冬アニメ『東京24区』内田雄馬(朱城ラン役)インタビュー|ランの魅力は芯の強さ、その芯の強さが彼を鍛え上げている――【連載 第4回】
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東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”を舞台に、蒼生シュウタ、朱城ラン、翠堂コウキ、まとめて“RGB”と呼ばれる3人に突きつけられる“未来の選択”とは一体……? 死んだはずのアスミからの電話や3人が見た映像、超人的な能力、第3話では新たな選択に迫られるなど、毎話見逃せない展開となっています。
そんな注目の『東京24区』について、アニメイトタイムズでは毎週スタッフやキャストにインタビューを実施。第4回は、朱城ラン役の内田雄馬さんにお話をうかがいました。
ランを演じるにあたり、最初はもっと崩したアプローチをしていました
――まずは作品の概要を聞いた第一印象や、実際に台本を読んだ時の感想をお聞かせください。
朱城ラン役・内田雄馬さん(以下、内田):この作品は近未来を舞台にして、リアルに根付いて作られているとのことだったので、とてもワクワクしました。サスペンス的な要素も強く、これからどうなっていくんだろう? と感じましたね。
内田:ラストでカバちゃん(白樺先生)が亡くなってしまって……。そこが一番印象的で、大事なところでもありました。『東京24区』は、起きた問題に対して全てをヒロイックに救っていく作品ではない、ということが皆さんにも伝わったのではないかと思います。
――選択や行動の結果は、第1話のいわゆるトロッコ問題とはまた違うものでしたからね。
内田:そうなんです。選択を間違えるというか、選択次第では未来が変えられない、誰しもが望む未来が待っているわけではないんですよね。
――“カルネアデス”からのメッセージも流れ、ますます謎めいてきました。
内田:まだ謎はかなりありますので、その謎がどう明かされていくのか楽しみにしてもらいたいです。
――そういったことも含めて、さらに注目してもらいたいポイントやキャラクターを挙げるならどこでしょうか?
内田:やっぱり僕ら3人の動きですね。それぞれ考えることも選択も違いますので。ランとコウキは自分の立ち位置、「自分はこうしたいから、こうする」というのがハッキリしていますが、シュウタはどういう選択をしていくのか。そこは物語の大切な部分だと思います。
――では、内田さん自身は、朱城ランの魅力はどのようなところだと感じていますか?
内田:言い方はあれですけど、ランは3人の中で一番ちゃらんぽらんというか、あまりシャキッとしている人には見えないですよね。でも、今の“DoRed”でやっていることのベースは、かなり小さい頃から考えていて。そういう意味では、一番芯が強いのかなと。その芯の強さが彼を鍛え上げている感じがするんですよね。
――そんなランを演じる上で、どのような役作りをして臨んだのかお聞かせください。
内田:ランはそういった芯の強さをあまり人に見せるタイプではなく、普通にラフにしているんじゃないかと感じたので、そこを意識しました。なるべく崩して、言葉のリズムも型にハマらないようなアプローチをするとか。おかげで、とらえどころのない、腹の中で何を考えているのかわからないミステリアスさを出せたかなと思っています。彼はなかなか腹の中が見えないな、でもその割には結構芯の強さを持っているな、と感じてもらえていたら嬉しいです。
――監督や音響監督からなにかディレクションはあったのでしょうか?
内田:基本的には、僕が持っていったものを尊重していただきました。ただ、最初に持っていったものは、もっと崩していたんですね。そうしたら「それもいいんだけど、さすがに崩しすぎです」と言われて(笑)。もう少しハッキリ喋るようにしました。今のランは、(最初に崩していたものから)崩しを戻した状態なんですよ。
――もっと崩れていたランも、それはそれでちょっと聞いてみたい気もします。
内田:僕自身、新しいアプローチをしたいと思って結構チャレンジしましたからね。「もうちょっと戻そうか」と言われるものを提案できたのは、そういう意味では良かったのかなと思います。