春アニメ『アオアシ』青井葦人役・大鈴功起さん、冨樫慶司役・八代 拓さんインタビュー|Jユースでプロを目指す少年たちの熱い気持ち。アシトと登場人物たちとの間に生まれるドラマやアニメーションならではの息づかいに注目!
時代の狭間にあるように感じる“Jユース”
ーー本作はJリーグの“ユース”を描いていますが、ユースに対してどのような印象を抱いていたのかお聞かせください。
大鈴:僕はJリーグにそもそもユースがあるということを知らなかったので、この作品を読んで初めてそういうものがあるんだと知りました。
すぐにネットで調べて試合の映像も見たんですけど、僕が思い描いていた高校年代のサッカーとは全然レベルの違う戦いが繰り広げられていて、素人からしたら全員がプロになれるんじゃないかと思ってしまうぐらい迫力がありました。
でも、実際の世界ではそうスムーズにプロになれるわけではなく、ユースの中でも一握りの選手だけがプロになれる世界。もしかしたら、ちょっと声優業界と似ているのかなと思ったりもしました。
八代:あ~!養成所のような感じと近いかもね。
大鈴:はい。それまではJリーグもあまり観戦をしたことはなかったんですけど、詳しい友人にサッカーを教えてもらったり、一緒にスタジアムに行って観戦したり、「DAZN」(サッカーをライブ中継している配信サイト)に登録して試合をたくさん見たりしたので、サッカーが大好きになりました。
八代:お~!いいね!
大鈴:あと、前まではボールばかり追って見ていましたが、この作品に携わってからボールを持っていない選手の動きにも注目するようになって、サッカー観戦の楽しみ方が一気に広がりました。
八代:確かに。ボールを操ってゴールした瞬間だけでも十分に楽しめるけど、『アオアシ』を読むとより楽しくなるよね。
僕の中でユースという環境はものすごく過酷なイメージがあります。海外でいうと、ユースに入りそこからスカウトされたり昇格したりしてプロデビューする流れは比較的決まっていることだと思うんです。
ただ、Jリーグの場合、ユースだと小学校から年代別にあって、そのまま上がっていってプロになるJリーガーの方もいらっしゃる中で、高校サッカーで活躍してプロになる方もいます。
そういう意味では、“Jリーグのユース”という存在は時代の狭間にあるのかなと強く感じるんです。プレミアリーグみたいなものが高校年代にあるんですけど、高校とユースの差というか、それはすごく際どいものなんだなと。
ユースがもっと盛り上がっていけばJリーグ自体の盛り上がりやレベルもどんどん盛り上がるんじゃないかなと思いつつ、高校サッカーならではの強さも捨てがたい。どっちが良い悪いとかではなく、選択肢の1つであるがゆえの難しさや過酷さが、Jリーグだとより狭き門になるというか、より大変なのかなというイメージがあります。
ーー確かに。高校サッカーもその良さはありますが、ユースはさらにプロに近い位置で自分の能力を育てるというイメージがあります。
八代:たとえば、久保建英選手はバルセロナのユース育ちですし、海外だとユースは当たり前になっているように思いますが、日本だと当たり前ではなく、選択肢の1つになっているような気がします。ただ、これから少しずつユースの力は大きくなっていると思うので、注目されることも増えるんじゃないかなと思います。
大鈴:高校サッカーもユースも、どちらにも良さがありますよね。
八代:うんうん。そういうところも『アオアシ』で描かれているので、ぜひ注目していただきたいです。
ーーちなみに、お二人がユースに入って活躍するとしたら、どのポジションにつきたいですか?
大鈴:やりたいのは「FW(フォワード)」です。点を取りたいですね!
八代:いいね~!そう言ってほしかった!
大鈴:あはははは(笑)ただ、僕がもしFWになったとしたら、仲間が繋いでくれたボールを決めなきゃいけないので、その重圧でガチガチになりそうです。
八代:僕は「ボランチ」というポジションをやってみたいです。いわゆるMF(ミッドフィルダー)の中で少し下がりめのディフェンスに近いポジションなんですけど、攻撃にも守備にも参加するすごく気がつかえるポジションなんです。自分が目立たなくてもチームに貢献できる立ち位置にすごく憧れます。
大鈴:周りを見ていらっしゃる八代さんにぴったりです!
八代:いやいやいや(笑)でも、頭が良くないとできないから……
大鈴:あ~……
八代:そこは否定するところ!(笑)
一同:(笑)