
10周年を越え“ClariS第二章”が幕開! アルバム『Parfaitone』ClariSインタビュー「今までの私たちらしさも、これからのClariSも、全部感じていただける、パフェのような1枚に仕上がりました」
ラストの「アイデンティティ」は今までもこれからも感じられる曲に
──ミニアルバム『SUMMER TRACKS-夏のうた-』から「Summer Delay」が14曲目に収録されています。タイトルどおり夏の曲なんですけど、イヤホンで聴いたときに驚きました。
カレン:いろいろな時空が出てくるっていう(笑)。
クララ:Delayは遅れてくるという意味があって、実際に音が遅れて聴こえてきたり、感情が遅れてきたりっていう、面白い曲です。最初に聴いたときから、音だったり、歌詞だったりが、全部Delayという言葉にリンクしていくというのが面白くて。実際に私たちもすごく大好きな楽曲なので、今回のアルバムに入って嬉しかったです。
──<共鳴なんてしらじらしい>というクールな雰囲気は、ClariSの楽曲では珍しい気がします。
クララ:そうなんですよね。大体の楽曲が良い方向を終わっている中で、切ないまま終わっていて。何もかも投げ出しても、なにかのせいにしないと自分を保っていられないという、そういう荒ぶれた心情を歌っているのもClariSとして珍しいなと思います。でもエフェクト遊びもあって、夢の中のような幻想的な雰囲気もあって。それがまたClariSとマッチしていて、私たち的には歌っていて楽しい曲でもあります。
──ラストには「アイデンティティ」という、おふたりの気持ちを改めて感じさせるような曲が入っています。
クララ:この曲自体は恋をする女の子の気持ちを描いたものなんですが、私たちに当てはまる部分がすごく多くて。例えば<凸凹だからこそ助け合うことができる>という部分は、私たちも、正反対な性格だったり、得意不得意なことが真逆だったりするんです。その直後にある<それぞれが違うこと 変わっていく関係 素敵なことだと思えたよ>という言葉の通り、得意なほうが教えたり、支え合ったりして、補い合って今のClariSができあがっていると感じています。だから私たちらしいなって。歌も掛け合いのような感じになっているので、片方が語りかけるのではなく、お互いに言い合っているというところも素敵だなと思っています。
カレン:今のお互いのことも思い浮かびますし、出会ってきた頃の私たちのことも思い浮かぶような楽曲になったなと思いました。歌い始めたときは……最初はたぶんふたりとも、どうしていこうかって試行錯誤したり、不安もあったりして。出会った人たちに自信をもらったり、教えてもらったりしながら、ここまで進んでいくことができたんです。今の私たちがあるのは、ファンの皆さん、助けてくださるスタッフの皆さんがいてこそのものだと思うので、そういった私たちの思いも感じていただける曲になったんじゃないかなと思います。
──私は勝手に、ファンの方たちへのラブレターでもあるのかなと思っていました。
クララ:そうですね。Dメロの<辿り着いたこの場所から見える景色が私の宝物>というのも、ステージから見える景色が思い浮かんで。まだまだ辿り着いた、という実感はそう多くはなくて、これからもっと新しい私たちを見せていきたいという思いはあるんですけど。
カレン:私たちClariSは、ファンの皆さんのこと、スタッフの皆さんのことをファミリーのような、一つの輪のような関係でできているので、その輪の関係を当てはめることもできる楽曲だなと思ってます。
──ClariSとしてステージに立っているのはおふたりですけど、いろいろな人の手をつないでいるからこそ、存在しているんだなって今日お話をおうかがいしながら感じました。
クララ&カレン:本当にそうですね。
クララ:ふたりだけではできなかったこと……というか、ふたりではできないことだらけなんですよね(笑)。
カレン:うんうん(笑)。できないことだらけです。
クララ:私たちも改めてそういうものを感じて、感謝できるような楽曲になりました。
──通常盤ボーナス・トラックには「もういちど ルミナス feat.丸山彩 from Pastel*Palettes」が収録されています。リズム&アドベンチャーゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』期間限定実装曲であり、「ヒトリゴト」以来のPastel*Palettesさんとのコラボレーション曲です。
クララ:普通のコラボレーションではなく、ゲームの中のバンド・Pastel*Palettesさんとのコラボレーションという形で、声優の彩ちゃんの声がすっごく可愛くて。楽曲自体もバンドサウンドでありながら、可愛らしさのあるものだったので、クララ、カレンというキャラクターになりきって歌いました。
カレン:バンドの一員になれたような感じで歌えて。彩ちゃんの声が可愛いく歌詞にはメッセージ性があって、ストレートに思いを伝えているので、そこは崩さないように歌いました。コラボレーションで丸々一緒に歌うということがこれまでなかったので、3人バージョンを聴いたときに不思議な気持ちになりました。
―――アルバムのもう一つの目玉でもあるTrySailさんとの初コラボ曲となる新曲「オルゴール(ClariS×TrySail)」(TVアニメ「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」Final SEASON –浅き夢の暁- 最終話エンディングテーマ)も収録されていますね。この聞き所についても教えて下さい
クララ: 今回はTrySailさんとのコラボということで、5人でのハーモニーを聞くのがとても新鮮で、一人一人がみんな違う声なのに素敵な1つのメロディに仕上がっている所がお気に入りです。2人では感じられない厚みや、それぞれの表現も皆さんに楽しんでいただければ嬉しいです!ゆったりとしたサウンド、優しいメロディではありますが、強い気持ちや意思も感じていただける歌詞にもなっていますので、そちらも注目して頂けると嬉しいです。
カレン: 「オルゴール」でTrySailさんとコラボさせて頂けて、本当に嬉しいです。TrySailさんはアニメの声優もされているので、キャラクターの思いと共に歌を届けられているような気分でした。嬉しさの中にも不思議な気持ちがあります。「オルゴール」は自分、そして仲間を信じながら目の前に降りかかる葛藤や迷いと戦い、それを超えた先に待っている明るい景色が見えるような歌詞になっています。キャラクター1人1人が抱えている、重たくて暗い感情が歌とともにふわっと浄化されていくように感じられて、メロディもお気に入りです。エンディングにぴったりな楽曲になっていますので、是非アニメと併せて沢山聴いて頂きたいです。