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『メイドインアビス』ネタバレ最新巻までを解説

【ネタバレあり】TVアニメ第2期放送予定、冒険への憧れがつまった最凶ダークファンタジー『メイドインアビス』の原作あらすじをご紹介!

第6巻~第10巻:烈日の黄金郷。村を産んだ女の子の愛と憎悪をめぐる物語

成れ果てたちが暮らす永遠のゆりかご

人間として地上に帰ることの叶わない「絶界行(ラストダイブ)」の末、遂に深界六層「還らずの都」にたどり着いたリコたち。しかし到着早々、何者かにプルシュカを奪われるという事件に遭遇。その足跡を追う中でリコたちは、自我を持った成れ果てたちが暮らす不思議な村「イルぶる」を発見する。

村に住む多くの成れ果ては、かつてアビスの底に挑んだが進むことを諦め、また呪いによって帰ることも叶わず、村に命を価値として差し出した者たち。村から出られなくなる代わりに価値に応じた体を与えられ、安住の生活を続けていた。

 
中には職人のような成れ果ても多く、そのひとりである楽器職人「宝石のポリヨーン」のもとにプルシュカは届けられていた。むき出しの「命を響く石(ユアワース)」から白笛として正しい形に整えられることになったプルシュカ。その完成を待つ間、リコたちは村に滞在することになる。そして、村にまつわる宿命に巻き込まれることになってしまう。

村はとある脅威に晒されていた。その名はファプタ。「成れ果ての姫」、「価値の化身」とも呼ばれる彼女は村を憎んでおり、成れ果てたちを根絶やしにすることを望んでいた。その理由には村の成り立ちが大きく関わっていた。

 

アビスに挑み、進むことを諦めた成れ果てたち

かつて、アビスが開拓されておらず、オースの街もできる以前のこと。「ワズキャン」、「ベラフ」、「ヴエロエルコ」の率いる冒険チーム「ガンジャ隊」は、アビスの底に眠るといわれる黄金郷を目指していた。彼らに道案内として同行していた現地民の女の子「イルミューイ」こそ、後に成れ果ての村を産み、ファプタの母となる存在だった。

リーダーであるワズキャンの類まれなる統率力で深界6層までたどり着いたガンジャ隊。しかし、真水に擬態する寄生生物「水もどき」に侵されたことで、隊は進むことも戻ることも叶わない状況に陥ってしまう。

食料の調達もままならなくなり、次々と倒れていく仲間たち。それを見かねたワズキャンは6層で発見した願いを叶える遺物「欲望の揺籃」を、水もどきの影響で衰弱していたイルミューイに使うことを提案する。

願いを叶えるには雑多で複雑な思考を持つ成体ではなく、混じりけのない幼体である必要があった。目論見通り、イルミューイの体は遺物と適合。水もどきの症状から回復すると同時に、ある大きな変化が現れる。それは生まれつき子供を産めない体だったイルミューイが出産できるようになったこと。しかし、彼女の産み落としたそれは人間の形をしていなかった。

遺物の力で産まれた歪な命は翌日には死んでしまうほどに脆いもの。イルミューイは毎日のように子供を産んでは、毎日のように我が子を失い嘆き悲しむことになってしまう。そんなイルミューイの姿に、彼女の面倒をみていたヴエルエルコは決定的な間違いを犯してしまったのだと思い詰めるようになっていた。

 
悪夢が終わることはなかった。ヴエルエルコが水もどきの症状で意識を失っている間、ワズキャンはイルミューイの子供たちを食料にすることを思いつきそれを実行。さらに水もどきの症状が生きている子供を食べることで緩和できることまで発見してしまう。

産まれたばかりの子供たちが食料として消費されていく日々。イルミューイの体は遺物の力で変形が進んでおり、その頃になると泣き叫ぶことすらできない塊と化していた。

ガンジャ隊を生かすイルミューイの力をさらに強めるため、ワズキャンはふたつ目の遺物を彼女に与える。その結果、イルミューイは周囲の生物を取り込み、その価値に見合った姿を与える存在へと変化していった。イルぶるとは、イルミューイが遺物の力で成れ果てた存在だった。

村となったイルミューイは3つ目の遺物を使い、密かに最後の子供を産み落としていた。彼女こそ、後にファプタと呼ばれる成れ果ての姫にして価値の化身。ファプタは産まれたときからイルミューイのある記憶を受け継いでいた。それは子供たちを奪われ、食料にされ、醜い村にさせられたガンジャ隊への憎悪の記憶だった。

 

愛を知った成れ果ての姫の選択とは

子供たちの復讐という母の願いを叶えるために村を襲撃するファプタ。しかし、イルミューイはただガンジャ隊を恨んでいただけではなかった。母親のように慕っていたヴエルエルコの存在など、そこには楽しい思い出も確かに存在していた。イルミューイの真の願いは村に囚われたガンジャ隊を開放すること。密かに生き続けていたヴエルエルコからすべてを聞いたリコたちは、そのことを伝えるためファプタに必死の説得を試みる。

リコは遺物の力を開放できる白笛として完成したプルシュカを奏で、レグの潜在能力を引き出せるようになってた。しかし、憎悪で暴走するファプタを止めるには僅かに力が及ばない。

そんな時、かつてのイルミューイの仲間であるベラフが現れ、自分自身を食わせることでファプタに過去の出来ごとを伝えていく。その後も続々と集まり、ファプタに自分から食われていく他の成れ果てたち。皆、イルミューイの子供を食べて生きながらえたことを後悔しており、贖罪の機会を求めていた。

成れ果てたちを記憶を継いだことでイルミューイの真意を理解したファプタは、すべての力で村を消し去ることを選択。僅かに残った成れ果てたちも、村の崩壊と共にアビスへと還っていくことになる。

最後に残ったのは、リコ、レグ、ナナチ、プルシュカ、メイニャ、そしてファプタだけ。レグはファプタを探窟のメンバーに誘うが、彼女はその申し出を保留にする。これまで記憶の中だけの憎悪に支配されていたファプタは、自分の目で見て、手足で触れて、憧れを集めるため、犠牲になった成れ果てたちに別れを告げて旅立っていくのだった。

 

ハウアーユードコカ:大穴の街「オース」で進行中のもうひとつの物語

コミックス第6巻に収録された、大穴の街「オース」を舞台とした外伝(全3話)。主にリコたちがアビスの底を目指している頃の物語で、リコの孤児院での友達「シギー」、「ナット」、「キユイ」や、探窟家の先輩「ジルオ」など、残されてきた面々が久々に登場。地上で起こっていたとある奇妙な出来事にまつわる内容となっている。

オースの街では、“誕生日を迎えたら死ぬ”という噂が広まっていた。実際、住民の多くが誕生日に命を落としており、街のいたるところでは、葬式にも用いられるトコシエコウ(不屈の花)の花びらが巻かれていた。そんな時、誕生日を間近に控えていたキユイが原因不明の高熱で倒れてしまう。

キユイを診察したのは、オースの外からやってきたキャラバンで薬師をしていた女性「ミオ」。彼女は治療のためにキユイをキャラバンの船に連れていくが、キユイは治療らしい治療を始める前に“熱が出ていたことが不思議なくらい”まで回復してしまう。

キユイの原因不明の症状を訝しむミオ。回復したのは、アビスのある孤島から離れてキャラバンの船に乗って間もなくのこと。まるで“呪いやまじないの類”のような理不尽さから、ミオはアビスの奈落を回想する。

深界六層「還らずの都」。レグが「成れ果ての姫」ファプタと再開を果たし、「成れ果ての村」イルぶるに帰還しようとしていた頃。レグは上層から降り注ぐ夥しい量のトコシエコウ(不屈の花)の花びらと、オースの街で暮らしていた人々や、孤児院の子供たちの名前が書かれたプレートを目撃する。アビスやオースでなにかが起こっている。恐ろしい予感を覚えながらも、レグは自分の冒険へと戻っていくのだった。

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