TVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』シリーズディレクター・唐澤和也さん&プロデューサー・内藤圭祐さんが語る、ダイたちと走り抜けた1年間と2年目への意気込み/インタビュー
声優陣の作品愛も大きな力に
――キャスティングや声優さんたちの面もお願いします。これまで声優さんたちの声が入ることで感動したシーンなどはありますか。
唐澤:正直言うと全部です。毎回、原作やシナリオ、絵コンテで物語を読んでいく際に、声優さん方はこんな演技で来るのかなと想像します。ですがアフレコでは、毎回その想像を超えてくるんです。「こうきたか!」って感じですね。第30話「ポップの覚悟」感動するエピソードも印象的ですが、基本的にはそういった驚きが全話にある形です。
内藤:本当に素晴らしいキャストさんたちが集まってくださったので、毎週収録現場に立ち会えるのは役得だと思っています(笑)。
印象的なところでいうと、ダイ役の種﨑さんです。スタジオオーディションで、バランが亡くなるシーンのセリフもピックアップしていたのですが、感情を押し殺したところから「父さーん!」と爆発して叫ぶところがずば抜けていました。これがアニメでは第56話「受け継がれる心」のシーンですので、1年近くダイとして積み上げてこられたものが改めて本編に表現されたものを聞き、オーディションの時よりはるかに感情を揺さぶられました。
後はお芝居そのものではないのですが、キャストさん方も『ダイの大冒険』がお好きな方が多いんです。ポップ役の豊永利行さんは、いずれ来る“メガンテ”のシーンに向け、お芝居のアプローチを早い段階から唐澤くんと相談しておりました。キャストのみなさんの『ダイの大冒険』に懸ける想いを垣間見たといいますか、みなさんの愛に支えられているなと実感しています。
――そんな素晴らしい声優さん方がこの作品を好きなことでによる現場の影響などはありましたか?
唐澤:もちろんありました。僕たちの知らないところで、声優さんたちの世界ができているんですよ。前野さんや豊永さんが集まると「ここはきっとこうだ!」みたいに作品について語り合っていて、そのテンション感で本番でも演じてくれるんです。本当に原作が大好きな人たちなので、セリフの微妙なニュアンスを汲み取ってくれるんですよ。
ポップだったらこう演じるみたいなのが即出てくるので、正直言うとアフレコも苦労したことがないです。こちらから「そうじゃありません、こうしてください」みたいに説明することがほとんど無く、絵を見て演じて貰っただけで「あ、それ!」みたいにハマる感じなんです。
内藤:我々もシナリオの時点でシリーズ構成の千葉克彦さんを中心に、全37巻のコミックスを何度も読み込んでおります。漫画は文字を読みますが、アニメは音で聴きますので、聴いた際に自然なように言い回しを変えたりもするのですが、クロコダイン役の前野智昭さんをはじめ、「原作ではこうでしたが?」みたいなご意見を頂戴することもありまして(笑)。
一同:(笑)。
内藤:改めてクロコダインさんがいうならそっちの方が正解だったかなって修正したり。そういう双方向のやり取りが生まれやすい現場なんです。
唐澤:豊永さんと話した時に「僕たちスタッフ陣を信用しているから、そういう提案ができる」と言われたことがあります。お互いに信頼関係が無いと、提案に対して反感を持たれてしまうこともあるみたいで。我々と声優さん方とで互いにひとつの作品を作り上げている信頼感があって、フレキシブルにやり取りがある感じです。
――作品に関する配信やダイ好きTVを見ていると、視聴者としてもそのあたりは感じられる部分があります。ところでなのですが、「メラゾーマではない、メラだ」みたいな有名なセリフが出る回の収録って、雰囲気はどんな感じなのでしょうか?
唐澤:遂にこれが聴けるのか! これが聴きたくてこれまで頑張ったんだ! みたいなところはもちろんあります。先ほどの「メラゾーマではない、メラだ」が飛び出した第57話 「魔界の神」は、もう名言のオンパレードで。
内藤:「大魔王からは逃げられない」とかね。
唐澤:原作の1ファンとして、やっぱり『ダイの大冒険』といえばこのセリフだよね、みたいなところは楽しみでした。
――このタイミングなので、ハドラー親衛騎団のキャスティングについても伺いたいです。特にヒム役の三木眞一郎さんは気になるところです。
内藤:ヒムはハドラーとの関係性や共通点を意識したところがあります。
唐澤:熱さと武人的な部分ですね。
内藤:今まさに関智一さんにハドラーを熱く演じて下さっています。詳細は言えませんが、ヒムにもそのハドラーと同じくらいの熱さや迫力が欲しかったんです。その部分を求めて三木さんにお声がけさせていただきました。
――プロモーション周りも聴きたいことがあります。ダイの剣だったり、純金のゴメちゃんだったりはどうやって実現したのですか?
内藤:これは僕と二人三脚で戦ってくれているプロモーションチームからのアイデアでした。原作が完結しているからこそ、何をファンのみなさんが求めているのか、どうしたら盛り上がってもらえるのかが発想のベースにあります
制作だけでなくプロモーションチームも営業チームも、『ダイの大冒険』に関わっているみんなが同じアバンの使徒だと勝手に思って、一丸となって取り組んでいます。ただ、純金のゴメちゃんについては、お金をどこから持ってこようかな? とは考えましたけれどね(笑)。
唐澤:普通に考えたらなんですかそれ? ってなりますよね(笑)。それを通せる手腕がスゴイです。
一同:(笑)。
内藤:この間の「ジャンプフェスタ2022」でも展示させていただきましたが、またファンのみなさんが目にする機会もあるんじゃないかなと思います。
#ジャンプフェスタ ステージやブースなど、ご来場&オンラインでご参加頂いた皆様ありがとうございました✨
— 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」アニメ公式 (@DQ_DAI_anime) December 19, 2021
引き続き「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」をよろしくお願いいたします!#ダイの大冒険#ジャンプフェスタ2022 pic.twitter.com/nLD8gEiP19
――グッズでは1周年記念配信で発表されたシルバーで出来たチェスセットは驚きました。
内藤:話題性のあるグッズからも作品を盛り上げようというアプローチでした。もちろん、しっかりいいアニメを作ることが第一ですが、こうした商品や毎週欠かさない情報発信だったりと、新規IPが入り辛いところを何とか切り開こうと頑張ってくれています。
こちらのグッズの詳細は以下より
https://dq-dai.com/news/2021091202.php
――そろそろまとめに入りたいと思います。ここまでで印象的なエピソードをひとつあげてもらえますか。
唐澤:素晴らしいエピソードはたくさんあって選べないのですが、敢えて選ぶなら、新しい『ダイの大冒険』の出発地点となった第1話です。
内藤:僕も選べないですね。子供の頃はヒュンケルみたいな影のあるイケメンが好きだったんですが、社会人になってこの年齢になるとハドラーにシンパシーを感じざるを得ません。
後はバラン編の中でも盛り上がりのピークになった第30話~32話から、第30話の「ポップの覚悟」ですね。演出を担当していた唐澤くんを持ち上げる訳ではないですが、あそこは初号で泣きそうになりました(笑)。
長期シリーズを制作するにあたって、全ての話数を全力で走り切るのは厳しいです。なので、戦略をしっかりもってピークをどこにするか考えていくわけですが、このあたりのエピソードは1年目の大きな見せ場でした。
その中で、この30話があるからこそ、後の2話が活きてくるんです。ダイとの出会いの回想もズルいですよね。
――お話聴いていて自分も30話から見返したくなりました。あとひとつ唐澤さんにお聞きしたいのですが、以前、別のインタビューを読んで第54話「ハドラー対バラン」で描かれたバランがダイを寝かしつけるシーンを演出したいとおっしゃっていたのを拝見しまして。そのシーンについてもお願いします。
唐澤:この回の演出は自分が持つ予定でしたが、子を産み育てという部分をもっと滲みださせたかったので、業界歴が長い大ベテランである上田芳裕さんにお任せしました。完成した映像を見て、蓄積されたものが作品の中に出ていたと思えたので、この選択は正解だったと確信しています。
――今後の見どころについてはいかがでしょうか?
内藤:言えないところが多くて心苦しいのですが、いよいよバーンたちとの最終決戦編へと移っていくので、感情を揺さぶられるポイントがたくさんあります。
唐澤:これまでダイたちと戦ってきたキャラクターやライバルとの決着が、人間ドラマとしてでてきます。原作の良いところを殺さず、さらに昇華させてお届けしますので、ぜひお楽しみに!
――最後にファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
内藤:この熱量とクオリティを維持して走り切りますのでよろしくお願いします。みなさんの温かい応援が力になります!
唐澤:ネット全盛期の時代なので、やっぱりファンのみなさんの声は届きやすいんです。そういう嬉しい声がモチベーションに繋がっています!
内藤:消費カロリーの高かった話数の後にファンのみなさんの感想を追いかけたりすると、「スタッフ休んで……」みたいな声を見かけることがあって。そんな優しい声を見かけると嬉し泣きしそうになります。もちろん、そこに甘えるつもりはないですが、これから先も一緒に戦いましょうとだけお伝えしたいです。
――本日はお時間を取っていただきありがとうございました!
アニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』作品情報
放送情報
テレビ東京系列にて毎週土曜朝9時30分放送中!
(【放送局】テレビ東京・テレビ大阪・テレビ愛知・テレビせとうち・テレビ北海道・TVQ九州放送)
AT-X:毎週金曜 夜10時30分~
アニマックス:5月27日(木)放送スタート(月~金 午後 11:00~ 再放送 翌夕方 6:00~)
熊本放送:毎週金曜 深夜1時55分~
テレビ和歌山(WTV):毎週水曜 朝7時~
びわ湖放送(BBC):毎週木曜 夕方5時25分~
※放送日時は変更になる場合がございます
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イントロダクション
大人気ロールプレイングゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズを冠する初の長期連載漫画として、1989年に「週刊少年ジャンプ」で連載をスタートした『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(原作:三条陸、漫画:稲田浩司、監修:堀井雄二)。
魅力的なキャラクターたちが織りなす壮大な冒険譚は、多くの読者の心をつかみ、単行本は累計発行部数4700万部を記録。
漫画史にその名を刻む不朽の名作が、連載開始から約30年の時を経て完全新作アニメ化を果たす!
ダイとその仲間たちの友情と成長の物語を、CGとアニメ作画のハイブリッドでダイナミックに表現。新たな『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の伝説が、今、ここに幕を開ける――。
ストーリー
かつて、魔王ハドラーにより苦しめられていた世界は、「勇者」と呼ばれた一人の剣士とその仲間たちの手により平和を取り戻した――
時は流れ…。魔王から解放されたモンスターたちが暮らす南海の孤島・デルムリン島。島唯一の人間であり、勇者に憧れる少年「ダイ」は、モンスターたちと平和に暮らしていた。
だが、その暮らしも、魔王ハドラーの復活により一変する。
師との約束、仲間との出会い、逃れられぬ宿命…再び危機が訪れた世界を救うため、勇者を目指す少年・ダイの冒険が始まるー!
原作
『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(集英社「週刊少年ジャンプ」)
原作:三条陸 漫画:稲田浩司
監修:堀井雄二
スタッフ
シリーズディレクター:唐澤和也
シリーズ構成:千葉克彦
キャラクターデザイン:宮本絵美子
美術:藤井綾香(スタジオパブロ)
音楽:林ゆうき
色彩設計:森綾
アニメーション制作:東映アニメーション
キャスト
ダイ:種﨑敦美
ポップ:豊永利行
マァム:小松未可子
レオナ:早見沙織
アバン:櫻井孝宏
ヒュンケル:梶裕貴
クロコダイン:前野智昭
ゴメちゃん:降幡愛
ハドラー:関智一
キルバーン:吉野裕行
ミストバーン:子安武人
バーン:土師孝也
『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』ポータルサイト
アニメ公式サイト
アニメ公式ツイッター(@DQ_DAI_anime)
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