最終的にはハッピーな結末を――『テクノロイド』誕生秘話が明らかになった、公式サポーターズクラブ初のイベントレポート&イベント後のRUCCAさん&浦和希さんインタビュー!
ファンのグッズを見てプロジェクト始動を実感/終演後インタビュー
――まず本日のイベントの感想をお聞かせください。
コバルト役 浦 和希さん(以下、浦):コロナ禍ということで、会場ではご来場いただける人数が限られている中で、熱気がすごくて、皆さんの『テクノロイド』愛が伝わってきました。
企画原案・全楽曲作詞 RUCCAさん(以下、RUCCA):客席の前列にすごいカバンの方がいたよね。
浦:いました! バックにいっぱい缶バッジを付けてくださって。そういう形でも愛情が目に見えるのは嬉しかったです。
RUCCA:(キャラクター原案の)LAMさんが描いたグッズをお持ちの方が多くて、実際に目にできたことでプロジェクトが確実に動いているんだなと実感できました。このデリケートな状況の中で来場していただいたことだけでも嬉しかったんですけど、配信でもたくさんの方が見てくださって。イベント中にもリアルタイムでコメントもくださって、ありがたかったです。
浦:作品を作る上でのアフレコやレコーディングなどはしていましたが、ファンの皆さんとお会いできると反応もわかるし、自分の仕事の成果をダイレクトに感じることができました。ここからがスタート地点ではありますが、今日を機に、もっと頑張ろうと思えたイベントでした。
『TECH-LOVE』トークイベントありがとうございました!!
— 浦 和希 (@urakazuki_) April 9, 2022
色んな秘蔵トークが飛び出して最高の時間でした☺️
いつか武道館!でのトークショーを目指して!
これからもよろしくお願いいたします!#テクノロイド https://t.co/TZrVAhNwkM pic.twitter.com/MBaLnOYDZn
――ステージに登壇した時から浦さんのテンションがすごくて。それに引っ張られた気がするし、RUCCAさんや田中宏幸プロデューサーさんも熱にあてられて、初出しのことや裏話をたくさんしてしまったのではないかなと(笑)。
浦:普段通りにやっただけなんですけど……。
RUCCA:現れた瞬間にステージ上や会場の雰囲気を明るく変えてしまうのは彼の持って生まれた才能だと思います。実は以前から思っていたけど、浦くんに話していないことがあって。
僕は下野 紘さんのアーティスト活動の中でほとんどの曲の作詞をしていて、とても親しくさせていただいていますが、いい意味での天真爛漫感や周りの人を明るくできる部分は浦くんも似たものを持っている気がするし、「決してお世辞とかではなく、もっともっと活躍していくんだろうな」」といつも思っています。今後、めちゃめちゃ売れていって、『テクノロイド』のスケジュールがとれなくなったらどうしようと心配しているくらいです(笑)。
浦:ありがとうございます!
RUCCA:今も『テクノロイド』がキャリアの最初期に決まった、意味のある仕事だったと言ってくれるのも嬉しいですし、「代表作です」と胸を張っていただけるように頑張りたいなと思っています。
浦:僕も頑張ります!
『TECH-LOVE』初イベントから一夜明けて凄く感慨深く kokoroが"インヴィジブル"のAメロの歌詞みたいな気持ちの朝です☀️(ワカリヅライ笑)
— 溝口®️UCCA 貴紀 (@Mizoguchi_RUCCA) April 10, 2022
改めて参加してくれた皆様へ最大限の感謝を🥲#テクノロイド をもっと盛り上げて"武道館ライブの夢"を実現できる様 頑張りますので今後とも宜しくお願いします🤲 https://t.co/voXIGpJtht
RUCCAさんが『テクノロイド』プロジェクトに関わった経緯
――RUCCAさんは、嵐などジャニーズ系のアーティストや下野さん、蒼井翔太さんなど声優アーティストの楽曲を数多く手掛けられている方なので、どんな巨匠かなと身構えていましたが、笑顔が素敵でフランクに話してくださって安心しました(笑)。
浦:これまでの作品群から、「ヒゲをたくわえた重鎮」みたいに想像された方もいるかもしれないですけど、全然そんなことはないです(笑)。
RUCCA:いたって庶民的ですよ。僕の口グセは「この仕事を早く終わらせて飲みに行こう」ですから。勿論、良い意味で(笑)。いろいろな方から作詞のお話をいただいて、いわばコバルトと同じ「なんでも屋」みたいなもので(笑)。気付けば、結構なキャリアを重ねさせて頂いてきたこともあって、他のひとがまとめきれない複雑な案件のピンチヒッターとして呼ばれることも増えましたが、そういった仕事を率先してやりたいわけではありません(笑)。
またこのプロジェクトを始めたきっかけにもつながることですが、これまでいろいろなお仕事をさせていただいた中で、Elements Gardenさんとは約300曲、一緒に楽曲を作ってきて。
浦:すごい! そんなにやっていたんですね!
RUCCA:僕がこれまで手掛けたのが850曲くらいなので、間違いなく僕のメインクライアントの1つです。そういった関係性から、Elements Gardenの上松(範康)さんから「一緒にゼロから新しいコンテンツを作ろう」というお話をいただきました。
ポニーキャニオンさんが出版部門の「ぽにきゃんBOOKS」を立ち上げた時、アニメ原作を作ろうという一環で、作詞家などから企画を募集していました。『ゴーストサプリ』という作品でラノベを2冊出していたことも、上松さんに伝わっていたこともお声かけいただいたきっかけの1つだったかなと思います。
Elements Gardenチームと企画を練る中で、『シンフォギア』シリーズにおいて、上松さんと共同原作の金子(彰史)さんからも、アドバイスをいただきながら1年くらいで土台ができました。そして以前から「かと*ふく」や「羽多野渉さん」楽曲などでご一緒させていただいた田中さんとタッグを組むことになりました。
浦:すごい! そんなことがあったんですね!
浦さんはオーディションの資料を見てすぐトリコに。アンドロイドたちの設定でRUCCAさんが意識したこと
――『テクノロイド』はどのように発想されたのでしょうか?
RUCCA:まずElements Gardenが手掛ける作品として、歌を歌うことはマストでした。また『うたプリ』で男性アイドルものがヒットした後、男性アイドルものの作品が増えてきたので、ほんの少し設定を変える程度では埋もれてしまうなと思ったんです。そこで、舞台は近未来にして、SF感やサスペンス感も出そうかなと。僕が手塚治虫先生の作品が好きだったこともあり、アイデアを練っているうちに、アンドロイドが歌うことにして、楽曲もテクノやエレクトロニック音楽に特化するのはエレガ的にもおもしろいかもと。
そしてストーリーを組んで、キャラについて考えているうちに化学の元素というアイデアが浮かんできました。元素の中から名前になり得そうなものを選んでいった形ですね。
とは言え、法則性を持たせているユニットもあります。一番わかりやすいのは、「メカニカメタリカ」ですね。金・銀・プラチナ・亜鉛という有名な金属元素の括りです。あとは、元素を選んだうえで、名前としての切り取り方にも色々と工夫を凝らしました。愛着を持って呼んでもらえるように、願いを込めてあります。
――浦さんが感じる『テクノロイド』の印象や魅力についてお聞かせください。
浦:オーディションの時は「壮大なお話だな」というのが第一印象でした。舞台は一部のコミュニティに限らず、世界全体を描いたうえで、アンドロイドの存在が当たり前にいることの理由付けもしっかりあって。僕は元々、理系だったこともあって、SFも大好きだったので、設定や資料を見て「めちゃめちゃおもしろそう!」と一瞬で引き込まれました。
そしてオーディションに受かって、ゲームの『テクユニ』の収録に臨んだ時、「20年後になったら違った見方ができる作品だな」と思ったし、年齢や経験を重ねると感じ方が変わる作品だなと奥深さを感じました。
RUCCA:アンドロイドの倫理観など細かい部分まで事前に設定されています。LAMさんの絵のキャッチーさ、浦くんなど演じるキャストさん、作中の楽曲など、入口はどこでもいいですし、どこに魅力を感じていただくのもいいけど、知れば知るほど味がいっぱいするようにはしたいと思って作っています。難しかったのは設定を増やし過ぎてもわかりにくくなってしまうため、取捨選択する作業はずっとやっていました。
浦:1つの設定をとっても、「なるほど!こことここはつながっているんだ」と後で理解することも結構あって。コバルトたちはアンドロイドだけど『kokoroプログラム」によって感情も発達していくし、人間のように思えるシーンもあるけど、どこか決定的に違うシーンもあって。だけど、物語が進んで、心が成長していくことでアンドロイドらしさと人間らしさの垣根がどんどん近づいていくように感じられて。
RUCCA:大事にしているのは彼らが「泣けない」ことで、あと「恋もしない」ことですね。
浦:確かに!
RUCCA:恋は人間だと直感の要素も強いですよね。対して、アンドロイドの彼らも経験の積み重ねで直感に近いものを計算できるようになるとは思うけど、一目惚れなどの感覚が簡単にわかってしまうのは違うなと思っていて。最後の最後まで愛を語れないことがテーマになっています。もしも、それに近いものがわかるとしたらどんな段階なのかはすごく大事に思っています。人間とアンドロイドの差を描いて、差別問題もテーマにしていますが、それらを決して薄暗く描きたいわけではなく、ちゃんと超えられるものとして、希望があるものとして見せたいというメッセージは一貫して持っています。
――浦さんが演じるコバルトの印象と魅力を感じる点をお聞かせください。
浦:最初は見た目がシュッとしていてカッコいいし、イケメン主人公なのかなと思っていました。でもオーディションを経て、実際に収録していくにつれ、「この子はバカなんだ」って(笑)。モノも知らないし、言葉をしゃべることができて体が大きいだけの赤ちゃんみたいで、何事にも疑問だらけで、「何で?」ばかり。その見た目と中身のギャップがコバルトの魅力かなと思います。
そして彼は一直線なんですよね。僕もたまに一直線になっちゃうことはあるけど、葛藤はするし、落ち込んでしまうこともあるし。コバルトも落ち込むシーンはあるけど、それ以上にプラスのパワーに満ちあふれていて。きっと彼が元来持ち合わせているもので、例え人間として生まれていたとしても変わらないんだろうなと思うし、僕もそのポジティブさは身に付けたいなと思っています。
◤TVアニメ『#テクノロイド』
— テクノロイド (@TECHNOROID_info) April 2, 2022
キャラクター紹介 ◢
コバルト(CV #浦和希)
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とある空き家で暮らす持ち主不明のアンドロイド。
『家族』のパラメーターが高く、共に暮らす3人を家族のように思っている。
💠プロフィールhttps://t.co/uQgepWDJx4#テクマイ pic.twitter.com/1DQ8sPRxKl
(C)芝浦アンドロイド研究室/TECHNO-OM Project