『四畳半タイムマシンブルース』を楽しむためのポイントまとめ

『四畳半タイムマシンブルース』が2022年にアニメ化決定!本作やその下敷きとなった『四畳半神話大系』などをご紹介!森見登美彦先生が描く、賑やかで個性的な作品やキャラクターの魅力とは

モチーフとなった作品と、その共通点とは

では、『四畳半タイムマシンブルース』と同じ世界観で描かれている2つのアニメ作品をご紹介します。

本作の視聴前にそれらを知っておくと、より一層楽しめること請け合いです!

四畳半神話大系

 

2010年にフジテレビ「ノイタミナ」枠で放送されたアニメ作品。

京都を舞台として、主人公「私」が「薔薇色のキャンパスライフ」の夢を描き、胸躍らせて門をくぐった大学で、個性豊かな仲間たちとともに過ごす”不毛な”日々が描かれた作品です。

物語では、数ある中から「私」が「これぞ」と選んだサークルによって「薔薇色のキャンパスライフ」が千変万化する様子が描かれます。

しかし、1話が終わるごとに時計が逆回転をする……つまり、次のエピソードでは「私」がまた希望に満ちて大学に入学するところにリターン。

別のサークルへの参加を選ぶことで、また新たな「私」のキャンパスライフが始まります。

どのサークルを選ぶかで、その後の大学生活はどんな風に変わるのか。または変わらないのか。

参加するサークルが変わっても、小津や明石さんを始めとする、「私」が関わりを持つ仲間たちは変わらない、という皮肉めいた「運命の黒い糸」を感じながらも、シチュエーションが変わるとそれぞれとの出会い方や関わり方も無限に変化していきます。

「あの時違う道を選んでいたら」と自らの選択を省みてしまう経験をしたことがある人も多いと思いますが、そんな「if」を体感出来るのもこの作品の楽しみのひとつと言えるでしょう。

同じ時間軸をループするという、『四畳半タイムマシンブルース』との共通点が垣間見えるのも大きな特徴となっています。

 

夜は短し歩けよ乙女

 

2017年に公開された劇場版アニメ作品。

同じく京都を舞台に、主人公の1人である「私」が、「『ナ』るべく 『カ』のじょの 『メ』にとまる」作戦、通称「ナカメ作戦」で、憧れの「黒髪の乙女」とお近づきになるべく奮闘するストーリー。

でありながら、その「黒髪の乙女」ももうひとりの主人公として、大好きなお酒を飲みながら京都の街並みを闊歩する、“とある一夜”の物語としても描かれています。

『四畳半神話大系』にも登場している樋口師匠や羽貫さんとの出会いに始まり、黒髪の乙女が出会っていく人々はみな個性派ぞろい!

「私」や「黒髪の乙女」が出会う人々との、愉快で摩訶不思議な出来事が旋風のごとく巻き起こる春夏秋冬が描かれていますが、これはたった一夜の間に起きたこと。

一夜のうちに、「私」は「黒髪の乙女」と親しい仲に進展させることが出来るのか!?

思わずクセになりそうなほど強烈な個性を有するキャラクターたちや、「黒髪の乙女」が息つく暇もないほど巻き込まれていくバラエティ豊かなエピソードが、色鮮やかに描かれる本作。

「黒髪の乙女」の歩みとともに、まるで夢のようなめくるめく一夜が体験できるストーリーとなっています。

“とある1日”がぎゅっと凝縮され、四方八方に花が咲くように展開していく様子は、『四畳半タイムマシンブルース』との共通点であるとも言えます。

 

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