芹澤優『Yu Serizawa 2nd Live Tour 2021 好きな人がいるだけで。』千秋楽レポート「明日もみんなが幸せでありますように」
「私を大切にしてくれる人を、私も大切に。自分を大切にできない人を、私が大切にしてあげられるような。そんな女性になりたいな!」
2021年12月3日に27歳の誕生日を迎えた芹澤優さんはこれからの目標をこう綴っていた。
この日から約3週間。
2021年12月25日。令和3度目のクリスマスに声優アイドルの芹澤優さんが2ndソロツアー『Yu Serizawa 2nd Live Tour 2021 好きな人がいるだけで。』の千秋楽公演をZepp DiverCityで開催した。
2021年9月に北海道からスタートした2ndライブツアーもいよいよ千秋楽。3ヶ月間に及ぶライブツアーの集大成を魅せる時が訪れた。
27歳になっちゃった!嬉しい
— 芹澤優(i☆Ris) (@iRis_s_yu) December 2, 2021
私を大切にしてくれる人を、私も大切に。
自分を大切にできない人を、私が大切にしてあげられるような。
そんな女性になりたいな!
夢がまだまだたくさんあるので、叶えられるだけ全部叶えたいと思います。
いつもありがとう、好きだよ pic.twitter.com/PcZ5Txbt2S
好きな人がいるだけで。
この日が芹澤さんにとって2021年のライブ納め。自分のファンを今年一番満足させるという気持ちが、ビッシビシに伝わってきた。
MCパートはおさえめで、ノンストップで楽曲を披露し続けたステージ。
恐らく、言葉で伝えるよりも楽曲の世界観や今回の目玉でもあった朗読劇で届けたい気持ちがあったのだろう。
“歌って踊ってる可愛いセリコ”を目に焼き付けて、色々な不安もあるご時世でも最大限に満足してもらえるステージを作る。
そんな気持ちは彼女の叫びにも現れていた。このライブで完全燃焼するのだ、と。
例えば、2曲目の「ハイハイハイハハイテンション」では、「ツアーファイナル!後悔することなく騒ぎ尽くせ!!!」だったり、直後のMCでも「私はもう楽しんでるんですけど、皆さん楽しいですか!?」だったり。
一方で、歓声の無いソロライブについて振り返ったMCでは、直前に行った朗読劇の影響もあって声が震えていた。
元気で明るく、みんなの心に火を灯したいと引っ張る強気な一面がある一方で、常に弱気になりそうな自分と戦っている。
そういった人間らしい声優アイドル像にファンも惹かれるのだろう。
ライブ終盤。芹澤さんはこう語った。
「どうしたらみんなが楽しんでくれるかな?朗読やりたいな。苦手な人もいるよな?でも特別な物語を届けたくて」
“好きな人がいるだけで”日常の色が変わる。毎日が楽しくなるし、辛い時もある。
でも、「生きてる」って感じがする。
“声優アイドル”芹澤優のステージを見たことがない人には少し大袈裟に映ると思うが、確かな熱量と(深過ぎるくらいの)ファンへの気持ちがそこにある。
全18曲をほぼノンストップで歌い切ることができるのは、芹澤優のファンがそこにいるからだ。
「好きな人がいるだけで。」頑張れるのだ。
告白
ここからはライブ全体の振り返りを。
“セリコブレイド”の水色が会場一帯に灯された瞬間、胸が熱くなった。
前半戦は「Voice for YOU!」、「ハイハイハイハハイテンション」、「神×太陽×サマーパーティ」、「ヒロインズドラマ(赤城あんな)」など外の肌寒さを3秒で吹っ飛ばすようなバキバキに盛り上がるナンバーを連発。
“神バンド”のヴォーカルである芹澤さんが攻めれば攻めるほどバンドメンバーも更に乗ってくる。
「PRINCESS POLICY」が“神バンド”の手によってより一層アダルトな雰囲気に仕上がってかと思えば、「Out Of Control!(ベイリン)」ではゴリゴリに激しいロックサウンドをぶつけてくる。
ノンストップで続いてきた前半戦が終わると、朗読劇のパートへ突入。
ここが「好きな人がいるだけで。」のハイライトだろう。
写真部の女性が卒業する先輩へ向けた手紙を読み上げている。
学生時代の思い出や感謝の気持ちを伝える中で、本人に直接伝えることができなかった気持ちが明らかになっていく。
「好きです。」の言葉をきっかけに、楽曲へ突入。
「Imaginaly」、「片思いExpansion」、芹澤さんが作詞を手掛けた「告白」を経て、再びの朗読劇(2枚目の手紙)を経て、「今夜も月がきれい」へ。
明るく元気な楽曲の芹澤さんも素敵なのだが、彼女はバラードが本当に映える。
昭和アイドルのようなカリスマ性と神々しさがバラードだと浮き彫りになるためだろうか。
静かに耳を傾けていると恥ずかしながら目頭が熱くなってきた。