『メガトン級ムサシ』レベルファイブ代表取締役社長・日野晃博さんインタビュー|往年のロボットアニメをリスペクトしながら現代に! 語り継がれる衝撃的な展開でお茶の間も唖然!?
衝撃のラストシーン
ーー昔のアニメに影響された部分もあるとおっしゃっていましたが、壮大なストーリーはどのように作っていきましたか?
日野:作るのに時間がかかってしまいましたが、ヒーローが悪を倒していくのが基本のストーリーです。でも、昔のロボットアニメもそうですが、悪いやつが悪いことをする理由があって、それを若者たちが正しいことなのかを考えるんですよね。
ここはちょっと悩ましい部分ではあるんですが、ヒーロー像を描きながらも善と悪が逆転してしまう可能性があるんです。考え方によっては悪は善にもなりうる。“ロボットもの”のたくさんの作品が、敵には敵の事情があって見方によってはそれが正しいことなのかもしれないっていう表現をしていますよね。
『メガトン級ムサシ』も若者たちがそれを考えていくんですが、後半になると敵側の事情も少しずつわかってきて、彼らは全くの悪と言って良いのか? ということをみんなで考えるような物語になっています。
そこで、アーシェムというヒロインが実は敵側で、彼女が取る行動がこの物語の大きな軸になっていくんです。敵軍の事情と地球の正義として戦う若者たちの事情とを主人公たちは知ることになります。
その時に若者たちが悩んだりする部分があって、それが今回の重要なキモですね。物語の後半はかなり視聴者も悩んでしまうんじゃないかな。
そういう局面になると作品を見ながらみんなで考察や議論もできると思いますよ。この選択が良かったのか、主人公たちの行動について考えてみるのもいいかと思います。
ーーなるほど。
日野:ちょっとネタバレなんですが、第1クール目ラストは「マジか!うそだろ!?」ってなるかもしれません(笑)。人が死ぬとかそういうのではないんですが、かなり攻めた展開になっています。
あまりにも意外なラストが待っていて、すぐにでも先が見たくなる展開になっているはずです!
皆が見て、「これはどうなんだ」とぶつかり合うと思うんです。「これは良い!」っていう人と「ダメだこんなことしちゃ」って分かれると思いますが、それをちょっと見てみたい(笑)。
ーー社内でもいろんな議論が起こったと思いますが、それでも突き通したということですからね。
日野:作品を見ていないまま語られても「何だそれ?」って感じでしょうけど、その展開も「人間愛」を表現するために必要なものでした。善が悪を倒すっていう仕組みはあるけど、それが許されてしまうと善も悪も無くなってしまう。そういう「人間愛」みたいなものの片鱗を表現しているので、そこを皆さんに考えてほしいですね。
そういう問が自然に入ってくるように作っています。知っていると「なるほど、これか~」と感じるはずです。決して意外などんでん返し! みたいなことではなく、驚かされつつも、理屈は自然に入ってくると思います。「これはどうなんだろう」っていう仕掛けがあって、ぜひ楽しみのひとつにしてほしいですね。