この記事をかいた人
- 篭法
- 内向的で口下手、典型的な陰の者。テーマやメッセージ、登場人物の心情を考えさせられるアニメが好み。小説も好き。
――演じられたキャラクターの印象や、魅力的だと思ったところをお聞かせください。
前田:オハナちゃんは、のんびりとしたマイペースさと、天真爛漫で子どものような純粋さを持った子です。オハナちゃんがいると周りがフッとなごむような、蘭子ちゃんとはまた違ったムードメーカー的存在だと思います。
外国の女の子の役を演じるのが初めてだったのですが、日本語と外国の言葉のバランスをどうするかはとても考えました。カタコトっぽくしすぎるというか、取って付けたような感じにはしたくなかったので、可愛さとリアルさの塩梅はかなり意識した部分です。
語尾に「にゃ~」と付けたりと、個性はすごくある子ですが、リアルさも程よく出したいと思い、オーディションのときから、ハワイ語と日本語の割合を変えて何回も録音しました。
――分かりやすい「アニメの外国人キャラ」っぽくなりすぎないよう、リアリティの部分も意識されたのですね。
前田:リアルな女の子の人生を描いている作品なので、アニメとしてのお芝居を大切にしつつも、「ハワイから来て夢を叶えようとしている子」だということは忘れずに意識しました。
台詞の練習時も、言い回しをいろいろ変えて試したりと、私が今まで演じさせていただいたキャラクターの中でも、ひと際緻密に作り上げていった子でした。ディレクションもとても温かく、いろいろと引き出していただきました。すごく勉強になった現場でした。
陶山:私としおんちゃんは、苦手なものや悩みなど似ている部分が多く、すごく共感できました。ただ、彼女は「どうやったら(課題を)克服できるだろう?」と考えるのが上手く、逆に私は少し苦手なので、そこは違う点かもしれません。
私も、苦手なものを克服しようと努力はするのですが、「少しはマシになったけれど、まだまだ」と感じることが多いです。
なので、悩みや苦手なことを「できない」で終わらせず、しっかりと向き合い、克服するためにひたむきに努力する彼女をすごく尊敬しています。観ていると「彼女のようにちょっとでも成長できるように頑張りたいな」と思わせてくれる女の子です。
――しおんは、メインキャラクター5人の中でもひと際、作中で成長したように思います。心情の変化を演じられるうえで、意識されたことはありますか?
陶山:しおんちゃんは、初登場シーン(新入社員として大勢の先輩社員に挨拶をする入社式のシーン)ですごく緊張しているのですが、私自身も、劇場アニメ初参加だったので、とても緊張していました。
彼女が少しずつ周りと打ち解けていくように、私も収録現場に徐々に慣れていきましたし、彼女と私の心情が同じスピードで変化していたように思います。なので、とにかく彼女(の心情)に寄り添うことを一番意識して演じていました。
――作品から受け取ったメッセージや、おふたりが考える本作の魅力をお聞かせください。
前田:迷ったり、立ち止まりしながらも、周りの人を大切にして、一歩ずつ前へ進んでいくことの大切さを教えてくれる作品だと思います。大人の方はもちろん、これから社会人になる方にもすごく刺さる、幅広い年代の方に共感してもらえる作品になっていますので、ぜひ『フラ・フラダンス』の応援をよろしくお願いします。
陶山:なにかを始めたい方、始めたばかりの方にすごく刺さる作品だと思います。逆に、すでに夢中になれるものを見つけている方は、始めたばかりの頃の気持ちを思い出せると思います。観ている人を包みこみながら、そっと前に後押ししてくれるような、温かく優しい作品ですので、ぜひ劇場でご覧になっていただけたら嬉しいです。
[インタビュー・撮影/鳥谷部宏平 文/篭法]
中学までは運動部だったが、だんだんインドア趣味になり、今では完全に陰の者。小説が好き。ライターを志すきっかけになったアニメは『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。その他に好きな作品は『91Days』『SSSS.GRIDMAN』『ワンダーエッグ・プライオリティ』など。アイドル系の作品にはあまり触れてこなかったが、1年ほど前から『シャニマス』にハマり、ライブにも足を運ぶようになった。