Twitterで話題の「あたしゃ川尻こだまだよ」作者・川尻こだま先生にインタビュー! “ただれた生活”単行本化で「負担が全て私にくるので地獄です」
「ただれた生活」をテーマに、ゆるくかわいいイラストで描いたマンガをTwitterに投稿し、人気を博した川尻こだま先生が、ついに初の単行本(コミックエッセイ)「あたしゃ川尻こだまだよ」を2021年11月5日に発売!
Twitterに投稿されたマンガでは、食や酒、仕事、運動など、川尻先生のさまざまな“ただれた生活”を垣間見ることができました。単行本では「食と酒」にフォーカス。これまでTwitterでバズった人気作品に加えて、川尻先生の描き下ろしによる、新たな「食と酒」の楽しみも追加された充実の内容に仕上がります。
そこで今回は、川尻先生に単行本への思いや、これまでの活動でよかった点・苦労した点など、たっぷりとお話を伺いました。
電子書籍を公開したところ……
――単行本発売おめでとうございます! Kindleで電子書籍を無料公開されていますが、単行本化は今回が初かと思います。どのような経緯で決まったのでしょうか。決まったときの率直な感想もお願いいたします。
川尻こだま(以下、川尻):ありがとうございます。単行本化のお話はいくつかの出版社さんからいただいていたのですが、しがらみが面倒くさいので無視していました。個人でAmazon Kindleで電子書籍を公開したところ、大変ありがたいことにテレビ局の方からアニメ化のお話をいただきまして。個人での契約の結び方がわからなかったので、出版社通すか~……となりました。なので流れとしては「電子書籍公開→アニメ化決定→単行本化決定」です。ややこしいですね。なので率直な感想は「アニメ化のために本を出してくれてありがとう」です。
――なんとアニメ化も! おめでとうございます! 単行本とアニメの仕事内容は違う点が多いのかなと思いますが、取り組んでみていかがですか?
川尻:ありがとうございます。アニメは基本的にお任せなので、私もどんなものが出来上がるのか楽しみです。単行本作業は負担が全て私にくるので地獄です。
――描き下ろしが1/3以上を占める予定とのことで、作業量が多そうですね……。描き下ろしマンガを描くときに心がけている点や力を入れている点があれば、ぜひ教えてください。
川尻:全編フルカラー本になったので作業量がえげつないことになりました。描き下ろしは通常では描けない話を描きたかったので、KADOKAWAさんに経費を出してもらって健康診断に行ってきました。「はじめての健康診断編」は6Pくらいに収まるかと思っていたのですが、結果18Pになりました。
――単行本は正方形で、表紙が厚めの絵本のような仕上がりになるとか。それはなぜですか? どのような意図があるのか気になります。
川尻:出来上がった物を手にとってみましたが、「本」というよりも「グッズ」に近いと思います。電子書籍はすでに公開しているので、形や内容で差別化できたのは良かったと思います。表紙なども絵本っぽくしました。大人の絵本です。
――「本」より「グッズ」というのは新鮮でいいですね。これまでマンガを描き続けていてよかった点や苦労した点があれば教えてください。
川尻:よかった点は食ったり飲んだりするPR案件をもらえたことです。苦労したことは軽いノリで始めたのに「毎日更新するマンガ」みたいになってしまったこと。若干後悔しています。3日に1回更新くらいにしておけばよかったです。
――マンガは「ただれた生活」がひとつのテーマになっていますが、単行本やアニメが決まってからは、なかなか休めない日も増えたのではないかと思います。生活は以前と変わりましたか?
川尻:以前とは違った方向でただれた生活が加速していると思います。心も体もボロボロです。