『きんいろモザイク』クラウドファンディング企画[連載第3回] 『きんいろモザイクThank you!!』を作った監督の名和宗則さん、アニメーションプロデューサーの富岡哲也さんにインタビュー【前編】
いまだから話せる!? 『きんいろモザイク』シリーズ制作秘話
──この質問も大勢のファンから届きました。シリーズを通して作るのがもっとも難しかったところは?
名和:2期の第10話かな。
富岡:難しかったですね。
名和:美術設定がないエクストラ回なので、ロケハンで撮影してきた写真素材のなかから場面を選んで、通常のアニメとはちょっと違う感じで制作しました。冒頭も通常のオープニングがつかずに、この話数だけのスペシャルな楽曲でオープニングを作りました。作業量が多かったので、大変でした。
──あの回は盛りだくさんでした!
名和:すごくボリューム満点なので、確実に尺がオーバーすると思っていたのに。コンテが上がったら、なんと3分もショートするという……。
一同:(笑)
──尺が足りないときは、どうするのですか?
名和:急きょ自分でアイデアを出して、ライターさんにシナリオにしてもらい、それをもとに絵コンテを追加で描きました。
富岡:いまだから言えるけど、1期で尺がショートした話数がけっこうありましたよね?(笑) シナリオでは予定になかったエピソードを、原作からもってきて追加したり。
──そうだったのですか! 後から追加するなんて、制作時間はどうなるのでしょうか?
富岡:時間はぜんぜんありませんから、まさに崖っぷちの状態です。『きんいろモザイク』は原作のストックがある作品なので、本当に助かりました。……って、この話はしちゃっていいのかな?(笑)
一同:(笑)
富岡:使われる予定じゃなかったエピソードも、土壇場でアニメにすることになりました。いまだから言いますけど、実はそんな状況で作っていました(笑)。
──毎週放送を見ている我々は楽しませてもらっていましたが、制作の現場はそうじゃなかったのですね。では、富岡さんが難しかった回は?
富岡:僕は難しいというよりも、純粋に作るのを楽しんでいるだけでした。もちろん障害はありましたけど、すべてにおいて「楽しかったな」というのが感想です。描いたものはすべて好きだし、最終的にはすべてよかった想い出ばかりです。
名和:終わりよければすべてよしですよね(笑)。