関東甲信が梅雨入り──雨の日が続く今こそ聞きたい、悲しみ、優しさ、自由にあふれた人間の「雨」にまつわる名言を5つご紹介【注目ワード】
2022年6月6日(月)、気象庁は関東甲信が梅雨入りしたとみられると発表しました。Twitter上でも「梅雨入り」がトレンドとなり、多くの方が「気が滅入る」と少しナーバスに。
しかし、雨というものはただネガティブなものではありません。恵みの雨と呼ばれるように、時には人の心すらも潤してくれるもの。
とくに、漫画やアニメ作品では、雨は人の心理を描写する一つのキーアイテムとして登場しています。
たとえば人の感情、人間らしさを丁寧に描写している『鋼の錬金術師』。雨(天気)そのものにフォーカスした『天気の子』など、数多くの作品で、雨にちなんだ人の心を揺さぶる名言があります。
今回は、そんな人の心ともリンクしている雨に焦点をあて、雨の日だからこそ心により深く刺さる名言を5つ、ご紹介。
雨の日こそ聞きたい名言
いかん、雨が降ってきたな。 |『鋼の錬金術師』ロイ・マスタング
亡くなった母を取り戻すため、禁忌である人体錬成を行ったエドワード・エルリック(エド)とアルフォンス・エルリック(アル)。その結果、エドは右腕と左足、アルは肉体すべてを失い、元の体に戻るための旅を始める──。
荒川 弘先生による漫画『鋼の錬金術師』。2回のアニメ化に映画も制作された大人気作品に登場する人気キャラクター、ロイ・マスタング大佐の名言です。
彼の士官学校時代の同期であり親友であるマース・ヒューズ中佐は、作中で誰よりも早く敵の正体に気づきました。しかし、その有能さ故に危険視され、早々に殺されてしまうことに。その早すぎる死に、読者からも哀悼の声が響きました。
そしてヒューズの墓前で、大佐は部下であるリザ・ホークアイ中尉に、自身の涙を言い訳するように語ります。親友の死を悲しみながらも、軍人として気丈に振る舞うその姿。そして、その気持ちを察する中尉の姿も印象的です。
女の涙に濡れんのは、もうごめんだ。 |『銀魂』坂田銀時
空知英秋先生による大人気作品で、2021年にアニメも完結を迎えた『銀魂』。義理人情にあふれたキャラクターたちの人の心に突き刺さる数々のセリフが印象的です。
今回取り上げるのは、主人公である坂田銀時が憧れているお天気お姉さん「結野アナ」を主軸とした「陰陽師篇」から。
天道の力で天気予報をしていた結野アナですが、対立する元夫の巳厘野道満による妨害で予報はことごとく外れ、民衆からは批判を浴び番組降板の危機に。
それでも自分の仕事を全うしようとする彼女の姿を見て、銀時はただのファンの一人として動きます。結野アナを笑顔にするために、そして長く続く雨を止めるために。
「こんな天気だ。血に濡れようが雨に濡れようが、たいして変わりゃしねーだろ。春雨だろーが、秋雨だろーが、血の雨だろーが。濡れて参ってやるよ。だが、女の涙に濡れんのは、もうごめんだ」
人として大切なものを忘れない銀さんだからこその名言です。
雨の中、傘をささずに踊る人がいてもいい。自由とはそういうことだ。 |『THEビッグオー』ロジャー・スミス
サンライズ制作のロボットアニメ『THEビッグオー』の主人公、ロジャー・スミス。
記憶を失った街「パラダイムシティ」を舞台にネゴシエーター兼巨大ロボット「ビッグオー」のドミュナスとしても活躍する彼は、人を殺すよう命じられたアンドロイドと対峙。
命令に従うだけのアンドロイドは、自身の行動は雨が降れば傘をさすくらい当然のことであると言い放ちます。
その言葉に対する返答がこの名言。自由を愛し、誰かからの束縛や支配を嫌う彼を体現する、思わず傘を放り投げてしまいたくなるような言葉です。
青空よりも俺はひながいい! 天気なんて狂ったままでいいんだ! |『天気の子』森嶋帆高
新海誠監督のオリジナルアニメ『天気の子』の主人公である森嶋帆高の名言。
彼は、祈りによって天気を晴れにすることができる少女「天野陽菜」と出会い、徐々に彼女に惹かれていきます。しかし、世界の狂った天気を元に戻すためには、彼女が犠牲にならなければならない……。
世界の青空か、大切な人か。究極の選択に対して帆高が出した答えは、ただ好きな人と一緒にいたいという少年らしい純粋なものでした。
明けてほしくなかった。 |『言の葉の庭』雪野百香里
こちらも同じく、新海誠監督によるオリジナルアニメ『言の葉の庭』から。
靴職人を目指している15歳の秋月孝雄。雨の日の午前中は授業をサボり、決まった場所で靴のデザインを考えます。そこで出会ったのがヒロインである雪野百香里。
徐々に親交を深めるものの、雨の日にしか会えない二人──梅雨の日は毎日のように会えていたけれど、梅雨が明けて会えなくなります。
孝雄は授業をサボらずに済むようになったから本来なら喜ぶこと。だけど、会えない寂しさに、彼女から思わず「(梅雨が)明けてほしくなかった」と本音が漏れてしまいます。
雨がずっと続くと気が滅入ってしまうけど、どこかの街でこんな二人がいるのなら、梅雨も悪くないと思えてしまう名言ですね。