「学芸大青春」2ndアルバム『PUMP YOU UP!!』発売記念インタビュー!「テンション上げてこーぜ!」5人の熱が伝わる極上の仕上がりに
“二次元と三次元を行き来する”ダンス&ボーカルグループ「学芸大青春(ガクゲイダイジュネス)」が2021年12月1日(水)に2ndアルバム『PUMP YOU UP!!』をリリースする。
1stアルバム『HERE WE ARE !』のリリースから約1年半。メンバーそれぞれのスキルアップはもちろんだが、楽曲性の変化を含めて、「学芸大青春」は大きく進化し、多岐にわたる変化を魅せた一枚に仕上がった。
今回、アニメイトタイムズは3rd LIVE TOUR「Hit your City!!」を終え、ニューアルバムの発売が迫る「学芸大青春」へインタビューを行なった。
なんと今回は生身の5人と初の対面インタビュー。
担当記者になって約2年越しとなる“初対面”に柄にもなく少し緊張しつつ、取材を行った。
俺たちはダンスミュージックでやっていく
――本日はよろしくお願いします。まず、『PUMP YOU UP!!』の前に先日の3rd LIVE TOUR「Hit your City!!」について聞かせて下さい。
南優輝さん(以下、南):めちゃくちゃ楽しかったです!! 大勢のお客さんの前でやらせてもらったのは今回がほぼ初めてだったので、今までのライブとは別物というか、「これが本当のライブなんだな」と思いました。とにかく喜びが大きかったです。
内田将綺さん(以下、内田):これまでも配信ライブなどはやっていましたが、初めて大勢のお客さんと対面してのパフォーマンスだったので、ある種の1stライブみたいな感覚がありました。
相沢勇仁(以下、相沢):「沢山のファンのみんなの前で歌いたい、ダンスしたい」という気持ちがずっとあったけれど、これまで中止や無観客になってしまっていたので、今回のライブにかける思いはめちゃくちゃ強かったです。
実際にステージに立って、ファンのみんなが目の前に見えて、そこで歌えたときの幸せが大きかったです。「今まで頑張ってきてよかったな」と思えましたし、またすぐにライブがしたいと思いました。
毎公演、最高のステージにしたいという思いを込めてパフォーマンスして、ツアーを完走することができたので、そういう意味でもいい経験になりました。今後の自分の活動の糧になった一か月間でした。
星野陽介(以下、星野):ひとつの夢が叶った瞬間でした。コロナ禍でライブもできず、ファンにも会えず、という状況が続いていて、叶えられたらいいな、と思っていたことを達成できた喜びがありました。
もちろんこれは自分ひとりだけの力ではなく、メンバー5人とスタッフのみなさんと一緒にひとつの目標に向かっていったから叶えることができた、自分たちで掴むことができた結果なのかな、と思います。
仲川蓮(以下、中川):僕、正直あまりライブのときのことを覚えていないんですよ。
内田:公演終わるたびにそれ言ってたよな(笑)。
仲川:楽しすぎてというか、アドレナリンが出すぎて全然覚えていないというか。記憶がなくなるくらい全力でやりました。
内田:メンタルがロックバンドのそれなんよ(笑)。
――あはは(笑)では、『PUMP YOU UP!!』について聞かせて下さい。タイトルの『PUMP YOU UP!!』はどういった想いで付けたものなんでしょうか?
南:「難しい世の中で、みんなイヤなこと、苦しいことがいっぱいあると思うけど、俺たちがアゲてくぜ!」という思いと、「俺たちもこれでアガっていく!」という意味が込められています。
星野:ざっくり言うと「テンション上げてこーぜ!」と。
内田:冒頭からダンスミュージックの応酬ですもん。
南:「俺たちはダンスミュージックでやっていく」という意志提示でもあります。「HERE WE ARE !」と比べてみても、「ノッてけ!」みたいなダンスをより推している面がありますね。
――なるほど。タイトル通り、楽曲の雰囲気もガラッと変わりましたよね。J-POPっぽさが中軸にあった前作『HERE WE ARE !』とはかなり音楽の方向性が変わったように感じました。
南:ええ。1stアルバム「HERE WE ARE !」が終わったときに、「次はもっとヒップホップとかダンスミュージックが強めの音楽で行く」と今後の方向性についてプロデューサーから話がありました。
そこから「Hit me !」や「HOLD US DOWN」「Hit the City!!」という新しい路線に突入しています。でも今回のアルバム収録曲の中には、K-POPやJ-POPテイストの楽曲もありますよ。
ただ、全体を通して前作を制作した頃と比べると、曲調の幅が大きくて、みんな苦戦したんじゃないかなと思います。
――特に一番苦戦していたのは誰でしたか?
一同:う~ん、誰だろう?
星野:いつもは本当に死に物狂いだったんですけど、今回はすごく楽しんでレコーディングができた記憶があります。今回担当した曲が、自分がよく聴いていたJ-POPの要素があったからなのかな、と思います。
内田:それで言うと苦戦したのは俺ですかね……。K-POP的な曲はもちろん聴いてはいましたけど、あまり自分は歌うイメージは持っていなかったので。例えばトレーニングをするときも、「HOLD US DOWN」みたいな楽曲をバキバキに流して、鏡の自分とにらみ合いする、みたいな感じ(笑)。
でも、「こういう曲歌いてえ~」みたいに、あまり自分を限定してこなかったのも事実で、K-POPのような曲のジャンルにおいての上手さ、すごさはどういうものだろう? というのは追及しました。なにをもって上手い、というのかすごく考えましたし、今でも考え続けています。
――初期の楽曲では内田さんが声を張るソロパートが多かったように思いますが、現在の楽曲では中音で聴かせる感じがあります。
内田:そうなんですよ。めっちゃ抑えています。正直、最初は歌いにくさがありましたし、俺の良さがちゃんと出ているかも不安でした。ここが自分であるべきなのかは今もずっと考えています。
――なるほど。仲川さんはいかがですか?
仲川:僕は作曲に役立てるためにいろいろなジャンルを普段から聴いてきていたので、そういう意味ではあまり苦戦はしなかったです。
――仲川さんは今回もコーラスが多めでした。
仲川:みんなが歌ったものに合わせていくのを頑張りましたね。
星野:僕は曲をいただくと、引き出しが少ないから、まずイメージを作らないといけないんです。でも多分、蓮とかはいろいろな曲を聴いてきているから、すぐにイメージができているんですよね。どんな曲が来ても、自分なりにイメージして「こういう歌い方かな」という作業が3人は上手いんだと思います。見習いたいところです。
内田:なるほど。だからこそ俺は逆に苦労するのかもしれません。先行イメージが強すぎちゃって。その点、陽介は真っ白なので、自分が思ったものがそのまま形になるというか。
――実際の仕上がりを聴いてみると、内田さんと星野さんのボーカルが相性抜群なので、ここから更に成長していくのが楽しみですね。では、今の路線の音楽が一番ハマっている...相沢さんにもお聞きしたいです。最近、特に持ち前のエロさが出てますね。
相沢:ありがとうございます(笑)。歌に関しては自分たちの楽曲の変化を楽しみながらレコーディングできていたんですけど、ラップは苦戦しました。英語の歌詞が多くなってきていたので。
内田:帰国子女だしね。
相沢:ちげーよ!
(※本当に違います)
南:だとしたらなんで今まで隠してきた、って話だからね(笑)。
相沢:洋楽は元から聴いていたので、英語の歌を歌うことに抵抗はないというか、むしろ好きなんですけど、英語のラップをやることはあまりなかったので、練習するときから苦戦しました。発音を考えつつ、リズムやニュアンスも考えなきゃいけないのでかなり力を入れましたね。今回のアルバムで自分が一番苦戦したところというか、向き合ったところだと思います。
――英語のラップは韻の踏み方から違うので、難しいですよね。同じラップ担当の南さんはいかがですか?
南:僕はですね…。デュオ曲は割とすんなりやれたんですけど、アルバム全体を通して考えるとめちゃくちゃ苦労しました。今まで「学芸大青春」として活動してきた中で、一番自分のことを嫌いになったり、悩んだ時期がこのアルバムに入っています。
――そうなんですね。
南:ええ。「Hit me !」「HOLD US DOWN」「Hit the City!!」のあたりは自分の声というか、ラップにすごく悩んでいて、完成した音源を聴いても「嫌だ」と思うことが多かったです。僕の声は柔らかい、優しい声質なので、カッコいい曲を歌うのが難しいんですよね。
陽介と一緒で、曲をもらったときに最初にあまりイメージが沸かなかったので、カッコいい楽曲をたくさん聴いて真似をしたんですけど、声質を殺して、自分を残せていないモノマネにしかならなくて。「これだと俺がラップする意味あるのかな」と悩みました。
でもデュオ曲はカッコいい曲ばかりではなかったんです。そういった曲と向き合ったときに初めて自分の声のいいところや、どうやったら良さが出せるかがちょっと分かるようになって。「あさりジェノベーゼパスタ」「Echo」などの切ない曲に自分の声質が合うんだな、と分かりました。なので今回のアルバムには苦戦した曲と自分の良さが出せた曲の両方が入っていますね。
――南さんの色んな苦労が詰まった一枚に仕上がっているということですね。成長のプロセスや楽曲のバリエーション。聴き応えのある一枚になっていると思います。
内田:「HERE WE ARE !」は、そこまでに出してきた曲とソロ曲で構成された「1年目の集大成」のようなアルバムですけど、今回は、全体曲、デュオ曲、とさらにバラエティ豊かになって、“アルバム制作をしている”とより思えた時間でしたね。
星野:それぞれが悩みを抱えていたときや、コロナでうまくいかなかったときにレコーディングした曲も入っているので、その思いや感情を残しつつ、「新しい道を開いていくぞ!」という印象のアルバムになっていますね。