長かったような短かったようなオンエアまで――『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』水沢愛佳役・増田里紅さんインタビュー【後編】│先輩に助けられたアフレコ現場の様子は?
アフレコを重ねる毎に自分自身の成長を実感
――増田さんからご覧になった愛佳の第一印象を教えてください。
増田:最初にイラストを見た時は明るくムードメーカーという印象を受けました。でも、実際にアフレコが始まると、元気だけど押し付けがましくない、人に寄り添う「明るい」なんだと少しずつ印象が変わりました。
――たしかに、ただ明るいだけではないですよね。
増田:幼馴染の(小野)真美ちゃんも明るいキャラクターなんですけど、彼女の明るさには上品さがあるんです。それに対して、愛佳の明るさはストレートだと思っていて。お互いベクトルの違う明るさを持っているからこそ惹かれ合ったんだろうな、なんてひとりで考察したりもします。
オーディションの時はぼんやりと「明るい子なんだろうな」くらいでしたが、アフレコをしていくうちにどんどん役を掴んだ実感が湧いてきて。自分自身の成長を実感できた瞬間でもありました。
――先ほど人に寄り添う「明るい」と仰っていましたが、そのニュアンスを役に落とし込むのはとても大変そうです。
増田:私も最初は全然出来なかったです。セリフの頭でボンといってしまうと言いますか。ボールで例えると、受け取る相手のことを思いやってふわっとした球を投げたいのに、ビュンと速い球を投げてしまうみたいな。でも、アフレコが進む中で相手の感情に寄り添った、愛佳としてのセリフを掴めるようになりました。
――なるほど。ほかに演じる上で意識したことはありますか?
増田:以前、セリフ一行の中に何個も感情があると言われたことがあります。その話を聞いてからはただ台本を読み込むのではなく、キャラクターが今考えていることをより意識するようになりました。
――スタッフ陣からは現場ではどのようなディレクションがあったのでしょうか。
増田:テストの時、最初に自分のイメージのまま演じて、その後に音響監督さんが直接ディレクションしてくださることがありましたが、その際、私が持って行った解釈が違うところがいくつかあって。その指摘に納得することばかりでしたし、すごく的確でわかりやすかったです。
先輩の包容力に助けられたアフレコ
――このインタビューが掲載される頃は、すでに第6話まで放送されていると思います。第6話までを振り返っていただいて印象的なシーンを教えてください。
増田:やっぱりビクトリーダンスでしょうか。「ハレ、のちドリーミンぐっ!○」(『プラオレ!』劇中歌)や「ファイオー・ファイト!」(『プラオレ!』OPテーマ曲)とはちょっとテイストが異なるかっこいい曲が使われていて、個人的にはすごく(清瀬)優を感じる曲だと思います。
ほかに印象的なシーンは、優が加入するところです。(松永)羊子さんのちょっと強引で、張り切っている感じが出ていてすごく好きです(笑)。
――強引過ぎないところも良かったですよね。
増田:強引だけど、ちゃんと優に寄り添いながら勧誘していたので良いコーチだなと思いました。
あとは、やっぱり3話の(小野)真美との別れです。
――とても感動するお話でした。これまで見ることのなかった愛佳の一面を見れたかと思いますが、演じる上ではいかがでしたか?
増田:演じる上ではすごく難しかったです。どれほど感情を出していいのかがわからなくて。でも、アフレコの前にレッスンする際、よっしー先輩(小野真美役・青山吉能さん)がいらっしゃったので、そこで調整することが出来ました。そういう意味でもすごくいい現場だなと思います。
――アフレコ中の印象的なエピソードを教えてください。
増田:アフレコ現場にはマイクが4本あったんですけど、毎回、両端に先輩が立っていてくれてすごく頼もしかったです!
先輩方が隣にいると、すごく落ち着くんです! 安心感のようなものを放ってくれていると言いますか。特に、もりりんの包容力がすごかったです。アフレコブースでちょっとお話することがあったんですけど、まさにママでした。それか大天使(笑)。
――(笑)
増田:大天使もりエル様と、さとみん(清瀬優役・本郷里実さん)と一緒に呼んだりしました(笑)。あとよっぴー先輩はアフレコ前によくご飯を食べているんですけど、その食べている姿が私たちをすごく和ませてくれて。そんな安心感を与えてくれる先輩たちです。