![冬アニメ『オリエント』下野紘&和氣あず未インタビュー【連載第7回】](https://img2.animatetimes.com/2022/03/622192b2823a8_d85a09bd53d7e98b4b8e830a13f3c3c3.jpg)
四郎に感じた残酷な無邪気さ。付き従う七緒に「可哀想……」│冬アニメ『オリエント』犬飼四郎役・下野紘さん、犬坂七緒役・和氣あず未さんインタビュー
強敵を演じる難しさ。弱く見えないための演技とは?
──演じる上で意識したポイントを教えてください。
下野:最初は良い人っぽい雰囲気で演じていけば良いのかなと思っていたんですが、「とにかく、良い人というよりも、距離感がよくわからない人」「人の話を全く聞かない、人と会話ができていないようなキャラクターでお願いします」とディレクションをいただいて。
正直、かなり悩みましたね。でも、色々と悩ませてくれるキャラクターは、そのキャラクターのことをずっと考えていられるので楽しいですね。第6話に関しては、演じた後に家に帰ってもう一度台本を読み返したくらいです。もう一回、声に出して読んで「こういうのも良かったかな?」みたいに(笑)。
──和氣さんはいかがでしたか?
和氣:私はテープオーディションで決まりましたが、スタジオオーディションであれば監督さんや音響監督さんから指示がありますが、テープだけだったので、初登場のシーンとか自分の中でちょっとだけ不安な気持ちがあって。
演じる時に「声質はOKだけど、四郎に対しては常に呆れた感情で良いよ」と言っていただいて、先程のお話にもありましたが、四郎の部下ではなく、同じ立場、むしろ少し上の立場で良いのかな?と思いました。
七緒自身、四郎をかなり意識しているキャラクターですが、四郎が上機嫌な時は呆れた感じを出すように心掛けることもあり、未だに七緒を演じるのは難しいと思っています。
下野:なにかを抑えている感じがあるもんね。敵キャラだから感情を全部出すことはできないと言いますか。なにかもうひとつあるんじゃないか?という感覚はありますよね。
和氣:感情が死んでいるわけではないですからね。どこまで出して良いのか、これだと出し過ぎかな?とか。難しかったですね。
下野:今日もアフレコで「今日はいつもと違うシーンなので可愛く演じてください」って言われていたね。
和氣:(笑)
下野:ちょっと可愛く演じたら「ちょっと可愛過ぎますね。いつもの七緒との中間でお願いします」なんて言われていて。せっかく可愛く演じたのにね?(笑)
和氣:中間って難しいです…!
──なるほど(笑)。武蔵達との戦いでは、四郎の圧倒的な力も披露されましたが、演じるにあたって意識されたことはありますか?
下野:戦うことに対して楽しんだり、嬉々とした表情を見せていますけど、意外と戦闘中はアドリブがなくて。強いキャラクターはあんまり「はぁー!」とか言わないんですね。そうするとピンチ感が出てしまうと言いますか。
僕自身、戦闘シーンを演じるのを楽しみにしていたんですけど、「ここは(アドリブは)いらないよな? ここもいらないよな? ここだったらあっても良いのかな?」とか考えながら練習していて。実際にまだ映像を見れていないのでどういう風になっているのか楽しみです。
──和氣さんは戦闘シーンについていかがでしたか?
和氣:私は今まで、ほとんどバトルをしたことが無くて。可愛い女の子が魔法を使ったりとかはあったんですけど、武器を使って戦うことが無かったんです。
私のイメージでは、武器は重たいので戦う時は「はぁー!」みたいなイメージがあって。お芝居でも重さを感じるように、息も多めにしたんですけど、それだと七緒が弱く見えてしまうと言われて。
必殺技に関しても「つぶやく程度で、熱を持った感じでお願いします」と言われて。今までに経験のないことだったので、苦戦しましたね。
下野:僕は、それまで七緒に叱られていた四郎が、七緒に対して全く興味がない仕草をするところが印象的で……。
和氣:あれは怖かったです。
下野:「感情を無くすのか」と思いましたね。でも、感情を無くせば無くすほど七緒が可哀想になると思いながらも……演じるのが楽しくなっちゃいました(笑)。
どうやって(感情を)無くしていこうかと。改めて、好きの反対は興味がない、なんだと思わされたりもしました。
情報が多過ぎて大変!? この先の意気込みは?
──クライマックスに向かう中で、今後の見どころを教えてください。
下野:新キャラクターが出ます! このクライマックスのタイミングで!
和氣:武蔵の新しい姿にも注目ですね!
あと私は、第11話で七緒が「目に掻き傷のある白髪の中年男性」を探している、と気になることを言っていて。これは小次郎の親父さん(鐘巻自斎)のことですよね。どんな謎が隠されているのか個人的に気になっています。
──気になるところですね。
和氣:最初に登場した時から親父さんが一番タイプだったんです。
下野:そうだったんだ!
和氣:良い親父さんだなって思って、ずっと好きだったんです。でも、段々と「どういうことだ?」と親父さんの謎が気になっていきました。武蔵の回想の中にも、自斎に関する気になるシーンがあって…すごく痛々しいシーンでしたよね。
下野:まだ詳しくは描かれていないもんね。なんでああなったのか。もう、情報が多過ぎて先が気になる!(笑)。
──最後に、放送を楽しみにされている方へメッセージをお願いします。
下野:色々な伏線が残っていますが、どうクライマックスを迎えるのか。今後を楽しみにしつつも、個人的にはまだまだここからだと思っています。また四郎を演じる機会があれば嬉しいな……! その機会があると信じて、また台本を読み返したいと思います(笑)。
和氣:終盤もとても面白くなっております! 私は気になるキャラクターがとても増えました。七緒もまた出てくるんじゃないかなと思っていますし、演じるのに苦戦した分、七緒のことを考えてお芝居をしたので、もっともっとかっこいいところや可愛いところを見せられるんじゃないかなと!どうぞ楽しみにしていてください!
[取材・文/MoA]
『オリエント』連載バックナンバー
TVアニメ「オリエント」作品情報
![](https://img2.animatetimes.com/2021/12/61ab7dc9b4f93_9d9ec0084529a99c1aaadec463d6e791.jpg)
■放送情報
テレビ東京:1月5日(水)から毎週水曜24:00~
BSテレ東:1月5日(水)から毎週水曜24:30~
AT-X:1月6日(木)から毎週木曜21:00~
※AT-Xリピート放送:毎週月曜9:00/毎週水曜15:00~
※放送日時は変更になる場合がございます
■先行配信情報
アニメタイムズ・dTV・Huluにて先行配信
・開始:2022年1月5日(水)25:00~
■イントロダクション
別冊少年マガジンで大好評連載中!!
「マギ」の大高忍による、最新作が待望のアニメ化!!
鬼神の襲来により、日ノ本の覇権は“人”から“鬼”へと移った。
人々が鬼による支配を受け入れ、“武士”だけが戦い続ける動乱の時代に、
武蔵と小次郎は“最強の武士団”結成の夢を誓い、鬼退治に挑む!
武蔵役・内田雄馬、小次郎役・斉藤壮馬ら豪華キャスト出演!
“ネオ戦国”の世を舞台に繰り広げられる、王道バトルアクションが開幕!!
■ストーリー
時は戦国時代、日ノ本。
突如現れた“鬼神”により、覇権を争っていた戦国武将はことごとく討ち死にし、人の世は終わりを告げる。
それから150年、鬼神による支配に抗い、自由を求めて戦い続ける者たちがいた――その名は“武士団”。
幼い頃、小次郎の父から聞かされた武士の姿に憧れた武蔵と小次郎は、“最強の武士団”結成の夢を誓い合う。
しかし、鬼を神と崇める町で、人々にとって武士は悪とされる存在。
武蔵は周りの空気に合わせ「武士になりたい」と声に出せず、小次郎もまた武士の子として人々から疎まれていた。
自分の生き方に葛藤を抱えていた武蔵がある日、目にしたのは無感情に人間を引き裂く鬼の姿。
その真実を前に、武蔵は小次郎との夢を叶えるため、圧倒的な力を誇る鬼に立ち向かう…!
■STAFF
原作:大高 忍(別冊少年マガジン連載/講談社)
監督:柳沢テツヤ
シリーズ構成:國澤真理子
キャラクターデザイン:岸田隆宏
総作画監督:松本文男、崎本さゆり
プロップデザイン:きむらひでふみ
色彩設計:日比野 仁
美術設定:前田みつき
美術監督:坂上裕文
撮影監督:間中秀典
編集:山岸歩奈美(REAL-T)
音響監督:納谷僚介
音響制作:スタジオマウス
音楽:深澤秀行
アニメーション制作:A・C・G・T
製作:「オリエント」製作委員会
■主題歌
オープニングテーマ:Da-iCE「Break out」
エンディングテーマ:羽多野 渉「ナニイロ」
■CAST
武蔵:内田雄馬
鐘巻小次郎:斉藤壮馬
服部つぐみ:高橋李依
武田尚虎:日野聡
犬飼四郎:下野紘
犬坂七緒:和氣あず未
真田青志:石谷春貴
山本春雷:大西沙織
小雨田英雄:羽多野渉
鐘巻自斎:小西克幸