『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』前章-TAKE OFF- レビュー|20代が感じた素直な気持ちーー重厚なストーリーが現代だからこそ心に響く!
『宇宙戦艦ヤマト』シリーズは1974年から放送された大人気アニメ作品です。2013年には『宇宙戦艦ヤマト2199』、2017年に『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』がリメイクされた新シリーズがTVアニメ放送されました。そして現在、『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』前章-TAKE OFF-が映画館で絶賛上映中です。
放送終了の1975年から約半世紀経っても根強い人気がある『宇宙戦艦ヤマト』。長年愛されている理由は話の奥深さにあると思います。
本記事では『宇宙戦艦ヤマト 2205 新たなる旅立ち』を『宇宙戦艦ヤマト2202』の時の古代進くんと同じ歳の24歳の私が感じたことを作品レビューを通してお伝えさせていただきます。ファン歴も浅くおこがましいことは承知ですが、『宇宙戦艦ヤマト』のストーリーは人を成長させてくれるなと思うことが多くて好きな作品の1つなのです!
なぜ昭和生まれではない24歳の女性が『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに興味をもったのかと疑問に思う方もいることでしょう。そう、私は旧作は見たことなく名前とあの有名な歌しか数年前まで知りませんでした。観るきっかけをくださったのは、古代進役の小野大輔さんです。私は『進撃の巨人』のエルヴィン・スミス役で小野さんを知り、『宇宙戦艦ヤマト』も見るようになりました。しかし、見進めるうちに『宇宙戦艦ヤマト』の話の奥深さのほうに魅了されていくのにも気づきました。
そして、今回の『宇宙戦艦ヤマト 2205 新たなる旅立ち』では6年分の経験をした古代くんたちの物語が描かれています。成長した姿でありつつ新たな立場で揺れ動くキャラクターたちを見て、「だから『宇宙戦艦ヤマト』長年愛されているのだな」と改めて思いました。
前段が長くなりましたが、ここからは『宇宙戦艦ヤマト 2205 新たなる旅立ち』を観た私が改めて魅力をレビューさせていただきます。
長年楽しめる魅力① 古代くんなどの素敵な大人たち
古代くんは27歳で艦長になっているのですが……27歳で艦長務めるというのは並の精神力ではできないですよね。私ならあと3年後……皆の指揮を取るなどは到底想像できません。もちろん古代くんはこれまでの宇宙での出来事、前任沖田艦長との会話があって今に至るのですが。
『2199』の時に比べ、艦長の立場で物事を述べる影響を考える慎重さと土門くんへの心構えに余裕がある、古代くん。果たして私はそこまで大人に成長できるだろうかと思いつつも、素敵な大人を意識することで数年後の自分あり方を見つめ直し近づくことはできるのではないかなと考えました。
大学を卒業しまだ社会人1年目の私は社会経験と呼べるものはないですが、社会的立場と大人の心の余裕を学ばせてもらいました。
長年楽しめる魅力② 10年後また見たら、見える角度が変わるはず!
『宇宙戦艦ヤマト』の良さは長い人生で何度も見方が変わる作品だと思います。特に旧作を幼少期に見ていた方は同じ作品の中で感じとるものが違うのではないでしょうか。
土門くんにアグレッシブさを感じ、古代くんが大人に見えている私でも、きっと10年後は違く見えるはずです。力が入り過ぎずあらゆることに対応できるようになっていれば、もしかしたら古代くんの若さに気がつく日もあるのかなと思います。
ヤマトがガミラス星などを助けにいくシーンで、直接的な説明をしなくても古代くんたちのこれからの行動を察した上官たち。自らの経験と後輩たちの志を間近で観ているからわかる阿吽の呼吸。昔の自分とも重ね合わせて後輩の心が理解できる素敵な大人たちですね。私も後輩たちの行動を優しく見守る余裕は持てるようになるのでしょうか。
そう考えていると、見え方が変わるから何度も繰り返して観るのが面白いのだなと思います。だから時代を越えて愛される作品なのだろうなと思います。10年後、私の目にはどう映るのかが楽しみです。