「清光にも強くなってほしい」新刀剣男士たちを交えた本丸で起こる出来事とは……!? 特『刀剣乱舞-花丸-』〜雪月華〜大和守安定役・市来光弘さんインタビュー
新しい発見だった南海先生と肥前の会話
——今回の新作でたくさんの新刀剣男士たちが初登場します。どの新刀剣男士たちも魅力的ですが、特に気になった新刀剣男士はいましたか?
市来:やっぱり新作発表と同時に新刀剣男士参戦の一振目として発表された長義です。発表当時からどんな風に関わってくるんだろう、国広とどう絡むんだろうとずっと気になっていました。
どうしても出陣している刀剣男士たちに注目しがちではありますが、登場から意味深な雰囲気を漂わせていた肥前忠広(CV:小松昌平)もカッコよかったです。
また、南海太郎朝尊(CV:野島健児)とのやり取りはもちろん、出陣ではゲームで具体的に見ることのなかった罠を作って時間遡行軍を追い込むシーンもあります。花丸の特命調査ではこういう戦い方をするんだなと新しい発見でした。
——確かに、南海先生と肥前のやり取りは楽しみにしている審神者の方も多いと思います!
市来:作品を見るまで全刀剣男士の性格を把握していたわけではなかったので、「この刀剣男士たちはこういう関係でこういう話し方、こういう絡み方をするんだ!」と思ったのが南海先生と肥前でした。
肥前に関してはカッコよさだけでなく、岡田以蔵の話をしているときに彼が抱えているものを感じられる部分もあります。そういう部分が垣間見えつつも、南海先生になついているような可愛らしいところも見られるので、ぜひ注目してもらいたいです。
あとは、静形薙刀(CV:阿座上洋平)と小夜左文字(CV:村瀬歩)のやり取りも良かったです。静形は体が大きめなので小さきものを怖がらせてしまいがちですが、心はとても優しい。やっぱり、この花丸にいる刀剣男士たちは明るくて穏やかだなと思いました。
新しい刀剣男士が増えることで、今までいた刀剣男士たちの新たな一面が見られたり、審神者の方たちにとっては一言二言でも「この刀剣男士たちはこういう会話をこの本丸でするんだ」と楽しんだりできるのではないのかなと思います。
市来さんが意識した“安定の成長”
——収録の様子について伺いたいのですが、どのような形で行われたのでしょうか?
市来:「雪ノ巻」に関しては、入れ替わり立ち替わりで収録しました。「月ノ巻」はいろんな方と一緒に収録する形が多かった覚えがあります。
——収録中、何かディレクション等はありましたか?
市来:具体的に大きなディレクションはありませんでしたが、
心がけたこととしては、彼(安定)は第1期を通して成長しているところがありますし、台本を読んでいると落ち着きや芯の強さを身につけているように感じました。
なので、少なくとも第1期で見られた危なっかしい部分や突っ走ってしまうような部分はなく、清光に任せてもらえるような彼の成長を意識して演じました。収録自体はスムーズに進んでいった感じです。
今はこのご時世で分散収録になっていますが、第1期の収録では年齢層がバラバラでも男性陣が多い現場でしたのでとても賑やかでした(笑)
——第1期の放送が2016年10月〜12月でしたので、もう6年前になりますね。
市来:収録だったらもうちょっと前になると思うので、ほぼ6年経っています。6年が経過してもこうやって作品に携わらせてもらえて、応援してくださっている方たちもたくさんいらっしゃることは本当にありがたいことです。
もちろん、第2期が終わってからも続編があれば良いな……と思ってはいましたが、まさか劇場で上映されることになるとは……嬉しい誤算でした(笑)。劇場で見られる三部作ということもあって、僕自身も反響がすごく楽しみです。
清光にも強くなってほしい
——TVシリーズを見てきた者としては、「雪ノ巻」での安定と清光の関係性も心に来るものがありました。安定と清光の関係性について、市来さんはどのように解釈されているのかお伺いしたいです。
市来:第1期の頃の安定にとっての清光は、先に本丸にいた“先輩”のような存在ではあるので頼りにはしているけれど、同じ主の刀だった、とも言われているので“頼られたい”という部分もあったのかなと思います。それでやっぱり自分も早く1人前になろうと突っ走ってしまって、その結果迷惑をかけてしまうこともありました。
でも、ちゃんと反省をして自分から修行の旅に出て心も体も強くなると決めて、そこで初めて自分の中で清光と対等になって、この本丸を自分だけじゃなくみんなで支えられる一振になっていったのかなと思います。
そして、対等になりたいと思いつつも、清光にも強くなってほしい。僕の考えなのであくまで憶測になりますが、誰よりも心も体も強いこの本丸を支える強い刀であってほしいからこそ、最後のシーンで清光にあのセリフが言えたのかなと。
清光にも強くなって、この本丸を誰よりも1番に引っ張っていってほしい想いがあるのかなと、僕個人としてはそう思いました。
——最後のシーンは、安定の清光に対する想いがまっすぐに表れていましたね。
市来:そうですね。寂しさもありつつも前向きな気持ちが表れているシーンだと感じます。第1期と第2期を見てくださった方にとっては心に響くシーンです。
——安定と清光が山姥切の二振に寄り添うところも、この2人だからこそできることなのかなとも思いました。
市来:“ライバルがいたら強くなれる”というようなことを言っていましたが、それは自分たちにも当てはまることですし、山姥切の二振にも当てはまる言葉だと感じました。
それにしても、長義の登場シーンは本当に喧嘩越しだったので「この本丸に馴染めるの!?」と思いました(笑)。
——また、清光と極の安定が力を合わせて戦うシーンも本作ならではです。個人的には、極になった安定の血の気が多いシーンが最高に痺れました。
市来:あはははは(笑)。僕もプッツンしているような、どこか楽しそうな安定が大好きです。収録しているときはどういった戦闘シーンになるのか具体的に見えていなかったので、実際に見てみると、気合いの入った映像になっていて感動しました。
花丸でも、あそこまでのクオリティの高い戦闘シーンが繰り広げられていて、スタッフさんの気合いも入っているんだなと改めて感じました。
——市来さんの演技も気合いが入っているように感じられました。
市来:僕はもう思いきり楽しんでいました(笑)。安定自体が戦闘シーンになると高揚しているので、自分も自然とテンションが上がっていたのかもしれません。戦闘シーンはもちろん、刀剣男士たちの日常っぽい様子が描かれているのは、アニメの花丸らしさでもあるのかなと思います。
——最後になりますが、劇場三部作を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
市来:『刀剣乱舞』を応援してくださっている審神者の皆さんには絶対に楽しめる作品になっておりますので、まずはこの三部作の第一幕となる「雪ノ巻」が「月ノ巻」「華ノ巻」に向けてどのような展開をしていくのか、新刀剣男士たちと今までいた刀剣男士たちとどのように絡んでどんな出来事が起きるのか、ぜひ劇場で見ていただければと思います。劇場三部作、最後までよろしくお願いいたします!
特『刀剣乱舞-花丸-』〜雪月華〜作品情報
雪ノ巻:5月20日(金)より3週間限定上映
月ノ巻:7月8日(金)公開
華ノ巻:9月1日(木)公開
ストーリー
時は西暦二二〇五年。
歴史改変を目論む“歴史修正主義者”による、 過去への攻撃がはじまった。
歴史を守る使命を与えられた“審神者(さにわ)”によって励起された 最強の付喪神“刀剣男士”。
これは、そんな彼らが“とある本丸”を舞台に、 ひたむきに、そしてほがらかに生きる“花丸”な日々の物語 大きな万葉桜が見守る本丸が、真っ⽩な雪で覆われる頃――。
刀剣男士の大和守安定と加州清光は思い出話をしていた。
それは、自身が名刀・山姥切の本歌であるという“山姥切長義”が時の政府の指令により、自分たちの本丸へ配属されてきたときのこと。
自身の写しである山姥切国広に対して挑発的な態度を取る山姥切長義と、彼に複雑な思いを抱く山姥切国広。
そんな二振の気持ちを汲み取り仲間を支える加州清光に心の強さを見た大和守安定は、加州清光にある提案をする。
一方、本丸に突然入電がくる。
告げられた特命は“歴史を改変されたまま、放棄されている世界”を調査しろというもの。
出陣先は幕末の世であった文久三年の土佐。
坂本龍馬の佩刀である陸奥守吉行を部隊長に、五振の刀剣男士たちは、歴史が改変されているという土佐へと向かう。
そこには、陸奥守吉行が知る土佐とは全く別の街並みが広がっていた。
彼らは先行して調査していた肥前忠広・南海太郎朝尊と合流し、歴史を改変した首謀者を討つため奔⾛する。
スタッフ&キャスト
声の出演:増田俊樹、市来光弘、濱健⼈、前野智昭、高梨謙吾、小松昌平、野島健児 ほか
原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMM GAMES/NITRO PLUS)
監督:直谷たかし
脚本:猫田幸
キャラクターデザイン・総作画監督:谷口淳一郎
サブキャラクターデザイン:森光恵、飯田恵理子
刀剣デザイン:秋篠 denforword 日和、中島絵理
プロップデザイン:伊澤珠美、秋篠 denforword 日和、小野和美
美術設定:高橋武之
美術監督:安田ゆかり(オリーブ)
色彩設計:伊藤裕香
撮影監督:呉健弘
編集:坪根健太郎(リアル・ティ)
音響監督:郷文裕貴
音響効果:中野勝博
音楽:川井憲次
アニメーション制作:動画⼯房
監督:越田知明 特『刀剣乱舞-花丸-』〜月ノ巻〜
監督:野呂純恵 特『刀剣乱舞-花丸-』〜華ノ巻〜
配給:東宝映像事業部