映画『ブルーサーマル』島﨑信長さん&榎木淳弥さんインタビュー|空に魅せられるーー声優ふたりが感じる空のイメージは?
なぜ空が青いのか……?話は意図せず、哲学的なところに
ーーこの映画では、空の描写も素敵でしたが、空にはどんな気持ちを抱いていますか?
島﨑:僕は空って夕暮れ時とか朝焼けとか、そういう特別感があったり、ミステリアスな感じ、ダークな感じのほうが勝手にときめくと思っていたんです。でもこの作品に出会ってから「青空って良いな」と改めて思うようになりました。子供の頃は青空が好きだったんですよ。でもちょっとこじらせてしまって違う空を求めてしまっていたけど、ここで何周か回って「王道って良いよな!」っていう気持ち(笑)。
あと空って、(自分の)表情が見えるというか、見ている人の感情で、見え方がすごく変わるものだと思うんです。同じ空を見ていても泣いている人もいれば、笑っている人もいる。自分の感情に左右されるものだと思うので、青空を見て良いなと思える状態でずっといたいなって思いました。自分の健康とかのバロメーターにもなるんじゃないかな。
榎木:いいことを言うなぁ。僕は空が青で良かったなと思いました。青である必要ってあまり感じないんですけど、何で青だったんだろうと思うときがあって。黄色だったら目が疲れそうじゃないですか。
なんで甘いものを食べて太るという設定なんだろう、甘いものを食べたら痩せる世界だったらいいのにな、っていうのと同じように、世の中うまくできているなぁと思うんですよ。なんで青なんだろうなって思うんですけど、何でなんですかね?
島﨑:深いね。
ーー空が青である必然性みたいなものは感じますよね。赤い空だったら殺伐とした世界になりそうですし(笑)。では、映像的に素晴らしいなと思ったところは、やはり空の描写ですか?
榎木:背景はやっぱりきれいでしたけど、空だけでなく自然の描写がリアルでしたし、匂いまで感じられるようなものでした。なので、地上の景色もいいなと思いました。
島﨑:自分の中で意外だったんですけど、僕も当然空の描写が一番自分に刺さるんだろうなと思いながら観ていたんです。でも、実際に気になったのが空の音、風の音なんですよね。
完成手前の作品を見させて頂いたのですが、家の環境で見ていても風の音がすごくて! カメラの位置で変わるんですよ。外から見た風を切る音があって、そこからカメラが機体の中に入ると、今度は機体の中から聞こえる風の音になる。そこのリアリティが思っていた以上にあって、実感できたんですよね。家の環境でも感じたので、映画館で大きな音で聞いたら、目でも耳でも空を感じられるんじゃないかなと思いました。
ーー本当に自分がグライダーに乗っているような気持ちになるかもしれないですね。
島﨑:映画館だと、ちゃんと過ぎ去っていったというのもわかる音響になっていますからね。でも音に集中して観ていると、機体の中だと壊れるんじゃないかくらいの気持ちになるんですよね(笑)。
ーーでは最後に、グライダーには乗ってみたいですか?
榎木:もう機会があるなら全然乗ってみたいです!
島﨑:倉持みたいな上手い人が一緒に乗ってくれたら、体験してみたいです。
ーー酔いそうではありますけどね。
島﨑:そこは倉持みたいにいきなり難度が高いことをする人ではなく、初心者向けに優しく飛んでくれる人にお願いしたいですね(笑)。
[取材・写真/塚越淳一]
アニメ映画『ブルーサーマル』作品情報
2022年3月4日(金)全国公開
スタッフ
原作:小沢かな『ブルーサーマル ―青凪大学体育会航空部―』(新潮社バンチコミックス)
監督:橘正紀 脚本:橘正紀 高橋ナツコ
主題歌:「Blue Thermal」SHE’S(ユニバーサル ミュージック)
挿入歌:「Beautiful Bird」SHE’S(ユニバーサル ミュージック)
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
製作:「ブルーサーマル」製作委員会
配給:東映
キャスト
堀田真由
島﨑信長
榎木淳弥
小松未可子
小野大輔
白石晴香
大地葉
村瀬歩
古川慎
高橋李依
八代拓
河西健吾
寺田農