
『ラブライブ!』で漠然とした憧れを抱いた声優業。父を説得したデビュー前から悔しいことだらけのデビュー後まで――『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』水沢愛佳役・増田里紅さん インタビュー【前編】
声優を目指すまでの道のり。そこに立ちふさがる父――
――趣味としてアニメも挙げられています。
増田:はい! 特に『ONE PIECE』は家族全員が好きということもあって特別な作品です。最初に観たのは小学3年生くらいで、父親が借りてきたDVDを最初から観たらハマってしまって。TV放送に追いついてからは次回が気になり過ぎて、録り貯めて一気に観るようになったくらいなんです。
――あれだけの大作を最初から観るなんて、余程ハマったんですね。
増田:一番好きなシーンは(アラバスタ編の)ビビとの別れで、本当に感動しました。面白かったのは(ウォーターセブン編で)フランキーがパンツを奪われて、そのまま船に乗るところです!
――声優というお仕事を知ったのは、やはりアニメがきっかけなのでしょうか。
増田:そうですね。中学生から深夜アニメを観るようになったのは大きいと思います。特に、『ラブライブ!』のライブ映像を見た時は「声優さんってこんなことも出来るんだ!」と感動して。そこから漠然と声優に憧れを抱くようになりました。
声優という職業は「何にでもなれる」ということが魅力的で、男の子にも、動物にも、妖精にもなれます。そこがすごく面白そうだと思いましたし、魅力を感じたところです。
――オーディションに至るまではどのような道のりでしたか?
増田:本当は、高校を卒業したら大学に行くつもりでしたが、ふとした瞬間に「大学で勉強したいことがない」と思ったんです。勉強が大嫌いという部分もありますが(笑)。そんな中、塾の休憩中だったかな? スマホをいじっていたらヒューマンアカデミーさんの広告を発見して、勢いのままにパンフレットを取り寄せました。でも、それを父に報告したら激怒されまして(笑)。
――なるほど……。
増田:すでに塾のお金とかを払ってもらっていたので、私自身、すごく申し訳ない気持ちでしたね。でも、そこで従兄弟のお母さんが一緒に父を説得してくれて、私も本気で声優になりたいと伝えたら入学させてもらえました。それから入学をし、「スマイルオーディション」に受かり、今に至ります。
――お父様を説得できた決定打は?
増田:最後は泣き落としです(笑)。
一同:(笑)
増田:でも、涙は自然と出ました。真面目な話、これまで家族に涙を見せたことがなかったので、そういったところで熱意が伝わったのかもしれないです。申し訳ないとは思いつつ、入学出来て本当に良かったと思いました。
――入学して『プラオレ!』で早々に役を掴み取ったわけですが、それについてお父様はなにか仰っていましたか?
増田:「お前は本当に運が良いよな」と言われました(笑)。でも、「自慢だよ」と褒めてもらえました。
――素敵ですね。ではお父様もアニメやYouTubeの出演動画などチェックされているんじゃないですか?
増田:見ています。でも、恥ずかしいので私の前では見てほしくはありません(笑)。