【映画化決定!】あの日、幕張は「佐賀」になりましたーー MAPPAが手掛ける”アイドルアニメ”界の風雲児『ゾンビランドサガ』の魅力を考察!
2021年10月某日。東京幕張メッセは佐賀になりました。
オリジナルTVアニメ『ゾンビランドサガ』から生まれたアイドルグループである「フランシュシュ」。彼女たちの幕張ライブによって、会場は佐賀になったのです。
意味がわからないって? この記事を読めばその意味が理解できるかもしれません。2018年に第1シリーズが放送、20年には第2シリーズ、そして今年10月に映画化を発表した”アイドルアニメ”界の風雲児『ゾンビランドサガ』。
本稿では『ゾンビランドサガ』が一体どんなアニメだったのか、そしてこのアイドルアニメ戦国時代の今、我々にインパクトを与えた要因を考察!
あなたも『ゾンビランドサガ』が見たくなる、もっと好きになること間違いなし!
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— ゾンビランドサガ リベンジ_TVアニメ公式 (@zombielandsaga) October 17, 2021
「#ゾンビランドサガ」映画化決定!
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PV『ゾンビなき戦い 佐賀復讐篇』公開!
出演:白竜 村井國夫
復讐のその先へ。 pic.twitter.com/J8xZtw1UmJ
目次
- 『ゾンビランドサガ』ってどういうアニメなの?
- 「アイドルアニメ」としての位置づけ
- 『ゾンビランドサガ』の圧倒的“個性”
- アニメ外のコラボやライブもすごい!
- 細かいこと考えず『ゾンビランドサガ』を観るんじゃ~い!
- 魅力たっぷりの『ゾンビランドサガ』、皆さんも映画に追いつこう!
『ゾンビランドサガ』ってどういうアニメなの?
ゾンビ、アイドル、サスペンス、ギャグ、バイオレンス……。
本作には多くの要素が含まれています。故に「どういうアニメなの?」と尋ねられた際にどこから説明したら良いかわからない! と感じてしまう方もいるかと思います。
まずは、ストーリーを軸にした『ゾンビランドサガ』の概要と、他のアイドルアニメ作品とは違う本作の特色を考えていきます。
この作品を一言で表すとすれば“復讐の物語”です。
死んでしまった少女たち一人ひとりの、巽幸太郎という漢の、佐賀という地の、そして「フランシュシュ」というアイドルグループの復讐と成長の記録が『ゾンビランドサガ』なのです。それは、第2期のタイトルが『ゾンビランドサガ リベンジ』となっていることからもわかりますね。
キーになるのは巽幸太郎というキャラクターです。彼は過去に若くして亡くなった7人の少女たちを“謎の技術”を使ってゾンビとして現世に蘇らせます。
そして7人組アイドルグループである「フランシュシュ」を結成。ローカルアイドルブームが下火になってしまった時代に逆らうように「佐賀」を彼女たちの力を使って有名にし、“佐賀を謎の危機から救う事が目的です。
なし崩し的にアイドルになってしまった少女たちですが、彼女らは生前に優れた才能を持っていながらも、志半ばで息絶えてしまった伝説の女たちでした。はじめは乗り気ではなかった彼女たちもアイドル活動を通して人生のリベンジに前向きになっていきます。
キャラクター達が目的に向かって少しづつ進んでいく姿を軸に、ギャグや巽を中心としたゾンビ・謎の危機などの伏線回収・サスペンス要素、アイドルアニメならではの劇中楽曲など多くの要素が盛り込まれ、見るものすべてを魅了する超娯楽アニメーションになっています。
「アイドルアニメ」としての位置づけ
数々の名作が存在する「アイドルアニメ」というジャンル。この中で『ゾンビランドサガ』はどのような位置づけにあるのでしょうか?
「アイドルアニメ」を語る上で欠かせない作品が『THE IDOLM@STER(アイマス)』という作品です。2005年にアーケードで稼働されたゲームから始まり、現在でも数々のメディアミックス展開を行っています。
2011年にはTVアニメも放送され、「アイドルアニメ」ブームの火付け役になりました。そのヒットの要因として「アイドルを育成する」という特徴が挙げられます。
当時の日本では「会いに行けるアイドル」をコンセプトとしたAKB48などのグループが流行していました。アイドルの魅力が、手の届かないキラキラしたものから、身近で応援できる女の子という親近感がある存在へと変化した時代とも言えるでしょう。
そんな時代性も相まってか、『アイマス』は育成要素を追加することで、キャラクター達に親近感をもたせることに成功したのです。
また、10代を中心にブームを起こした作品に『ラブライブ!』が挙げられます。
この作品は、学校の部活でアイドル活動をする主人公たちの姿を描いており、『アイマス』で実現したアイドルが身近な存在であることの設定を引き継いでいます。
それに加えて『ラブライブ!』は育成ではなく、部活動のメンバー達が自分たちで成長していく過程が描かれています。
少女たちが自らの創意工夫によってアイドルとして実力をつけていき、人気者になっていく。まるで現代の女性たちのような、少女たちの「自立性」を描いています。
そして『ゾンビランドサガ』はその身近であることと、自立性の2つを受け継いだ作品になっています。第1シリーズで巽幸太郎は「フランシュシュ」のメンバー達に課題を与え、アイドルとして強く生き抜ける力をつけました。
第2シリーズでは、とある事情で行動不能になってしまった巽に変わって、メンバー達がしっかりと自立し「フランシュシュ」に訪れた危機に向かって立ち向かう姿が描かれています。
『ゾンビランドサガ』は先の名作たちが生み出した革新や特徴をしっかりと引き継いだ正統派「アイドルアニメ」としての側面も持つ作品だと言えるでしょう。