「学芸大青春」2ndアルバム『PUMP YOU UP!!』発売記念インタビュー!「テンション上げてこーぜ!」5人の熱が伝わる極上の仕上がりに
南優輝「そのときの感情で闘うからね(笑)」
――ここからは今回のアルバムの楽曲を一曲ずつ語っていただこうと思います。まずは2020年12月11日にリリースされて、今回の1曲目を飾った「Hit me !」から。
内田:歌っててキツいです!
一同:(笑)
内田:同じダンスミュージックでも「HOLD US DOWN」や「Hit the City!!」は、歌っているときは踊っていないんです。でも、「Hit me !」は歌って踊るので、「学芸大青春」の楽曲で初めて「苦しい」と思いましたね。
歌詞も重いじゃないですか。自分に重ねると「苦しんでいるときにどう跳ね返すか」みたいな“カラ元気感”みたいなものがあって。いろいろ「キツいなあ」と思いながらやっています。怒りや苦しみの感情は乗せやすくはあるんですけど、その分、ダンスが走って陽介に怒られます。「将綺、早いよ」って。
一同:(笑)
内田:で、歌も走って蓮に怒られます。
一同:(笑)
――内田さん走りがちなんですね(笑)。ほかの方はいかがですか?
南:今のほうがよりしっくり来ますね。出した当時も、そのときの自分に当てはめて歌ったんですけど、今のほうが悔しい思いだったり、悩んだりすることがより増えたので、思いが増しているというか。
「それでも負けねーし、俺らは前に進む」という気持ちがより乗るようになりました。この曲は俺らが活動していけばしていくほど、俺たち自身にも刺さるのかな、と思います。
星野:確かに。初心に戻ることができる曲だと思いました。「自分への怒り」という歌詞の通り、当時の気持ちを今一度思い出させてくれて。自分の気持ちが浮ついたときに聴くと、自分が頑張れていないことに対しての怒りだったりを考え直させてくれる曲ですね。
――曲調は激しいけれど、心に染み渡る楽曲ですよね。何度も聴いていくうちに好きになっていきました。中毒性があるというか。
星野:そう!僕も歌ってるうちに大好きになりました。クリエイターが韓国の方で。一番最初に曲をいただいた時は韓国語だったんですよ。僕はハングルが全然読めないので最初は楽曲の理解ができなくて。しかも最後にはオペラもあるし、「なんだこの曲!?」と驚きました。
仲川:僕はいまだに「なんでオペラ歌っているんだろう?」と思ってます。
一同:(笑)
――ライブだととても印象的でしたよ。
仲川:歌い方がまったく違うのでライブがけっこう難しくて(笑)。
――なるほど。相沢さんはいかがですか?
相沢:歌ったり、パフォーマンスをしていると、勝手に心の底から湧いてくるものがある楽曲ですね。この曲を歌うときは、何も考えずにそのときの感情に任せて歌うようにしています。
内田:スーパーサイヤ人と一緒だ。
南:そのときの感情で闘うからね(笑)。
相沢:ダンスも激しいし、曲の雰囲気や歌詞の意味も相まって、俺ら5人で「やってやる」感がすごく感じられる楽曲ですね。将綺が言っていたように、ライブでやるのは確かにキツい分、やり始めると気持ちが上がって、ライブのテンション感が歌に反映されるので、ライブ映えするな、と思います。
――そういう意味でも一曲目にピッタリということですね。続いては「HOLD US DOWN」。こちらはいかがでしょう?
南:初めて聴いたときに、めちゃくちゃカッコよくて、最高だなと思いました。学芸大青春で初だと思うんですけど、音サビっぽい曲で。パフォーマンスが楽しみだな、とワクワクしました。でも難しすぎて、レコーディングするうちに嫌いになりました。
一同:(笑)
内田:レコーディングあるあるだよな。一回嫌いになるって。
――嫌いになった壁をどうやって乗り越えるんですか?
南:何回も録音して、聴き直してます。6秒くらいの音声ファイルが120個くらい並ぶ、みたいな(笑)。ちょっと良かったものに○を付けたり、「これは頭の発音がいい」みたいなことを書いていったり。
――練習は家でやられるんですか?
南:家かスタジオかですね。
――家でやっているとほかの方の練習も聞こえているんですか?
南:聞こえるときは聞こえます。ラップより歌のほうが聞こえますね。ラップはあまり声を張らないので。
――練習中にほかの方が混ざる、みたいなことはあるんですか?
南:スタジオのときはありますよ(笑)。誰かがレコーディングの曲を歌っているときに、そのままもらって自分のパート練習をしたり。
内田:家の場合はちょっと気を遣いますね。めっちゃ集中してやっているところに行くと集中を切らしちゃうかもしれないので。でも、ちょっとゆるそうな表情をした時に混ざってます(笑)。
南:家で練習しているときは相談しに行くことが多いですね。「どっちがいいと思う?」と聴いてもらって、アドバイスしてもらったり。
――そういった積み重ねもあって完成したものということですね。続いては「Present Day」。相沢さんのソロ曲となっています。
内田:クリスマスだね。
南:そのプレゼントじゃねーよ!
相沢:ちょいちょい小ボケを挟むよな(笑)。曲のテーマは「時空や次元を超えて大切な人に会いに行く」です。それは2次元・3次元を行き来して活動している自分たちのコンセプトにも合っていると思いますし、歌詞の内容もいいなって。
曲調もファンクやハウス系だったので、最初にもらったときは相当難しいなと思って覚悟を決めました。実際に練習してみてもやっぱり難しくて、パートによっては後ろの音がすごく少なくなりますし、ベースをちゃんと聴いていないとうまくノレないところもたくさんあって。
自分の中で気持ちよく歌えるようになるまでひたすら練習しましたし、「どうやったら一番気持ちいいんだろう?」というのをたくさん探しました。「このフレーズはどう歌おうか?」みたいなところも考えましたし、準備の段階で自分なりにかなり考えて練習して作ったので苦労はしましたね。
――前回のソロ曲から、アレンジがより大人っぽく感じました。一年でここまで変わるのかと驚きました。
内田:なんかありましたね、多分。
相沢:ねーよ!……なくはないか。
内田:なくはないのかよ(笑)。
相沢:自分としても聴いたときに曲調が大人っぽくなったな、と感じました。そこは表現したいことのひとつとして意識しましたし、自分らしさも出しつつ楽しく歌えたらいいな、と思っていました。
――相沢さんだけソロ曲があると知ったときは、ほかの4人はいかがでしたか?
南:え、いいなー!って思いました。
内田:杉沢さん(「学芸大青春」プロデューサー)は優劣を付けるタイプじゃないので、ちゃんと考えがあってこういう構成になったんだろうな、と思いました。
南:確かに。「この曲はこういう内容だからこのふたりで」みたいな考えで作り上げているよね。
――なるほど。勉強になります。続いては「Hit the City!!」。ライブで披露した時(千秋楽にお邪魔していました)は本当に盛り上がってましたね。今の「学芸大青春」の代表曲のひとつになっていると思います。
内田:確かに、今一番聴かれている楽曲かもしれないです。
南:そうだね。サビのリズムもすごくキャッチ―だけど、個人的には勇仁の「Step into the club 響く爆音」から始まるラップ部分がサビなんじゃないか、と思うくらいテンションが上がるし、この曲のカッケーところだと思っています。
相沢:ありがと(笑)。
内田:いや、俺のAメロがサビだから。
星野:サビを取り合っている(笑)。
内田:俺のパートもビートを刻んでいるラップ調のAメロなんです。レコーディングのころから、ふたりがあの後ろの音で歌い上げるって、ライブが大変そう~と思いながら聴いていましたね。割といつもそつなくこなしている陽介もこの曲は苦労していたので、その辺の話が聞きたいですね。
――急に記者のような目線に(笑)。では星野さん、いかがでしょう?
星野:僕も勇仁のラップが好きですね。後ろで僕と優輝が踊っているんですけど、将綺のAメロから徐々にテンションが上がって、勇仁のところでガーンと最高潮に達して。その後に僕と蓮で少し落ち着かせるんですけど、それがめちゃくちゃ大変で。
内田:(テンションを)そのまま行きたいもんね。
星野:そのまま行きたいけど、(夜の街の)閑静な感じも出していかないと、と思ったので。その切り替えはいつも大変ですね。レコーディングのときもテンション感をコントロールするのが大変でした。
――今まではどちらかというとテンションを上げていく側でしたもんね。
星野:そうですね(笑)。それが2番でもあるので、「俺もみんなと行きたいのに……!」と思います。いまだに慣れない部分です。どこか客観視しているもうひとりの自分を用意しとかないとテンションが上がっちゃうし、上がってしまうと上ずって、ピッチも悪くなってしまうので、そのコントロールは今も大事にしているところです。
――落ち着く部分ということで今まであまり意識していませんでしたが、言われてみるととても難しいところですね。
星野:聴いている人からすると流れやすい部分かもしれないと僕も思います。でもそういった部分でも自分のこだわりがあるんだよ、ということを聴いている人に読み取ってもらえたら嬉しいですね。
蓮と相談して、1番と2番でもニュアンスを変えているんです。そういったところも注目してもらいたいです。
――そういった提案はどちらからされることが多いですか?
仲川:(星野さんの顔を見ながら)お互いにだよね。
星野:うん。お互いが違った見方の提案をしていて。蓮はやっぱりいろんな音楽を聴いて増やしてきた引き出しを使って提案してくれますし、自分は将綺が言っていたようにまっさらなので自分がやりたいと思ったことをそのまま出します。
仲川:Bメロは、プリプロでやったときに杉沢さんに“気持ち悪い声”と言われたんですよ。最近よく言われるんですよね。もちろん褒め言葉として言ってくれてるんですけど。
一同:(笑)
内田:“変態じみた凄さ”というかね。
仲川:「変な声が(前に)出るようにクセを付けて歌ってくれ」と言われていたんですけど、本番のときは、ふたりで話して、「曲全体を考えると逆にストレートで歌ったほうがいいね」という結論になりました。
ストレートに歌うのが苦手だったのでけっこう苦戦しましたね。レコーディングの順番が陽介の後だったので、陽介に合わせるのをすごく意識しました。最近はずっと陽介の後なので、陽介より陽介の歌い方を知っていると思います。
一同:(笑)
内田:ふたり一緒に録ったんじゃないか、と思えるくらいマジでシンクロしていますね。
星野:確かに、ライブもレコーディングも蓮が合わせてくれます。
南:蓮は今までもコーラスをいっぱいやっているもんね。
星野:僕にそこまでの技量がないので、逆だったらうまくいかないと思います。ライブのときも、僕がちょっとテンション上がり目にいくと、蓮はそれに合わせてテンションを上げてくれたりして。逆に「静かにいきたいんだな」と察知して静かに歌ってくれたりもして。すごいなあ、と思います。