
その男、ホー……過激で危険なのに、どこか憎めない│TVアニメ『殺し愛』リレーインタビュー│第3回:リャンハ役・下野 紘さん&ホー役・前野智昭さん
二人の因縁……リャンハが“罪”を犯した理由にも注目
――(笑)。現段階では、リャンハがスンウを殺した理由も謎ですよね。
下野:そうなんですよ。ただ、リャンハ衝動的な行動をするようなタイプではないので、何かしらの理由があるんだろうなとは思いました。それこそスンウさん以外にも幹部たちをことごとく殺してしまったわけですから、その意図がどこにあるのか、今後の展開を楽しみにしたいです。
前野:スンウさんたちも裏で何かやっていたのかもしれないですが、ぱっと見たところ、スンウさんってすごくいい人のように見えるんですよね。だからこそ、ホーと同じように「なぜ……?」と思ってしまうし、そういうミステリ的なところも面白いなと思いました。
下野:そうそう、スンウさんがすごく気にかけてくれて、悪い関係ではなさそうでしたしホーには嫌われていたけれど、リャンハは特別嫌っているようには見えなくて……。スンウさんとの掛け合いもすごく穏やかな感じでできたので、本当に「なぜ……?」と思うばかりです。
――モーテルでのシャトーとのやりとりは、どこかコミカルなとこもあって楽しかったです。
下野:個人的には、さらに謎が深まりました。第1話からシャトーにつきまとい、そこには好意がありつつも、それだけではない別の目的が感じられたですが、別の目的というのが一体なんなのか、シャトーに本当はどんな感情をいだいているのか。ますますわからなくなったというか……。シャトーの家で本人からもツッコミを入れられていましたが、リャンハの行動はリスクだけで本当に利点がないんですよ。“愛”だけでそこまでできるのか……謎だらけです。
――シャトーが怪訝そうにしているのもよくわかるというか……。
下野:僕ら以上にわからないと思いますからね。
前野:真意をはかりかねているところでしょうね。シャトー自身もその素性がいまひとつ見えないし……。
下野:謎が深まって、この先がますます楽しみになりました。
―― 一方、ホーからすればシャトーはリャンハの弱点にもなりうる存在ですよね。
前野:そうですね。リャンハをおびき寄せるための絶好の関係者なので、その意味ではシャトーに利用価値を見いだしていると思います。ただ、車のタイヤを撃ち抜いても見事なドライビングテクニックで攻撃してくるあたり、ホーもただ者ではないと認識しているはずなので、シャトーと相対するときは決して油断せず、最初から本気を出してきそうですね。
――シャトーというキャラクターそのものについてはいかがですか?
前野:賞金稼ぎという仕事をしている以上、冷徹にならなければいけない場面もあるでしょうし、実際、非常にクールな女性だと思うんですが、その一方で思った以上に人間味のあるところを見せてくれて、それが面白かったです。たとえば、リャンハとのモーテルでのやりとりは、意外と感情的になるんだなと思って驚きました。
下野:口数は少ないけれど、リャンハとのやりとりを見ているとイライラしているのがよく伝わってくるんです(笑)。リャンハに比べれば感情の揺らぎがはっきりわかりますし、本来はとても素直な子なんだろうなと思います。お母さんからの留守電を聞くだけでも、両親から大事に育てられて、まっすぐに育ってきたんだろうなというのが伝わってきました。
前野:あと、いわゆる殺し屋をしながらも、自分が女性であることを忘れていないところがかわいいです。
下野:わかる。あまり気にしないのかなと思っていたら、着ているもの全部洗濯に出されて怒っていし。
前野:そういうところが“ギャップ萌え”なんでしょうね。
下野:逆に、服を脱がしたことについて何も思ってなさそうなリャンハが不思議なんですよ。脱がせたシーンは描かれていないので実際はわかりませんが、おそらく、よくわからないから適当に洗濯してきましたという、あっさりした感じだったと思うんです。そう考えると、シャトーへの気持ちは本当にラブなのか、あるいは落ち着いているだけなのか……。繰り返しになりますが、本当に謎だらけです。
――さて、キャストさんのリレーQ&A企画として、前回、下野さんと対談していただいたシャトー役の大西沙織さんから、前野さんへのご質問が届いております。
下野:問題のやつだ……。
前野:え、なんですか?
――第2話で、ホーのバイクがシャトーの車にふっとばされたシーンがありますよね? ホーは「やるじゃん」と話していましたが、前野さんだったらどんなセリフを言いますかとの質問です。
前野:なるほど……?
下野:ごめんね、事務所の後輩が質問して……。申し訳ないけど、本人的には「推しポイント」らしいから、答えてあげてほしい。
前野:まぁ、でも「やるじゃん」とは言ないと思います。
下野:実際は、そんな余裕ないもんね。
前野:ホーだから無傷か軽傷で済みましたけど、常人だったら大惨事ですから。でも、逆に変に冷静になってしまって、やめておけばよかったと思うような気がします。なので、「やめときゃよかった……」で。
下野:なんか大喜利みたいになってない?(笑)
前野:だって、暗殺失敗なんですよ。失敗したうえにふっとばされたら、「やめときゃよかった」って、たぶん思います。
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放送・配信情報
2022年1月12日(水)より TOKYO MX、サンテレビ、KBS 京都ほかにて放送開始
dアニメストアにて地上波先行・単独最速配信決定
<放送情報>
TOKYO MX:1月12日より 毎週水曜 24:00~
サンテレビ:1月13日より 毎週木曜 24:00~
KBS 京都:1月13日より 毎週木曜 25:00~
BS 日テレ:1月12日より 毎週水曜 24:00~
AT-X:1月13日より 毎週木曜 22:30~ ※リピート放送:(月)10:30/(水)16:30
<配信情報>
dアニメストア:1月12日より毎週水曜 23:30~
その他サイトも順次配信予定
※放送・配信日時は番組編成の都合等により変更となる場合がございます。
INTRODUCTION
とある「仕事場」で対峙する2人の殺し屋。クールな賞金稼ぎの女・シャトーと謎多き最強の男・リャンハ。
シャトーはこの交戦をきっかけにリャンハと敵対――するはずが、なぜか彼に気に入られ、つきまとわれることに。
彼女はなし崩し的にリャンハと協力関係を結んでしまうが、彼を狙う組織との抗争に巻き込まれていく。さらにその戦いは、彼女の過去とも関係しているのだった。
リャンハはなぜシャトーに接近するのか。シャトーに秘められた過去とは。相性最悪の2人が織りなす、「殺し屋×殺し屋」の歪なサスペンス。奇妙な運命の歯車がいま動き出す。
STAFF
原作:Fe(月刊コミックジーン/KADOKAWA 刊)
監督:大庭秀昭
シリーズ構成・脚本:久尾 歩
キャラクターデザイン:佐藤陽子
サブキャラクターデザイン:小林利充
総作画監督:佐藤陽子・小林利充
アクション作画監督:才木康寛
3D・プロップデザイン:杉村友和
美術監督:黛 昌樹
色彩設計:山上愛子
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:髙桑 一
音響効果:和田俊也
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
音楽:吉川 慶
音楽制作:TOY'S FACTORY
音楽制作協力:ミラクル・バス
アニメーション制作:プラチナビジョン
製作:殺し愛製作委員会
オープニングテーマ:増田俊樹「Midnight Dancer」
エンディングテーマ:小林愛香「マコトピリオド」
CAST
シャトー・ダンクワース:大西沙織
ソン・リャンハ:下野紘
エウリペデス・リッツラン:堀内賢雄
ジム:天﨑滉平
ホー:前野智昭
ジノン:村瀬歩
ニッカ:森田成一
ミファ:日笠陽子
ドニー:大塚芳忠
原作コミック情報
『殺し愛』1~11巻好評発売中!
著:Fe(月刊コミックジーン/KADOKAWA 刊)