冬アニメ『東京24区』キャラクター原案・FiFS(曽我部修司・ののかなこ)インタビュー|シュウタのデザインはギリギリまで修正、ランとコウキは一切よそ見せず形に【連載 第3回】
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東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”を舞台に、蒼生シュウタ、朱城ラン、翠堂コウキ、まとめて“RGB”と呼ばれる3人を中心に描かれる物語。彼らに突きつけられる“未来の選択”とは一体……? 謎めいたストーリーやアクションシーンでの迫力のある映像、個性豊かなキャラクターなど、序盤から見どころ満載で考察したくなる展開が繰り広げられています。
そんな注目の『東京24区』について、アニメイトタイムズでは毎週スタッフやキャストにインタビューを実施。第3回は、キャラクター原案を務めたFiFSのおふたり(曽我部修司さん・ののかなこさん)へのメールインタビューをお届けします。
シュウタのデザインはギリギリまで修正、ランとコウキは一切よそ見せず形に
──今回、初めてオリジナルアニメのキャラクター原案を務めていますが、どのような経緯でお話が来たのでしょうか? また、お話が来た時の率直な気持ちはいかがでしたか?
FiFSさん(以下、FiFS):アニメ『アイドルマスター SideM』でご一緒した鳥羽さん(企画プロデュースの鳥羽洋典さん)と、お話するうちに意気投合し「実はこんな企画が…」と切り出して頂きました。
「こういう結果を出して欲しい」「やり方は任せる!」という感じだったので、オーダーというよりは「ミッション」に近くやり甲斐があるな、と思いました。
──『東京24区』の作品としての魅力はどのようなところだと感じますか?
FiFS:現場と距離の近いお仕事をと思い、シナリオミーティングにも参加させて頂いていたのですが、本当にいい意味で「真っ直ぐ作っている所」が魅力だと思います。
完成した映像からも津田監督(監督の津田尚克さん)、下倉さん(シリーズ構成・脚本の下倉バイオさん)の人柄と熱が作品の軸になっていると強く感じ、個人的にはそこが一番好きだな、と思いました。
──公式サイトのコメントに「非常に刺激的、挑戦的なデザイン」とありましたが、デザインする上で、監督やプロデューサーなどから、どのようなリクエストがあったのでしょうか?
FiFS:前述の通り、自分はプロデューサー側からミッションを与えられた立場だったので、監督のイメージの具現化と同じくらい、別角度の意見をぶつける役割でした。
つまりキャラクターを商品として最大化する事を優先する立場でのデザインと、監督の思う芯のあるオリジナルアニメのためのデザインをどうすり合わせるかの作業で、トロッコ問題ではないですが結構悩みました。
──メインキャラクターの3人(蒼生シュウタ、朱城ラン、翠堂コウキ)をデザインする上でのこだわりや苦労、注目して欲しい部分など、それぞれ具体的にお聞かせください。
FiFS:シュウタはまさしく先ほどの話の中心点で、僕らはミッションに対しての最適解を出したつもりで一度完成させたのですが、監督の思いとは少しだけズレがあったようで、着地点をギリギリまで修正し、かなりスリリングでした。結果ユニークなビジュアルになったと思います。
ランとコウキは作品に必要なデザインを真っ直ぐさせて頂いた感じです。キャラクター、役割が、シュウタより明瞭だったので一切よそ見せずに形にできました。あと、コウキの「恍惚の表情」に監督のこだわりがあるようで、何度か描きました。
岸田さん(キャラクターデザインの岸田隆宏さん)のリライトも、アニメにするならという事でとても勉強になりました。
──そのほか、描いていて特に思い出に残っているキャラクターはいますか? 制作する上での裏話などもあれば合わせてお願いします。
FiFS:男性スタッフの多いミーティングだったので、女性キャラクターの絵が上がるたびに場が和やかになっていた気がします。きなこもミーティング中、人気がありましたね。
あと個人的なお話ですが、岸田さんの「ノエイン」のキャラデザがめちゃくちゃ好きなので、仕事とは別に一人のファンとして岸田さん稿に大興奮しておりました…。