【ネタバレあり】TVアニメ『マブラヴ オルタネイティヴ』榊󠄀千鶴役 伊藤美来さん×彩峰慧役 佐伯伊織さんインタビュー前編｜第8話で千鶴と慧に訪れる試練、それぞれの思いを込めた熱演【連載 vol.08】

千鶴と慧に訪れる試練！それぞれの思いを込めた熱演について聞く

――第8話はいかがでしたか？　お二人にとっても大変な回だったと思います。

伊藤：千鶴が前半で、お父さんがクーデターで殺されてしまったという事実を知らされるんですけど、それでもやっぱり千鶴的に、みんなの前では弱さを見せたくないという気持ちがあって、わんわん泣いたりするような子ではないんです。「受け止めなきゃ！　受け止めなきゃ！」って心の中では必死だけど、それを表に出さないようにしている感じが、演じていても苦しかったです。

――辛いですよね。

伊藤：千鶴的にはコンプレックスもあったと思うんです。内閣総理大臣のお父さんがいて、自分は大変なところから逃れることはできたはずだけどそれは違うと。自分の意志で軍隊に入ってきているところもあるんです。お父さんへのコンプレックスはあったけど、それでも家族だから悲しいという気持ちはやはりあって……。

でも最後に武に「大丈夫なのか？」と声をかけてもらったときは、やっぱり千鶴もまだ若いし、お父さんとの思い出もあるだろうし、私的には「私にはもう、心配しなければならない人はいない…」は千鶴の強い意思を持った言葉だと感じていたけど、半分は悲しい、吹っ切れていない思いもあるんですよね。でも一つの決意をするというか、ここからは本当に自分ひとりでやっていかないといけない、家族も頼っていられないという気持ちが固まったシーンだったのかなと思います。

――覚悟はあったけど、実際に父の死に直面して平常心ではいられないはずですからね。

伊藤：このあともお父さんの話が出たときに揺れているところがあったので、完全に吹っ切れるほど強い軍人にはなれていないというか、一人の女の子として、お父さんを思う気持ちはちゃんとあるのかなと思いました。

――そういう思いを大事にして、演じていたんですね。

伊藤：みんなの前では全然平気ですと強く言っているけど、お父さんを思う気持ちは忘れずにと思いながら言っていました。

――でも、武はよくストレートに聞けるよなと驚きました。「気の毒だったな」は、なかなか言えないですよ。

伊藤：そこが武のいいところでもあり……なんですよね。

――あそこで距離を置かずに踏み込んでいけるところがいいんでしょうね。

佐伯：でも、千鶴はいい子ですよね。

伊藤：そう！　ちょっと厳しそうには見えるんですけど、いつも隊のことを考えているし、日本のことも考えているし。

佐伯：任務中だから「分隊長は私がやるわ」って……。

伊藤：ほんとに！　泣いていいのよって思いました。

佐伯：私も思っちゃいました。

――彩峰慧はどうでしたか？　7話の最後で、手紙のことが武に知られるシーンで終わりました。差出人はクーデターの首謀者である沙霧尚哉という。

佐伯：慧はその問題をひとりでずっと抱えていたんですけど、そこに武が関与してくるというところで、初めて慧が自分のことを話すシーンだったんです。慧的には、自分の問題だし、手紙の中身は見ていないけど、見ていいのか悪いのか、差出人からして、大体こういうことが書いてあるんだろうなと想像をしていただろうけど、ずっと見てはいなかった。この手紙と向き合っていくかどうかを悩んでいて、ひとりで抱えていたところに武がぶっこんでくるんですよ(笑)。

――どんどん踏み込んでいくのが武ですからね。

佐伯：でも、武がこれを言ってくれなければ、慧は誰にも頼ることができなかったんじゃないかなって。仲間という意識もこの時点ではまだ薄くて、仲間に頼ることを知らなかった慧が人を頼る大事なシーンだったのかなと思いました。

あと、慧のお父さんの話では、そのお父さんが民のためにやったことが偏見報道をされてしまったんですけど、現代社会でもよくあることですよね。広くいろんな人から見える事象と、その当事者ではまったく違うことって。そういうところが浮き彫りにされて、慧も大変だったんだろうなというのは見えましたし、ここで初めて感情を出して、普段は当たり障りもなく接していた慧が初めて弱いところを見せるんです。そこは切ないシーンだなと思いました。

――印象的なセリフはありますか？

佐伯：「人は国のためにできる事をなすべきである。そして国は人のためにできる事を成すべきである」というお父さんが言っていたセリフですかね。このセリフは今後も重要な言葉になってくると思うので、覚えておいてほしいです。この言葉で人がどう感じるかはそれぞれで違うと思うし、そのすれ違いで起こったのがクーデターだったりするのかなと思ったら、人って難しいなと思いました。

――本当に、それぞれの信念みたいなものを考えると、実際に有り得そうなクーデターなんですよね。

佐伯：それぞれがそれぞれの信念を持っているからこそ、誰も責められないというか。

伊藤：何が悪で何が正義なのか、それがわからないんですよね。

――みんなが日本のことを思っているだけだったんですけど、武だけはそれどころではないと思っていたんでしょうね。BETAのことがあるので。でも、武とのやり取りは多い回でしたね。

佐伯：武がみんなのことを知ってくれているというか、関わってくれるからストーリーが動くところはあると思いますし、武に救われているところはあると思います。

――では最後に、9話の見どころをお願いします。

佐伯：9話の見どころは戦術機の戦いかなと思います！　

伊藤：きっといっぱい動いていることだろうと思います。8話を経て、みんなが意思を固めて、しっかり守るぞというところですね。これまで試験とか模擬戦はやっていたけど、207B分隊で本格的に動くことになるので。

［文・塚越淳一］

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TVアニメ「マブラヴ オルタネイティヴ」作品情報　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

放送・配信情報

<放送>
フジテレビ
10月6日（水）より毎週水曜24:55から　※初回放送のみ 25:25～25:55
関西テレビ
10月7日（木）より毎週木曜25:55から
東海テレビ
10月9日（土）より毎週土曜25:45から
テレビ西日本
10月6日（水）より毎週木曜25:55から　※初回放送のみ 26:25～26:55
北海道文化放送
10月10日（日）より毎週日曜25:10から　※初回放送のみ 25:40～26:10
BSフジ
10月13日（水）より毎週水曜24:00から

<配信>
FODにて独占配信
10月6日（水）25時25分配信スタート　毎週水曜24時55分最新話配信

FOD ・ TVer ・ GYAO！
にて毎週1週間限定無料見逃配信
10月6日（水）25時55分配信スタート　毎週水曜日25時25分最新話配信

スタッフ

原作：吉宗鋼紀（âge）/ aNCHOR
監督：西本由紀夫　シリーズ構成：浦畑達彦　キャラクターデザイン：谷 拓也　サブキャラクターデザイン：つなきあき　プロップデザイン：星野浩一　アニメーションメカディレクター：大河広行　色彩設計：内林裕美　美術監督：内藤 健　美術設定：大平 司　撮影監督：荻原猛夫　CG監督：大矢和也　編集：丹 彩子　音楽：Evan Call 音響監督：本山 哲　アニメーション制作：FLAGSHIP LINE ゆめ太カンパニー×グラフィニカ

キャスト

白銀　武：神木孝⼀　鑑純夏：楠⽊ともり　御剣冥夜：奈波果林　榊千鶴：伊藤美来　彩峰慧：佐伯伊織　珠瀬壬姫：田中貴子　鎧衣美琴：Lynn ほか

マブラヴとは

「マブラヴ」は、ゲームブランド：âge(アージュ)が企画・製作した2003年発売の、シリーズ累計80万本を突破しているアドベンチャーゲーム。2006年発売の『マブラヴ オルタネイティヴ』と合わせてひとつの壮大なストーリーを成し、多くのシェアードワールドタイトルやメディアミックスを展開しているプロジェクトです。
待望のテレビアニメ「マブラヴ オルタネイティヴ」は、10月6日（水）より毎週水曜24:55からフジテレビ「＋Ultra」ほかにて放送予定。

イントロダクション

それは、極限の世界で戦う人々の絆の物語―この時空に存在する、無数の並行世界のひとつ。そこで人類は、戦術歩行戦闘機（戦術機）と呼ばれる人型兵器を駆り、人類に敵対的な地球外起源種「BETA」と数十年にわたる戦いを続けていた。滅亡の危機に追い詰められた人間たちが、過酷な運命の中でどのような生き様をみせていくのか―

主題歌

OP主題歌：V.W.P
「輪廻」

ED主題歌：STEREO DIVE FOUNDATION
「TRISTAR」

公式サイト
公式ツイッター（＠Muv_Luv_A_anime）