小倉 唯さん4thアルバム『Tarte』自身初のセルフプロデュースアルバム&MVでも初監督に挑戦! 小倉 唯さんインタビュー!
自身が作詞した「桜色ラビネス」は春の定番ソングで、小倉さんとの再会する日を心待ちにしてほしいという想いも込めて
――アルバムのラストナンバーは新録曲「桜色ラビネス」で、ご自身で作詞されていますがテーマやタイトルの由来を教えてください。
小倉:春の定番ソングにいつかなればいいなと思って書きました。人に会うまでに準備している時のドキドキわくわくする高揚感や実際に会えた時の喜びをのせられたらいいなって。
情景的なイメージになりますが、桜色や淡いピンクで、会えた時に心が満たされている幸せな空間、優しさあふれる世界観をイメージしてこのタイトルにしました。
――「また寝坊した アラーム不能 あと1時間で支度できる?」や「待ち合わせどこ? OK! バッテリー持って ビューラーばっちりね 指差し確認」などバタバタしている感じがどこまで会えるのを楽しみにしていたのかが伝わってきました。
小倉:ちょっとバタバタした雰囲気は、女の子同士の待ち合わせに向けて支度している様子や早く会いたくて焦りながらも楽しんでいる気持ちが伝わる言葉を選んで、矢継ぎ早に曲に落とし込んでいます。
――さわやかなメロディや曲調は、春やアルバムのラストにピッタリですね。
小倉:この曲を作った当初はアルバムの最後にするところまでは想定していませんでしたが、歌詞の最後が「また会いたい」で終わっていることも相まって、いつかライブやイベントで会える日を心待ちにしていただければという想いと、次に会うまでの時間さえも楽しんでいただきたいという想いもありました。
――またライブのラストナンバーにも合いますね。
小倉:ライブもイメージして書いています。またライブが開催される時には会場に向かいながらこの曲を聴いて、楽しみな気持ちや嬉しさを膨らませてほしいなという気持ちもあります。
――お気に入りのフレーズや聴きどころを挙げるとすれば?
小倉:私らしいところを挙げるとすれば、私はメイクしたり、コスメアイテムが好きなので、「髪型チェンジ」や「こだわりメイク」などの言葉を入れています。
また「ビューラーばっちりね」の前に(Hot)という掛け声が入っていますが、ホットビューラーというアイテムからの言葉遊びをしてみました。
耳心地がよくて、テンポがいい曲です。
――その他の新録曲についてもご紹介をお願いします。まず「PRISM BEAT」は、エレクトロニックな雰囲気のビートが速いポップチューンで、ラップも。
小倉:昨年リリースして、このアルバムにも収録されているシングル「Fightin★Pose」に続く「おぐラップ」が入ったダンスチューンです。
歌詞は現代的なキャリアウーマンをイメージして、日々悩むことや大変なことがあっても「やるしかないでしょ!」と割切る潔さや前に進んでいく心意気や強さを表現できたらいいなと思っていました。
――「おぐラップ」もカッコよくキマっていますが、サビ前でブレーキがかかったようにテンポが変わるので難しそうですね。歌うのも曲にのるお客さんも。
小倉:そうですね。Aメロから始まって、ラップが入った後にテンポが落ちて、サビでまたアップテンポという複雑な構成になっているし、曲調もどんどん変わっていくので。
ライブではダンスしながら歌うことになるはずなので、難易度が高い曲になりそうだなと思いつつ、テンポや雰囲気がガラっと変わるところがこの曲の聴きどころだと思います。ライブの時には皆さんも何とかのっていただけたら(笑)。
――「Fightin★Pose」に続く曲順もいいですね。
小倉:このラップに挑戦できたのも「Fightin★Pose」からの流れがあったからですし、私がラップと真剣に向き合う姿勢を感じていただけたと思うので、改めて「Fightin★Pose」と出会えて、「おぐラップ」を生み出せてよかったと思っています。
――「慈しみカンパニュラ」は、1曲目の「ta・ta・tarte♪」から「ハピネス*センセーション」、「I・LOVE・YOU!!」、「Fightin★Pose」、「PRISM BEAT」とアッパーだったり、ポジティブな曲が続いた後で、唯一せつなさを感じる曲です。
小倉:曲調もミディアムバラードで、この曲もサビで一気にメロディの雰囲気が変わる特殊な構成になっていて、歌詞も憂いがあり、少しミステリアスな香りが漂って。ドラマチックな歌詞と透明感が絶妙にマッチしている曲になっていると思います。
――「カンパニュラ」という花は「釣鐘草」や「風鈴草」とも呼ばれ、花言葉も「感謝」や「誠実の愛」などの意味があります。
小倉:実は花の由来になっているギリシャ神話をモチーフにした歌詞になっています。果実園にいた女性が黄金のリンゴを奪いに来た兵士に殺されてしまい、その様子を見ていた精霊が彼女を慈しんでカンパニュラの花を作ったと言われているらしくて。またカンパニュラの花が鈴のような形になっているから、音色も響いていくそうです。
その神話を知らなければ、失恋ソングっぽくも聴こえますが、神話がモチーフになっているということで今までにない雰囲気の曲にチャレンジできました。
――せつない曲なのに、サウンドや歌声はどこかさわやかさを感じて。
小倉:そうですね。いろいろなことを受け止め、前を向いていくけど、決して忘れたわけではない。そういった繊細な表現が歌詞だけではなく、サウンドでも表現されていると思います。