春アニメ『群青のファンファーレ』風波駿役:土屋神葉さんインタビュー|競馬学校で葛藤する少年たちの姿から見えてくる大切なもの。土屋さんが自分の道を決めるときに大事にしてきたこととは?【連載2回目】
2022年4月2日より放送開始したTVアニメ『群青のファンファーレ』。競馬学校で騎手(ジョッキー)を目指す少年たちの青春群青劇を描くオリジナル作品で、入学から卒業までの3年間が描かれます。
少年たちの“青春”だけでなく、競馬学校ならではの過酷さも描かれる本作。騎手を目指す道にはたくさんの大きな壁が待ち受けており、彼らがどのように乗り越えてくのか、成長過程が魅力でもあります。
そこで、アニメイトタイムズでは、メインキャスト8名にインタビューを実施。第2回目にお届けするのは、風波駿役の土屋神葉さんです。
土屋さんが演じる風波駿は、自然に囲まれた島でラジオで競馬中継を聞いて育った天然っ子。競馬学校に入学するまで乗馬経験はなかったものの、天性のセンスを発揮します。
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土屋さんにとって身近に感じる競馬学校
——本作は競馬学校を舞台にしたオリジナルアニメ作品です。最初に、脚本や設定を読まれたときの印象をお聞かせください。
風波駿役・土屋神葉さん(以下、土屋):競馬学校がテーマになっている作品はなかなかありませんが、今は競馬界が盛り上がっていて若い層にも広がっていることもあり、競馬の世界をより深く知ってもらえる作品なんじゃないかなと思いました。
たくさんの人に競馬界を知ってもらいたいという想いが詰まった作品に携わることができてすごく嬉しいですし、騎手にも物語があるんだと知っていただけると、競馬というものに対して多面的に見ることができるきっかけになるのではと感じています。
騎手になることの難しさもきちんと描かれているので、ただの青春群像劇ではなく馬と人が一体となって走ることはどういうことなのかという部分も知ることができる作品です。
——もともと競馬学校があることは、ご存じでしたか?
土屋:はい。中学の同級生が卒業後にイギリスの競馬学校に入学した事もあり、もともと知っていました。その子は途中で身長が伸びすぎて辞めてしまったんですがて。まさか、自分も作品を通して競馬に関わるとは思いませんでしたが、そういうこともあって結構身近に感じていました。
——ご友人が競馬学校に入学されていたのは、すごく身近な出来事ですね。
土屋:そうなんです。その子は145cmぐらいで小柄だったんですけど、数年後に会ったら195cmになっていて。信じられないスピードで伸びたそうです。
——身長が高くなると体重も増えてしまうので、体重制限のある騎手になるためには本当に難しいことなのでしょうね。
土屋:この作品ではそういった騎手独特の厳しさも、わかりやすく描かれています。実際に騎手として活躍されている方を見たとき、「この人たちはいろんなものを乗り越えて、馬に乗っているんだな」とわかるだけでも競馬を違う角度から見ることができるんじゃないかなと。競馬についてあまり知らない方でも感情移入しやすくなっています。
昨年末に、(矢野)奨吾くん、Lynnさん、レッド吉田さんとゴルゴ松本さんで有馬記念の特番をやらせていただきましたが、そのときもお馬さんが必死に走っている姿を見て、そこにひとつの物語があるんだと感じました。たぶんレースを見ながらLynnさんは泣いていたんじゃないかな? 僕も実は泣きそうでした(笑)
——確かに、そういうバッグボーンを知ってレースを見ると、泣きそうになります。
土屋:そういった場所を目指す競馬学校の生徒や馬に関わる人々をアニメーションとして描くのは、とても良いことだと思います。これまで僕自身、様々な競技を題材にした作品に出演させていただくことが結構ありまして。
そういったアニメを見てくださる方が興味を持って、実際にやってみよう、関わってみたいと思ってもらうのが1つの目標です。今回の競馬に関しても、この作品を通して「騎手になりたい」と思う子どもたちがいてくれたら嬉しいです。
放送から10年くらい経ったころに、“実はこの作品がきっかけで騎手になりました”という子がいたら良いなと。そういう夢を膨らませながら、携わらせてもらっています。
——本当にそうなったら、エモいですね……。
土屋:Instagramをやっているので、そういった場を通して皆さんからの反応を知ることはできますが、実際携わっている作品をどのくらいの人が見てくれているのか、あまり実感がなくて寂しいなと思うことがあるんですけど……実はこの前、小学生の子が自分が出演していたアニメをきっかけに競技を始めて大会で連覇しているという話を聞いて、感動したんです。そんなにキャリアが長くない僕でも、そんなことがあるんだなと。だからこそ、この作品もそういうきっかけになれば良いなと思っています。