『DUNE/デューン 砂の惑星』日本語吹替版の主人公ポール・アトレイデス役・入野自由さんインタビュー|吹き替えの現場で大事にしていることとは? 声優ファンもハマる“体験型”の超大作!
映画『DUNE/デューン 砂の惑星』が、10月15日(金)より全国公開となります!
本作は伝説のSF小説『デューン/砂の惑星』が原作で、『スター・ウォーズ』、『風の谷のナウシカ』、『アバター』などの名作が影響を受けていると言われるほど、多くのカルチャーに影響を与えている作品です。
そんな本作の主人公、ポール・アトレイデス(演:ティモシー・シャラメ)の日本語吹替を担当する声優の入野自由さんにインタビューを実施。本作の魅力はもちろん、吹き替えでの難しさ・大事にしていることなどお芝居の面についても語っていただきました。
圧倒的な美貌、カリスマ性のすべてが備わっているティモシー・シャラメ
——試写会で映画を観させていただきましたが、迫力のある映像ばかりで「すごい……!」の一言でした。
入野自由さん(以下、入野):本当に圧倒されました。ドゥニ監督がこの『DUNE/デューン砂の惑星』という超SF大作をどう描くのか、全世界が注目していると思います。今回、僕も映像を観させていただいて、想像以上の圧倒的な映像美と、今できる最大のデジタル技術を駆使しつつ、アナログな部分もあってリアルっぽさも感じました。
なので、どこからどこまでが作られたもので本物なのか、その境目がとても曖昧で、グッと引き込まれました。SFものはCGに冷めてしまうことがありますが、今回はその辺がかなりシームレスになっているので、これはもうぜひ劇場で観るべき作品だな、と感じました。
——原作の小説はご存じでしたか?
入野:僕は知りませんでした。作品については、ファンの方たちのほうが圧倒的に詳しいと思います。この作品ならではのオリジナルの言葉が作中でたくさん出てきますが、序盤はストーリー自体がシンプルです。
アトレイデス家の後継者である主人公の男の子が、未来が視える能力を持っていてどう向き合っていくのか、本人の自覚はなくても救世主としてどう自覚を持ち、どう目覚めていくのか、彼の成長物語が1つの主軸になってくると思います。
そこがシンプルに描かれつつ、いろんなキャラクターたちがドラマチックに彼を巻き込んでストーリーが展開していくので、瞬きできない!瞬きしちゃいけない!という感じです(笑)。
ストーリーも音楽も映像も、どこをとっても世界トップクラスの作品になっていると思います。
——入野さんは日本語吹替を担当する主人公のポール・アトレイデスをどう解釈されましたか?
入野:原作の小説を読んでいないので、ティモシー・シャラメ演じるポールが僕の中でのすべてでした。アトレイデス家の後継者であり、どう世界を救っていくのか、ラストに彼の覚悟が感じられ、とても魅力的でした。
——また、ティモシー・シャラメが本当に美しくて……。
入野:そうなんです。彼が画面上にいるだけでそれだけで成立するところに、彼の存在感の強さやカリスマ性を感じました。
さまざまな作品で彼の吹き替えを担当させていただきましたが、圧倒的な美貌、カリスマ性、オーラと、全てが備わっている。でも、それが鼻につかないというかいやらしくない。とても自然体なところにみんなが惹かれていくのかな、と思いました。
彼のことは作品の中でしか知りませんが、それぞれの作品を見ていくと自然体で等身大な部分というところが強くて、そこが魅力の1つかなと感じます。
——演じる上で意識されたことがあれば教えてください。
入野:映画は膨大な時間をかけて作られたもので、それに対して僕たちが映画と向き合う時間はすごく短いんです。
限られた時間の中で、いかにティモシー演じるポールに寄り添えるかどうかが大切で。漠然としていますが、そこを意識してアフレコに臨みました。
今回の映画に限らず、吹き替えをするときはいつも同じ気持ちです。彼がどう役に向き合っていて、それに自分がさらにどう向き合えるのか、作品に対してリスペクトを持つことを大切にしています。