋也は、彼女から声をかけて貰えて良かったと語りかけられます。
出会わなければ良かったと思っていた朋也に対して、「出会えて良かった」「とても幸せだった」と言う渚。
そんな彼女から、「だからどうか、もう迷わないでください。これから先、何が待っていようと私と出会えたことを後悔しないでください」と、朋也とのこれまでを肯定し応援するような言葉をかけて貰った朋也は、「ありがとう」と感謝を露わにします。
ここで自分の意思で渚を呼んだということは、たとえこの先にどんな事が待っていようとも、彼女と出会い汐が生まれ歩んでいくこの坂道から始まる歩みを、ようやく自分で肯定し認められたということ。
渚を亡くしてしまった後にも、直幸と和解し幸せの象徴だというあの光が生まれていました。これはどんな辛い出来事の後であろうと幸せはあるという証拠のようにも考えられ、そういう強さを得られたからこそ、朋也がこの結論に辿り着けた側面があるかもしれません。
この町に生きる様々な人と関り多くの幸せを見つけ、自分の意思でどんなことがあろうとも歩みを止めないことを選んだ朋也。すると渚の「お連れしましょうか? この町の願いが叶う場所に」という言葉が聞こえ、まるでふたつの世界が溶けあうかのように「ああ、今終わる……長い長い旅が」という朋也と僕の声が重なっていき……
そして、朋也と渚にある奇跡が舞い降り、この町と人とその絆を描いた物語は幕を閉じます。ラストシーンがどのように描かれるのかは、ぜひ実際に作品を視聴してお確かめください。
拙い解釈と解説になってしまいましたが、いかがだったでしょうか。アニメではこのほかにも、朋也と渚が光坂高校で出会う一年前の出来事を描いたエピソードや、朋也が渚とは別の女性を選んだ“もうひとつの世界 智代編 ”と“もうひとつの世界 杏編”が存在します。
ゲームでは他にも、智代と結ばれた後の物語が紡がれる『智代アフター ~It's a Wonderful Life~』、サイドストーリー集となっている『CLANNAD 光見守る坂道で』などもあります。ぜひ原作ゲーム共々、様々な部分から本作の世界に触れてみてくださいね。
関連リンク
TVアニメ『CLANNAD』公式サイト
TVアニメ『CLANNAD ~AFTER STORY~』公式サイト
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