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樋口真嗣『サンダーバード』エピソードBEST3 一挙放送

これぞ『サンダーバード!』――樋口真嗣監督が選ぶ『サンダーバード』エピソードBEST3 が、BS10 スターチャンネルにて12月25日(土)より一挙放送!

1965年にイギリス、翌1966年には日本でも放送が開始された英国テレビ界の名匠ジェリー・アンダーソンの代表作にして、スーパーマリオネーションと呼ばれる独自の撮影手法を駆使した特撮人形劇の最高傑作として名高いTVシリーズ『サンダーバード』。

そんな『サンダーバード』が当時の撮影手法そのままに、完全新作エピソードとして復活。最新作『サンダーバード55/GOGO』の劇場上映が2022年1月7日(金)より、オンライン上映が1月8日(土)より開始となります。

そんな中、BS10 スターチャンネルには『サンダーバード』長期徹底特集が放送中。第3弾として、“樋口真嗣監督が選ぶ!サンダーバード エピソードBEST3”が、12月25日(土)15:30 より一挙放送となります。

樋口監督が「これぞ『サンダーバード!』という話」と語る、第4話「ニューヨークの恐怖」を含む3つのエピソードが無料放送。各話に対する解説コメントも到着しています。

樋口真嗣監督が選ぶ!サンダーバード エピソードBEST3 番組情報

【STAR1】放送日時:12月25日(土)15:30~ 3話一挙放送

日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』の公開を記念して、構成を担当する樋口真嗣監督が、TVシリーズから3つの切り口でそれぞれベストエピソードを厳選。

 

≪定番ピンチ編≫ 第4話「ニューヨークの恐怖」/解説コメント

▲第4話「ニューヨークの恐怖」 Thunderbirds™ and (C)ITC Entertainment Group Limited 1964, 1999 and 2021. Licensed by ITV  Studios Limited. All rights reserved.

▲第4話「ニューヨークの恐怖」 Thunderbirds™ and (C)ITC Entertainment Group Limited 1964, 1999 and 2021. Licensed by ITV Studios Limited. All rights reserved.

 
ベストエピソード3本を選ばせていただきました。その1本は、「第4話 ニューヨークの恐怖」。「サンダーバード」といえば、いろいろなところでピンチ、スリル、そして危機の連続っていう、そういうエピソードが多いんでけれども、その中でもかなり最初の段階からもう、てんこ盛りのエピソードになっています。

一番「サンダーバード」らしいというか、「サンダーバード」って、とんでもないことを誰かがやって「いやそれ絶対うまくいかないだろ!」っていうことが…ほんと「押すな押すな」じゃないけど…「それ見たことか」っていう感じで失敗するみたいな、で、それを助けに行くというのがだいたい基本フォーマットなわけです。

他のエピソードもだいたい、新しい飛行機だったり、森林伐採用の何かだったり、「そんなものうまくいくわけがないじゃん」という声を無視して無理やり強行させてしまうとそれが事故を起こす…というような話が非常に多いわけですけれども、その中でたぶんスケール感として、まあ宇宙に行ったりとかは別にして、一番「そんなまさか!」というのがこの「ニューヨークの恐怖」なんです。

エンパイアステートビルをですね、そのビルの形そのまんまで動かすっていう!とんでもないスケール感のことをやってくれる。「え、それうまく行くわけないじゃん」と言ったら案の定うまく行かないという、そういうエピソードですよね。

でもそれ以外にも最初にサンダーバード2号が被弾しちゃって、飛行不能というかコントロール不能のままトレーシーアイランドまで戻って来て、そこで何か消火活動みたいな。冒頭にあるんだけど、「それだけで一話分」みたいな「フライ盛り合わせ」みたいな感じのコッテリしたエピソードなので、これを選んでみました。

あれって実は、後でいろいろ物の本を読んでいたら、日本家屋で曳家(ひきや)ってあるじゃないですか。昔の建物を。あれがヒントになっているらしんですよね。ばかばかしいことを考えたんじゃなくて、まさか日本人の思いついたことを…っていうのがまた面白いところでもありますね。

またあのサンダーバード4号の活躍というのは、子どもながらに謎だったんですね。1号、2号、3号、5号と、全部スタンド・アローンで独立しているものなのに、4号だけコンテナ・メカなわけです。格下な感じがするのになぜこいつだけ「4号」という名前が付いているんだろうと思うと、あのエピソードを観て「スターだったんだ!」っていう。他のコンテナ・メカの扱いの低い感じとちょっと違う感じなのは、やっぱり「スター」として、色付きのメカっていうかね、ちゃんと色分けされているキャラクターだなっていうね。

「これぞサンダーバード!」という話なので、その辺も含めて楽しめるといか、「サンダーバード」入門編としてぜひ観ていただけたらなと思います。(了)

 

≪変化球的なキャラエピソード編≫ 第17話「情報員MI.5」/解説コメント

私が選ばせて頂いた2つめのエピソードは、「第17話 情報員МI.5」。これもかなり番外編的なエピソードではあるんですけれど、非常に面白いエピソードになっております。やっぱり20何本もあるし、エピソードの中で時々その変化球というかまあその王道とは別の、なんかちょっとひねった球みたいなエピソードがいくつかあって、その中でもやっぱりこれはタイトルの通りまさにイギリスの諜報員ものなんです。

今年公開になった『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』公開記念ということで、今回「サンダーバード」の中にもちゃんとスパイアクションがあるという、しかも人形とかどう見ても…!みたいな、すごいやっぱり寄せてる感じに作っていたりとか。「サンダーバード」の面白いところって、当時のスターとかをちょっと似せて作ってたり、そういう「ゲスト人形」の面白さみたいなものも含めて楽しんで頂けたらと思います。

これがちょっとほんと、あまり「サンダーバード」らしくはないんですけど、むしろペネロープがちょっとボンドガールっぽい感じで出てきたり、舞台となるのがこれモナコなのね。モナコの夜景や普段レギュラーで出てくるような所ではない、ちょっと素敵な感じのリゾート感あふれる背景のセットとかも見どころの一つなんかじゃないかなと思います。

その辺も含めて、あの当時ちょうどまだ『サンダーボール作戦』と同じくらいの時期だと思うんだけど、まだ『007』が人気を博し始めたぐらいの時に、たぶん当て込んで作られたものなんじゃないかと。そういった意味で、ある意味遊び心というか、楽しく作っている感じも含めて、僕も大好きなエピソードですね。

自分の中で結構このペネロープはカッコいいし、可愛いし、なんかいいなって感じがしますよね。大人の女性ですね。信用できる「峰不二子」みたいな。最高じゃないですか、そうだったら。しかもお金持ちですからね…。乗っている車はカスタム・カーだし、もう。凄いなと思いますよね。パーカーとか、凄いいいですよね。パーカーとのコンビっぷりというか。なんかちょっと邪悪なものを抱えて、でも「はい、お嬢様」と言う…カッコいいと思いますね。
「サンダーバード」にもこんな「007」ぽいエピソードがあったというトリビア的なものでもありますけど、今までとはちょっと一風変わった「こんなサンダーバードもあるんだよ」というエピソードになっているので、ぜひお楽しみください。

 

≪これがおすすめ“クソガキ”エピソード編≫ 第32話「すばらしいクリスマスプレゼント」/解説コメント

▲第32話「すばらしいクリスマスプレゼント」Thunderbirds™ and (C)ITC Entertainment Group Limited 1964, 1999 and 2021. Licensed by ITV  Studios Limited. All rights reserved.

▲第32話「すばらしいクリスマスプレゼント」Thunderbirds™ and (C)ITC Entertainment Group Limited 1964, 1999 and 2021. Licensed by ITV Studios Limited. All rights reserved.

 
では選ばせていただいた最後のエピソードになりますが、こちらです。「第32話 素晴らしいクリスマスプレゼント」…これまた全く「サンダーバード」の本筋から外れたエピソードなんでございますけれども、たぶんほかの話数はベストエピソードとして良いのが選ばれていると思いますので、私はあえてそこには出てこないこの季節もの、クリスマス物でございます。

やっぱり子ども向けの番組として作られているので、結構子どもの目線というのを意識したエピソードというのはいくつか作られていて、さっきのペネロープとはまるで逆です。だいたいこういう時に子どもながらに思うのは、大人が考えた子どもってちょっとムカつくんです。

“クソガキ”が出てきて、“クソガキ”が大人の事情を無視してやりたい放題やって、大人がちょっと迷惑するみたいな話。自分も“クソガキ”のくせに「このガキ出てけ!トレーシーアイランドから出てけ!」みたいな気持ちになるんですけど、そういうエピソードが3本ぐらいある。その3本ぐらいの中で、実はこれ本当は最初のオンエアの時は最終回だったりとか。

アメリカのドラマってそうだと思うんですけど、最終回がない。なんとなく続きもあるだろうというところで放送が終わるだけで。結局(「サンダーバード」が)人気が出すぎてこの後、劇場版になった。それが2本ぐらい続いてそこの後はもう「サンダーバード」というか「スーパーマリオネーション」がどんどん進化していって、違う世界観のものを作っていくということになった中で、一番最後のエピソードがなぜか「クリスマス」。
観るとわかるんですけど、そんなにピンチもないわけですよ。最初まずジェフが“クソガキ”を招待して、“クソガキ”のわがままを聞き放題なんですけど、なぜあの“クソガキ”がトレーシー島に、国際救助隊のメンバーとあんなに親しげに…「そんな何かしたか?」ていうぐらい理由がわからないまま最後まで行くんですけど、そういうのも含めてかなり異色作というか。

しかもその舞台となる子ども病院の子どもはだれ一人出てこない。子ども病院の大人しか出てこない。要はクリスマスの時に、サンタのお土産みたいな感じで、余ったロケットで打ち上げてそれで子どもにあげる…みたいな話なんだけど、子どもが一回も映らないんですよね。子どもどこ行ったんだよ!と。もしかしたらこの人たち子どもが見えてないか、いない子どもに向って何かやってんのかと思うと、ホラーみたいにも見えるわけです。

それを代表する“クソガキ”がいるんですけどこれがまた、我々日本という島国に生まれ育った貧相な“クソガキ”から見ると、ちょっとムカつくんですよ。本当、あの頃は『ウルトラマン』とかでもホシノ少年という“クソガキ”が出てきて、その“クソガキ”がひとり隊員と同じ服着て、子どもながらに嫉妬するんですね。「ズルい!ホシノ君だけ科学特捜隊の服を着て、隊員とならんで隊員と同じようなでかい顔をしやがってズルい!」と思うんですけど。

それと同じようにこれに出てくる少年もやはり、なんだかわかんないけどサンダーバードというか国際救助隊の格好をして、「なんで一人だけ?子どもなのに…」みたいな、そういう嫉妬の感情が子ども心に渦巻いて、そして終わりという。「えー!」と。ほとんど活躍しないまま終わるという、こういうのもまた「サンダーバード」の一つの魅力ではないかと思って選ばせていただきました。

ちょうど季節的にもそろそろ年末ということで、クリスマス気分なのではないかと思います。街にはクリスマスソングが流れてるなか、「サンダーバード」のこれまた異色中の異色作になりますけど、「第32話 素晴らしいクリスマスプレゼント」、ぜひご覧ください。

日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』公開記念特番 Side-A、Side-B 番組情報

構成担当の樋口真嗣さん、満島ひかりさん、森川智之さんなど日本語キャストのインタビューのほか映画の魅力を深堀する特別番組、案内人は市川紗椰さん。

 
Side-A 放送日時:【STAR1】(再)12月25日(土)15:00~他
Side-B 放送日時:【STAR1】(再)12月28日(火)15:00~他


日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』作品情報

2022年1月7日(金)劇場上映開始/1月8日(土)オンライン上映開始



 

スタッフ

プロデューサー:スティーブン・ラリビエー
監督:ジャスティン・T・リー(「サンダーバード登場」)、スティーブン・ラリビエー(「雪男の恐怖」)、デヴィッド・エリオット(「大豪邸、襲撃」)脚本:アラン・フェネル(「サンダーバード登場」、「大豪邸、襲撃」)、デヴィッド・グラハム、デスモンド・サンダース(「雪男の恐怖」)
特殊効果監督:ジャスティン・T・リー、スティーブン・ラリビエー、デレク・メディングス
音楽:バリー・グレイ
スーパーバイザー:デヴィッド・エリオット
オリジナル製作:ジェリー・アンダーソン、シルヴィア・アンダーソン

原題:THUNDERBIRDS THE ANNIVERSARY EPISODES(「INTRODUCING THUNDERBIRDS」, 「THE ABOMINABLE SNOWMAN」, 「THE STATELY HOMES ROBBERIES」)
製作国:英
配給:東北新社/STAR CHANNEL MOVIES

 
55周年特設サイト
公式Twitter(@thunderbirds_jp)

日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』作品情報

2022年1月7日(金)劇場上映開始/1月8日(土)オンライン上映開始



 

スタッフ

プロデューサー:スティーブン・ラリビエー
監督:ジャスティン・T・リー(「サンダーバード登場」)、スティーブン・ラリビエー(「雪男の恐怖」)、デヴィッド・エリオット(「大豪邸、襲撃」)脚本:アラン・フェネル(「サンダーバード登場」、「大豪邸、襲撃」)、デヴィッド・グラハム、デスモンド・サンダース(「雪男の恐怖」)
特殊効果監督:ジャスティン・T・リー、スティーブン・ラリビエー、デレク・メディングス
音楽:バリー・グレイ
スーパーバイザー:デヴィッド・エリオット
オリジナル製作:ジェリー・アンダーソン、シルヴィア・アンダーソン

原題:THUNDERBIRDS THE ANNIVERSARY EPISODES(「INTRODUCING THUNDERBIRDS」, 「THE ABOMINABLE SNOWMAN」, 「THE STATELY HOMES ROBBERIES」)
製作国:英
配給:東北新社/STAR CHANNEL MOVIES

 
55周年特設サイト
公式Twitter(@thunderbirds_jp)

Thunderbirds ™ and (C)ITC Entertainment Group Limited 1964, 1999 and 2021. Licensed by ITV Studios Limited. All rights reserved.
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