声優・アーティスト・寺島惇太さん3rdミニアルバム「Soul to」インタビュー|表現の幅を広げるためにさまざまなタイプの楽曲に挑戦! 立ち止まって考え、勉強したことで生まれた楽曲も
「Youth」はある意味“WAOOONの新曲”!?
――ここからは収録楽曲について詳しく伺いたいと思います。まずは「キミハレーション」。
寺島:僕が好きなバンドであるドラマストアの長谷川 海さんに制作していただいた、このアルバムのリード曲的な位置づけの曲になっています。
ドラマストアさんの楽曲はすごく爽やかで、音もポップで聴きやすく、歌詞も難しくない、スッと入ってきて共感できるような、寄り添えるものになっていて好きなんです。
ラブソング的なテイストにしつつも、コテコテの恋の歌ではない楽曲として制作していきました。コロナの影響で、恋人や親、友達、応援してくれる人などさまざまな人に会えない中、「会えたときのことを楽しみにして、もうちょっとみんなで頑張ろうよ」といった意味を込めた、広い意味でのラブソングというか。
歌詞に出てくる“君”に、会えていない人を当てはめてもらえるとより響くと思います。
――初回限定盤にはMVが収録されています。撮影はいかがでしたか?
寺島:初めてバンドの方を入れて、スタンドマイクを持っての収録でした。目の前にお客さんがいて、バンドをバックに歌っている、という普段のライブをやっているときと同じような感覚で、のびのびと体や表情を動かしながら撮れましたね。
――では、あまり苦戦もなく?
寺島:そうですね。ただ僕のソロのシーンで、顔がアップで抜かれている中、カメラにちゃんとアピールしなきゃいけない、というのは少し恥ずかしかったです(笑)。
――本楽曲は、イベント「土岐隼一と寺島惇太のナイトメア・ビフォア・ハロウィーン!!」にて、アルバム発売より一足先に披露されました。そのときの反響や手ごたえはいかがでしたか?
寺島:今までの楽曲との変化は感じてもらえていたと思うので、安心しました。
――有観客のイベントも久しぶりだったと思います。テンション感もやはり変わってくるものでしょうか?
寺島:やっぱりテンションは上がりましたし、だからこそコントロールが大事だな、と改めて思いましたね。最初の曲から盛り上がって声を出し過ぎると、後半喉がもたなくなってしまうので。
気持ちは盛り上がりながらも、最後までお客さんにいい歌を届けられるような、気持ちと体のコントロールをもっと勉強していきたいです。
――2曲目は「Realize」。アコースティックな曲が多い本アルバムの中で、かなり攻めている楽曲に感じました。
寺島:お客さんがどういう曲を聴きたいかを考えたときに「こういう曲を聴きたい人もいるんじゃないかな」と思い「一曲だけすごく激しい曲を作りたい」と明確にオーダーしました。
このアルバムだけでなく、今までの自分の曲の中で一番攻撃性の強いものを一度やりたいと思っていましたし、表現の幅を広げたい思いもあったので、実験的な曲として入っています。
――レコーディングはいかがでしたか?
寺島:声をやや低めに出したり、がなったりと普段とは違う歌い方だったので新鮮でした。
最初はどう歌うか迷いましたが、自分の人生の中でこういう曲も聴いてきていたので、結果としてはちゃんとその引き出しを活かせたと思います。ライブでぜひやってみたい曲ですね。
――絶対盛り上がると思います! 続いては、ツキプロ楽曲やラジオ「犬小屋ちゃんねる」などで寺島さんと深いかかわりを持つ滝沢 章(じょん)さんが制作された「Youth」。
寺島:じょんさんに直談判し制作していただいた曲です。これまでのアルバムでは、スケジュールが合わなかったり、曲調の兼ね合いなどから断念していましたが、今回、念願叶って収録できました。
じょんさんはロック曲ももちろん作れるのですが、僕はじょんさんの作るちょっと切なげな曲が好きなんです。今回はいろんなジャンルの曲を入れているので、じょんさんの曲を入れても浮かないと思いました。
制作にあたり、世界観や曲調、歌詞など、僕の方からはほぼ注文していません。しいて言えば“冬っぽさ”だけですね。最初にいただいたものは、“夏の終わり”の曲だったんです。そちらの楽曲は僕のバースデーライブで披露させてもらいました。
――「犬小屋ちゃんねる」、そして同番組のユニット「WAOOON(ワヲーン)」のファンにとってはたまらない楽曲だと思います。
寺島:ある意味これはWAOOONの新曲と言っても過言ではありません(笑)。
ふたりで飲むたびに「再開させたいよね」とは話しますが、収録に立ち会ってのディレクションをしたり、ミックスやピッチ変更といった編曲もご自身でされたりとじょんさんはやはりお忙しい方なんです。
そういう意味でも、今回一曲作ることができたのは本当に奇跡だと思います。