大事なのはハリウッドのヒーロー像を汲み取ること――『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』スネークアイズ役の吹替声優・木村昴さんにインタビュー│月蝕會議さんと手掛けるプロモーションテーマソングのこだわりとは?
世界的な人気を誇るアクションフィギュアをもとに映画化され、ハイテクガジェットや特殊マシンを駆使し世界を守る最強の戦闘エキスパートチーム“G.I.ジョー”と、世界支配を目論む悪の組織“コブラ”の戦いを描き、全世界でメガヒットを記録した大ヒットアクション映画「G.I.ジョー」シリーズ。
ファン待望の最新作『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』では、史上最大規模の日本ロケが行われ、刀と銃を武器に戦い「G.I.ジョー」最強の戦闘能力を持つシリーズ人気No.1の漆黒の忍者ヒーロー“スネークアイズ”が主人公に!
“未曽有の忍者テロ”を阻止するべく立ち上がったスネークアイズの、謎に包まれたオリジンストーリーが初めて描かれる!
今回、主人公のスネークアイズの吹替を担当する木村昴さんにインタビューを実施! 作品の見どころや演技にあたってのポイントはもちろん、プロモーションテーマソングにかける思いも聞いた。
みんながイメージする一番かっこいい忍者
――「G.I.ジョー」のことはもともとご存じでしたか?
スネークアイズ役・木村昴さん(以下、木村):もちろん知っていました!確か、「G.I.ジョー」過去2作が上映していた時期に拝見していて、アクションが異常に凄いという印象があって。なかでも、スネークアイズの刀、忍者アクションが非常にかっこいい!と思っていました。
元々「ミュータント・タートルズ」(15)とかも大好きで、当時から“忍者”というワードだけでテンションが上がっていた記憶があります(笑)
――スネークアイズの印象は?
木村:スネークアイズ=忍者、みんながイメージする一番かっこいい忍者を作ったらこんな感じなのかなって思っていました。
日本の忍者のイメージって「忍者ハットリくん」や「忍たま乱太郎」だと思うんですけど、ハリウッドが描く忍者って、刀を使ったりとかして、良い意味で少しズレているんですよね(笑)それがかっこいいなって!
――作品をご覧になった率直なご感想をお聞かせください。
木村:観終わった後の第一声は、「はよ2―――‼」(笑)めちゃくちゃ続きが気になる展開でした。
忍者って忍ぶものだと思うんですけど、“本心を忍ぶ”というのか、みんな本当の目的があるんですけど、それを隠して遂行している。忍び、忍ばれ、忍び返し・・・忍び合戦‼ 観ていて、凄くミステリアスで「どこでバレるんだろう」とか考えていたら、ワクワクしました!
大事なのはハリウッドの描くヒーロー像を汲み取ること
――「G.I.ジョー」シリーズで人気No.1のスネークアイズをアフレコしてみて、プレッシャーや難しかったところはありましたか?
木村:プレッシャーはもちろんありました。人気キャラクターが初めて喋るということで、みんな聞きたいだろうから。でも、今回はスネークアイズを演じたヘンリー・ゴールディングの声=スネークアイズの声ですので、吹替はオリジナルのスネークアイズから外れないようにイメージしていました。
僕の吹替のモットーは、オリジナルあっての吹替ですので、実際の俳優さんたちが出している声を観たほうが本当は良いけど、字幕が追えない、それに集中することで映画が頭に入ってこないとか・・・そういう人たちにもストレスなく、気持ちよく観てもらえるようなガイドになるようにと思っているんですよ。
オリジナルからズレてしまうと違和感があるので、声質とかクセを意識して、オリジナルを日本語に変換したものに仕上がるようにしています。スネークアイズは、淡々としていてミステリアス、セクシーでもあり、何を考えているか分からないようなクールな要素を集めましたね。
――ヒーローものでアフレコする際に、意識することは何かありますか?
木村:“やりすぎない”ということですかね。日本のヒーローショーだったら、戦うときやジャンプするときに「グハッ」「ウッ」とか擬音が多いんですけど(笑)
吹替をして気づいたのが、ハリウッドの描くヒーローってむしろ何も言っていないことが多いんですよね。だからこそ、所々に出る息遣いのひとつでも意味が込められていると思っていて、それを汲み取ることが大事なのかなって。
特に高速道路でスネークアイズとストームシャドーが戦っている(息遣いの)ところとか、印象に残っていますね(笑)
――木村さんにとってヒーローとはどんな人がいますか?
木村:僕の周りのヒーローですか!タクシー運転手ですかね。この前、タクシーに乗っていたら寝てしまって、イヤホンを落としちゃったんですよ。降りたときに気づいて、運転手さんに事情を説明したら探してくれたんだけどなくて・・・そしたら「待ってろ」って言って、シートまで剝がしてくれたんです。最後には、イヤホンが見つかって、「超ヒーロー」って思いましたね(笑)
普通探しても見つからなかったら諦めても仕方ないのに、“手を差し伸べて、助けてくれる人”ってかっこいいなと思いましたね。スネークアイズみたいなヒーローもいるけど、ミニヒーローは身の回りにたくさんいるんじゃないですかね。