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劇場版『オッドタクシー』現役大学生ライター2人で魅力考察してみた

劇場版『オッドタクシー』公開記念! なぜ若者を中心にバズった? 現役大学生ライターが考察してみた!

ついに劇場公開を迎えた『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』。TVアニメ『オッドタクシー』は、ほのぼのとしたタッチの画風とは裏腹に、本格的なドラマを見ているかのようなハラハラする展開で、多くの視聴者が釘付けにされました。

完全受注生産の形で発売されたBlu-rayBOXは、当初目標として設定されていた3000セットの2倍となる6000セットを売り上げるなど、その人気は留まることを知りません。

そんな本作が話題になった要因のひとつが、従来アニメを見ていなかった層に広く認知され、愛された点にあるのではないかと筆者は考えています。

筆者は大学生なのですが、普段アニメを見ない友人が感想をSNSで投稿することもたびたび見受けられました。感想をたどっていくと、どうやら筆者の身の回りだけでなく、若い方の感想が多いように感じました。

「『オッドタクシー』がここまで若者を惹きつけるのはなぜなのか。そこには何か特別な魅力があるに違いない!」

その答えを探るべく、筆者はアニメイトタイムズでライターをしている現役大学生のタイラさんと話してみることに……。最初は雑談程度だったのですが、それが思った以上に盛り上がりを見せたのです。

そこで今回は、現役大学生の二人が「なぜ『オッドタクシー』は若者を惹きつけたのか?」というテーマで語り合った模様を対談形式でお届けしていきます。

この記事をご覧になっているみなさんも、筆者たちと語り合っているかのように、あなただけの答えを見つけてみてください。

 

今回の登場人物

タイラ

最近格ゲーにハマっている現役大学生ライター。アニメは王道からマニアックなものまで幅広く網羅。『オッドタクシー』はアニメ放送途中からアニメイトタイムズの編集者からの紹介により、視聴を開始した。

せきどん。

本記事の執筆を担当。『少女☆歌劇レヴュースタァライト』などブシロード作品を中心にアニメをこよなく愛する。先日野球観戦に行ったところ、応援するチームが最終回で逆転負けしてしまい、とてもショックを受けている。『オッドタクシー』は第1話からリアルタイムで視聴していた。

 

流行った理由その①:インフルエンサーの上手な活用

まずは、若者に流行った根本的な理由について探ってみましょう。筆者の身の回りの話で言うと、今の大学生といえば、InstagramやTwitterを始めとしたSNSを頻繁に利用しており、流行に敏感であることが挙げられます。

そんな大学生が『オッドタクシー』に触れるきっかけには、インフルエンサーの活躍があるようです。


せきどん。:今日はお時間いただいてありがとうございます。今回は『オッドタクシー』がなぜ大学生にウケたのか。そして映画の見所について思うところを存分に語り合いましょう!

タイラ:よろしくお願いいたします!

せきどん。:そもそもタイラさんが本作を知ったきっかけはなんだったんですか?

タイラ:アニメイトタイムズの編集の方におすすめされたんですよ。『オッドタクシー』めちゃくちゃ面白いよって。アニメは割と終盤の方だったんですけど、サブスクで全話みることができたので一気に観ちゃいました。

せきどん。:確かに終盤になるにつれて視聴者が増えていったような気がします。

タイラ:評判になった後にサブスクで公開されているものを後から追いかけてリアタイ勢に追いつけるようになっていることも、作品が愛された理由のひとつかもしれませんね。

せきどん。:早速作品の持つ魅力の部分の話が出ましたが、タイラさんが思う、大学生をはじめとした若い視聴者を増やすことができた理由ってなんだと思いますか。

タイラ:僕はやっぱり影響力のある人が作品について取り上げやすい環境を作ったことが大きいと思いますね。

せきどん。:本作はキャストさんにお笑い芸人の方を起用するなど、若い視聴者の入口となるような工夫がされていました。


 

タイラ:僕はお笑い芸人さんを起用したメリットは他にもあると思っています。それは周囲の芸人さんも面白がって反応していたことです。

せきどん。:なるほど! 今調べてみたんですけど、ラジオで芸人さんが『オッドタクシー』について取り上げていていることが何度もあったようです。

タイラ:こうやって著名人がいい評価をすると大学生ってそれに釣られて作品を見ると思うんですよ。僕もラジオでエンタメ紹介されて見るのザラにあります。

せきどん。:大学生って話題のものとか好きですからね。それこそ登場人物の樺沢みたいに(笑)。

 
タイラ:(笑)。芸人さんが拡散すると、何か面白そうだなと見てみる人って結構いると思います。これによってまずは作品に「出会う」機会を作れたことが大きいですね。

『カメラを止めるな!』という映画も口コミで知名度を高めていきましたが、それと同じように『オッドタクシー』はクチコミによって作品の認知度を大きく高めた。それが私が考える本作が大学生の間でバズった要因です。

 

ここで大事なポイント!

・大学生が好きな芸能人やインフルエンサーが『オッドタクシー』にハマっていた

 

流行った理由その②:ゆるいタッチのキャラクター

引き続き、大学生が本作に惹かれた要因を考察していきます。先ほどタイラさんが挙げた作品に「出会う」きっかけとなる仕掛け。次に話題に上がったのは、作品に「入り込む」ための仕掛けでした。筆者はそのポイントが本作の絵にあると考えました。


 


タイラ:せきどん。さんは本作が大学生に広く浸透した要因は何にあると思いますか。

せきどん。:僕はズバリ作品のタッチ、画風にあると思っています。

タイラ:と言いますと?

せきどん。:『オッドタクシー』の絵って、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』みたいに「おおっ!」って感じの絵ではないじゃないですか。

タイラ:あれ、褒めてますよね?

せきどん。:もちろんですよ!

僕はこの画風だったからこそ、本作が多くの人の手に届いたんだと思っています。やっぱり普段アニメを観ない層の人たちってアニメを観ることに対してのハードルが少し高いと思います。

でも、本作は絵がアニメっぽくないからアニメに詳しくなくても気軽に観ることができる。これは大きな魅力だと思います。最近の作品だと『王様ランキング』なんかも似た傾向だと思います。

タイラ: なるほど! 確かに普段アニメを観ていない大学の友人から話をされることも多かった気がします。

せきどん。:だからといって従来のアニメファンも蔑ろにしなかった点が本作のすごいところだと思います。

タイラ: それはどんなところからそう思ったんですか?

せきどん。:アニメファンなら誰でも知っているような豪華声優陣を使っていることはもちろん、絵柄にも工夫があると思います。

今回、お笑い芸人の方を声優に起用されています。しかもその声がキャラクターによく合っていたんです。これは絵柄のおかげだと思います。

よくある深夜アニメの絵柄だと、どうしても「有名な声優さんの声がこの顔から出てくる」と予想して見てしまうと思うんです。深夜アニメのノリに慣れちゃってるというか……。

でも、『オッドタクシー』は、みんな動物の姿をしているし、ちょっと絵本のような印象もあるんですよね。それが逆に合っていたというか。

タイラ: 本作は「プレスコ」というセリフを先に収録する方法を採用していますし、そういった部分への配慮は他にもされていそうですね。

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ここで大事なポイント!

・アニメっぽくないタッチでアニメファン以外の層を入りやすくした
・かわいいタッチだからこそ、様々なジャンルからキャストを選ぶことができた

 

流行った理由その③:話題にしやすい環境づくり

最後にここまで話した2つの要素から「出会う」「入り込む」だけでなく、「話題にする」ための仕組みづくりも見えてきました。若者の間で拡散しやすくされる仕組みとはどのようなものなのでしょうか。


せきどん。:僕はオッドタクシーが若者に広く広まった理由はもう一つあると思っています。それは「話題にしやすい環境が整っていた」という理由です。

タイラ:ここまで話してきた若者に身近なインフルエンサーの起用もその一因ですね。〇〇さんが出ているから見てみなよって紹介しやすいですもんね。

せきどん。:おっしゃる通りです。ここまでお話ししてきた「出会う」「入り込む」ための工夫がそのまま「話題にする」ための環境づくりに繋がっています。

タイラ:いい作品はいろんな人に教えたくなっちゃいますもんね。

せきどん。:それをさらに加速させたのが、SNSの上手な活用だと僕は思います。

Twitter、Instagram、YouTube、TikTokにそれぞれ公式アカウントがあるのですが、どれもコンテンツが充実しているんですよ。例えば、樺沢のTwitterアカウントが本当にあるって知ってます?

タイラ:え(笑)本当にあるんですか?

 
タイラ:すごい!本当ですね。

せきどん。:こういう風に細かいところにまでに力を入れてSNSを運用することで作品の世界観を形成しているのはもちろん、友達同士で話題にしやすい環境づくりができているのだと僕は思います。

タイラ:なるほど!SNSにコンテンツが頻繁に投稿されていると、話題に上がるきっかけになりやすいですもんね。

せきどん。:本当にそうだと思います。友人同士の「こんなに面白いことしている作品があるんだよ」というような会話のきっかけになり、そこから今まで作品を知らなかった人にも拡散するきっかけになると思います。

タイラ:作品に出会い、入り込み、そして最終的には話題にしてまた新たな人と本作との出会いを生む。こうしたサイクルが生まれているから若者に受けているんですね!

せきどん。:これは真理に気がついてしまったのかもしれませんね(笑)。

 

ここで大事なポイント!

・SNSを上手に活用したことで話題にしやすい環境作りをした
・「出会う」「入り込む」「話題にする」というサイクルが生まれ、作品がどんどん拡散された

 

(C) P.I.C.S. / 映画小戸川交通パートナーズ
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