無人島に降り立ったアムロからSDGsを感じました!|『ガンダム』沼にはまった20代の私の映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』レビュー
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』からガンダムにハマり、『ガンダム』を見てレビューを書かせていただいている杉村美奈です。『閃光のハサウェイ』から始まり、『機動戦士ガンダム』三部作、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』、『機動戦士ガンダムUC』、『機動戦士Zガンダム』と宇宙世紀を見てきました。
今回は宇宙世紀の続き、2022年6月3日(金)より公開されているアニメ映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』を鑑賞しました。
第1シリーズ『機動戦士ガンダム』の15話「ククルス・ドアンの島」をより細かく描いたアニメ映画。私は映画の三部作を見たので「ククルス・ドアンの島」のお話は知りませんでした。そこでネットで調べると、外伝的な感じなのだとわかります。
まずは映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』を新鮮な気持ちで見てみたいと思い、映画を鑑賞した後にTVアニメ15話「ククルス・ドアンの島」を見ました。
本記事では両方の『ククルス・ドアンの島』をレビューさせていただきます。
目次
アムロのいる世界に懐かしさと嬉しさがこみ上げる・映画『ククルス・ドアンの島』
CMを見ていた時から「なんだか絵柄がレトロだな」と思っていました。色合いや全体的に画面が明るい感じが三部作を彷彿させてくれます。思い返すと『ガンダム』シリーズに出会ったきっかけは『閃光のハサウェイ』ですから、早くも1年が経ったのだと改めて思いました。
大人なシャアも素敵ですが、人間らしい素直さを持つアムロが私は好きです。もうアムロの新しいエピソードは見られないと思っていたのですが、本作でまた動くアムロの姿を見れてとても嬉しく思いました。
感じたこと① 自然と共存するドアンたちからSDGsを感じる
総じて映画を見て最初に思ったことは「安彦良和監督は持続可能な社会と平和を後世に伝えたかったのではないか」です。メディア各所にて安彦監督は本作が最後の作品だと伝えています。他にも初期メンバーを登場させたいなどの願望もあったそうですが、私は映画を見て自然と共存する大切さを感じ、安彦監督からのメッセージなのではないかと思いました。
雨水を貯め、ヤギを飼い、食べる分だけ釣りや栽培する生活。持続可能で自然に馴染み、ドアンたちは生きています。そんなドアンの島へ降り立ったのは宇宙の人工空間で育ったシティボーイなアムロ。
首都圏に住み何一つ自分で生み出さずに生活している私はシティボーイなアムロと同じで、自然の中へ放り出されても何もできないのではないかと思いました。ガンダムを操縦できることがプライドのアムロが初めて自然と触れ合い、便利なスペースとは違う生活を味わいます。
アムロは山の険しさや水の大切さなどを知り、地形を生かした戦術の知恵を身につけるのです。まさにSDGsの目標のように、自然と共存し自活し持続可能な社会作りを私は教わりました。
感じたこと② 武装放棄することから始まる平和がある
映画の最後に『ガンダム』シリーズの代名詞とも言えるザクを海へ投げ捨てるシーンがあり、衝撃を受けました。子どもたちを守るためにあるザクを葬ってしまうとは……
しかしザクを捨てる前に、アムロはドアンとザクの戦いの匂いが争いを招くのだと話します。アムロの台詞から「敵が襲撃してくることを見据えて武装するのではなく、武装放棄することが戦わない、平和への近道である」と言われているような気がしました。
また、アムロがドアンを助けるシーンにて「他者を助けることで得られる平和がある」という安彦監督から後世へ向けた平和のメッセージなのではないかと考えています。
感じたこと③ 懐かしくてほっこりホワイトベースクルーがやっぱり好き
『逆襲のシャア』以来に見たホワイトベースクルーのやりとりが懐かしくて、ほっこりしました。泣いたり笑ったり、みんなの表情が豊かでとても可愛いな、好きだなと思います。
特に見れて嬉しかったのは、勇敢なセイラ、ブライトとミライの会話です。無人島にて連絡が取れなくなってしまったアムロ。アムロを放っておけないセイラは自ら機体を操縦し、強行的に無人島へ向かいます。上官に臆することなく信念を貫くセイラにグッときました。
また、ホワイトベースらしさとも言えるアムロや上官へイライラするブライト。むしゃくしゃしているブライトを宥めて、腹を括らせてくれるのはいつだってミライなのです。コーヒーを飲みながらブライトは心の内を話しミライは聞く、そんな2人の雰囲気に癒されました。
1979年の15話を見た感想
一番驚いたのは戦い方が大幅にブラッシュアップされていたことです。映画ではザクが鎌のような武器を持って素早くスライドしながら戦うのが印象的でした。しかし、1979年バージョンではザクが投石するなどの結構原始的な戦い方をしています。
しかし、初期の『ガンダム』は武器で戦うよりも物理攻撃な場面もあったなと思い出しました。例えば、アムロとシャアが野原で殴り合うシーンも初めはとても衝撃的でした。そんな殴り合う場面も映画ではアムロとマルコスで行われており、随所に懐かしさを取り入れているのかなと思います。
また、島の子どもが映画より少ないことに驚きました。映画には20人登場しますが、TVアニメはたったの3人! 映画の広い画角と島にたどり着いたアムロとの心の壁を大きく伝えるために増やしたのでしょうか。
映画の大人数は賑やかで可愛らしいので好きですが、ホワイトベースの戦災孤児三人組のカツ、レツ、キッカを彷彿させるTVアニメ版もいいなと思いました。
もっとアムロやホワイトベースクルーを見ていたい!
映画を見て、やっぱりアムロや地球連邦軍の様子を見ているのは楽しいなと思いました。本作だけではなく、もっと話を広げて今の技術でアムロたちの姿を見たいです。シャアやカイ、フラウとの会話ももっと聞きたいですし、戦う様子も宇宙スケールで再度描かれることを待っています!
またブライトとミライの様子を見ていたら、『閃光のハサウェイ』が恋しくなってしまいました。家に帰ってサブスクで何度見たかわからない『閃光のハサウェイ』を見返してしまうほど(笑)。続編の公開が発表されることを楽しみにしながら、別作品ですが『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』を見ようかなと思っています。
10月にはTVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』が始まるので、夏頃に火星のお話の『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』も鑑賞したいなと計画中です。また『ガンダム』シリーズにのめり込む夏にワクワクしています!