声優の浅沼晋太郎さんが東北6県を巡るフォトブック「みちのおく」発売記念連載インタビュー|第1回では浅沼さんと同じ岩手県出身の声優・八代 拓さんとの対談が実現!貴重な地元トークが炸裂!
岩手がもっと元気になるように! 二人が今盛り上げたいものとは?
――子供の頃、お二人はどこで遊んでいたんですか?
浅沼:僕は肴町でよく遊んでいました。
八代:僕も小・中学時代、肴町に毎日のように通っていました。
浅沼:肴町って、大昔からあるアーケード街で、服屋さんやレコードショップとかいろいろなお店が揃っていたんですよ。
八代:僕、「中三」というデパートにもよく行きました。
浅沼:僕もよく行ってたなぁ。震災の後ガス爆発事故があって、その影響で閉店してしまったけれど、「中三」にはなんでもあったよね。盛岡では、東京でいうところの109的存在だった。
八代:若者のホットスポットでしたよね。
浅沼:初めてCDを買ったのも肴町。アーケード街にある「東山堂」で。
八代:僕もそうです! ORANGE RANGEの「musiQ」を買いました。
浅沼:そうなの? これが世代の違い…(笑)! 僕はプリンセス プリンセスの「世界で一番暑い夏」と、爆風スランプの「リゾ・ラバ -resort lovers-」だった。今回の撮影の合間に除いたんだけど、東山堂は今も元気に営業してたよ。だけど、シャッターが閉まっているお店も多くてね……。
八代:寂しいですよね。徐々に復活はしているとは聞いていたけれど、僕らの思い出の場所だからずっと元気であってほしいです。
浅沼:本当にそうだよね。ほかにどこで遊んでた?
八代:「イオン」ですね。
浅沼:やっぱり「イオン」だよね(笑)。僕がいた時代は「ダイエー」とか「エンドーチェーン」だったけど。
八代:僕の時代もそうですよ! 途中で「イオン」になって。
浅沼:「イオンに対して絶対的信頼を置いている」ってのは、東北あるある(笑)。
八代:あの頃は、イオンに行くこと自体にワクワクしていたような気がします。東京にもある大きなお店ですからね。
浅沼:東京にあるお店が来るというだけで、地元は大騒ぎになるもんね。ドン・キホーテができるって時は、どこでもその話題で持ちきりだったみたい。
八代:ドン・キホーテが出来た頃には僕はもう東京に出てきていたんですけど、僕の耳にもそのニュースが届きました(笑)。「マッハランド」の中にできたんですよね。岩手のイケてる子たちが集まるスポットになったんだろうな。
浅沼:ちょっと悪い系の子たちのね(笑)。岩手にいた頃って周りに不良とかいた?
八代:まったくいませんでしたね。道端で喧嘩している人がごく稀にいたくらい。それも不良と呼べるかどうかのレベルだったと思いますし。
浅沼:僕の頃もそうだったんだよ。中学卒業後、岩手を出て仙台の高校に行ったんだけど、栄えている街の不良は「これぞならず者!」感があって、岩手では出会えそうにないなと思ったなぁ。岩手って、ほかの東北5県に比べて比較的穏やかだと思うんだよね。方言の口調も柔らかいし。
八代:確かにそうかもしれません。岩手って本当に平和な場所でしたよね。
――そんな平和な地元から東京に出てきて、驚いたりはしませんでしたか?
八代:ワクワクのほうが大きかったので、そこまで。よく母の実家に行くために仙台に行っていたので、それが予行演習になっていた気がします。
浅沼:岩手県民からすれば、仙台はメガロポリスだからね。予行演習にうってつけ。
八代:仙台に初めて行ったときは驚きました。「駅の構造はどうなっているんだ?」と。
浅沼:「ペデストリアンデッキ? なにそれ、すごい!」ってね(笑)。
八代:あと、姉が僕より先に上京していたので、東京に何度か遊びに行ったこともあったんです。おかげで自分が状況する前に、東京に体を馴らしておくことができていたのかなって。
浅沼:いきなりだとびっくりしちゃいそうだもんね。心臓から遠い所からかけ湯をするのって大事だよ。特に東京という大浴場に入るには。
八代:足の先から丁寧にかけ湯しておいてよかったです(笑)。
浅沼:僕も子供の頃に日本舞踊をやっていた関係で東京によく行っていたから、八代くんと同じ感じ。大学で上京してすぐに肩までザブンと東京に浸かることができたよ。
むしろ、久々に地元に帰ってみると景色が変わっていることのほうがびっくり。発展していくことは嬉しいけれど、どこか寂しい気持ちもあって。
八代:それ、すごくわかります。
浅沼:そんな中でも、思い出の場所がちゃんと残っているとなんか嬉しいよね。僕、特に残り続けてほしい場所があるんだよ。
八代:どこですか?
浅沼:岩山パークランド。
八代:わ~懐かしい!
浅沼:冬は営業できないし、夕方には閉まっちゃう。言ってしまえば寂れた遊園地なんだけど、なんとかして盛り上げていきたいなと思っていて。父親との思い出もあるし、遊園地は僕にとって特別なものだから。今回、岩山パークランドでも撮影したんだけど、(iPadの写真データを見せて)見てみて。
八代:このパンダまだいるんですね! なんだか哀愁を感じますが……。
浅沼:そうなんだよ。日が出ている時間だったからまだいいけれど、夜に見たらたぶん怖いと思う(笑)。昔ヒーローショーのバイトしていたときに、ここのステージに立ったこともあったんだけど、ステージは閉鎖されて、別のアトラクションになっちゃってた。
八代:それは寂しいですね。
浅沼:このまま寂れたままだとなくなっちゃうかもしれない。だからなんとかして、自分の大事な思い出の場所を元気にしたいと思ってるんだよね。八代くんは盛り上げていきたい岩手のものってある?。
八代:僕はプロサッカーチームの「いわてグルージャ盛岡」です。昨年、グループ史上初のJ2昇格が決まったんですよ!
浅沼:それはすごい! 地元に根付いたスポーツチームがあるのは嬉しいよね。昇格とは誇らしいなぁ。これは応援しなくちゃいけないね。
八代:ちなみに、グルージャ盛岡のマスコットのキヅールくんがとっても個性的で、Jリーグマスコット界に衝撃が走ったんですよ。浅沼さん、ぜひ画像を見てください(スマホを見せる)。
キ:「スタジアム到着。私の活躍を乞うご期待」#キヅール#マスコット大運動会#いわてグルージャ盛岡 #グルージャ pic.twitter.com/miWqheZ0Jz
— いわてグルージャ盛岡【公式】 (@IwateGrulla) February 12, 2022
浅沼:えっと……。
八代:ですよね(笑)。
浅沼:これは鶴…かな……?
八代:そうです。折り鶴です。
浅沼:マスコットってことは、試合前にグラウンドに登場したりもするんだよね?
八代:もちろんです。元気いっぱいに、めちゃくちゃ動きます。
浅沼:確かにものすごく個性的……。こういうのって公募で決まったりするのかな?
八代:キヅールくんも公募です。いくつかの候補の中で、ダントツの得票数だったんですよ。
浅沼:すごい支持率だったんだね。キヅールくんの個性が呼び込む話題と共に、チームが活躍してくれたらいいね。
八代:今年からJ2の舞台で羽ばたいてくれたらいいなと思っています!
やっと出会えた同郷の後輩と──いつか一緒にアニメイト凱旋へ。
――同郷同士だと、共通の話題で盛り上がりますね。
浅沼:さっきも言いましたけど、岩手の人に東京で出会うことって本当にないんですよ。同じ業界でも、桑島法子さんなどの大先輩はいたけれど、キャリアが近い人にはずっと出会えなくて。
そんな中で八代くんに出会って、同郷と聞いた時は、本当に嬉しかったんです。離れれば離れるほど故郷が恋しくなるから、共通の話題が出ると気分も上がるし、親近感が湧く。年齢差によるジェネレーションギャップは多々あるけれど……。
八代:多々じゃないです、たまにです(笑)。僕は、岩手にいた頃から浅沼さんのことを存じ上げていたんですよ。NHKで放送されていたTVアニメ『ファイ・ブレイン 神のパズル』の特別番組に浅沼さんが出演していたのを観たのがきっかけで。同じ岩手県出身だと知って、その日から浅沼さんは僕の中で岩手のスターでした。
浅沼:恥ずかしいな。大谷翔平選手という大スターがいる岩手で、僕なんかがスターなんて。
八代:大谷選手もいますけど、やっぱりなりたい職業の最前線にいる人となると、特別ですよ。その後、僕が声優1年目くらいの頃にTVアニメ『ダイヤのA』が始まって。高校時代から大好きな漫画のアニメ化作品で、実はオーディションにも参加していたんです。
浅沼:そうだったんだ!?
八代:声優になって3度目くらいのオーディションでした。オーディションには受からなかったけれど、大好きな作品だからオンエアを見たんです。浅沼さんが倉持洋一役を演じていて、『早く僕も成長して、この人に会いたい』と強く思いました。地元にいた頃から尊敬していたから、初めてお会いできた時は本当に光栄だったんですよ。
浅沼:出会って数年経つのに、そんなこと今まで一度も言ったことないじゃん!今度お茶もちをたくさん買ってあげる!
八代:もしかしたら初めて話したかもしれません(笑)。でも本当のことなんですよ。お茶もち、一緒に食べましょう。
浅沼:初めて会ったのは八代くんと江口拓也くんがやっているWEB番組『さんたく!!!』だよね。今ではいろいろなお仕事で会うようになって、盛岡ではないけれど、岩手県で同じ朗読劇の公演もできて。次は盛岡にも行きたいね。
八代:その暁には、一緒に盛岡巡りもしたいです。
浅沼:それ、絶対に楽しいね!
八代:もし可能なら、浅沼さんにはえんじ色のジャージを着ていただいて。
浅沼:僕の通っていた中学のジャージね(笑)。あれこそ“芋ジャー”の代表格だよ。バーガンディーだなんてかっこいいもんじゃない。えんじ色というより、干し柿みたいな色だった(笑)。八代くんのところのジャージは何色だったの?
八代:僕のところは紺色でした。
浅沼:おしゃれでずるい! こっちは干し柿だぞ干し柿!
八代:でも裏地が紫で、芋ジャーの類でしたよ(笑)。それを着て、ビニールバッグを背負いましょう。
浅沼:昔を懐かしみながらね(笑)。あと、一緒にアニメイトに行きたい!
八代:大賛成です! アニメイトは高校時代に足繁く通っていた思い出の場所ですから。
浅沼:僕が子供の頃には盛岡にアニメイトってなかったんだよ。で、今は盛岡にもアニメイトがあると聞いて、何年か前に仕事の合間に寄ってみたの。こう言うとアニメイトさんをちょっと複雑な気持ちにさせてしまうかもしれないけれど……盛岡のアニメイトって狭いよね(笑)。
八代:確かに、こっちのアニメイトよりはかなりコンパクトです(笑)。
浅沼:声優になったからには、地元のアニメイトでイベントをやりたいなって思うじゃない? でも、あの広さだと……同じビルにある学習塾を借りるわけにもいかないし。
八代:学習塾でイベントは難しそうですもんね(笑)。
浅沼:だから、いつか広いところに移転できるように応援したいなって思うんだ。そして八代くんと一緒に店内でイベントができたらいいな。岩手出身の声優大集合みたいな。
八代:スケジュールが集まる人みんな集合で。すごく楽しそうです。僕もその活動に協力させてください!
浅沼晋太郎-東北6県たびBOOK-「みちのおく」商品情報
発売日:2022年3月31日(木)
価格:3,300円(税込)
浅沼晋太郎オールプロデュースの旅行写真集。約1年をかけて東北6県を巡り、各地の魅力を紹介する。本人自らタイトル、表紙や本文の写真セレクト、ページ構成まで担当したこだわりの1冊。
アニメイト特典
・イベント参加券(4月23日 大阪開催特典お渡し会) / 【先着参加】浅沼晋太郎 東北六県たびBOOK「みちのおく」発売記念イベント
・ブロマイド(6種よりランダム1枚)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。