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- 逆井マリ
- 神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。
ーー伊東さんから見た松井江、土岐さんから見た桑名江の印象や魅力をお聞かせください。
伊東:松井江と桑名江は正反対なキャラクターじゃないですか。どんな時でも柔らかい口調で話す桑名江と不穏な雰囲気の松井江。声のトーンも高めと低めで。僕はないものねだりをするので、反対のポジションにいるほど「楽しそうだな」って思ってしまいます。アフレコを聞いたり、完成形を聞いても「面白いキャラ」だなと。桑名江にはないクールなかっこよさが松井江にはあるので、ちょっと羨ましいですね。
土岐:隣の畑は青く見えちゃうよね。
伊東:そうそう。
土岐:松井江は「血に塗れるのも自分の運命」というくらい……自分の人生を悲観するとまではいかないけど、ちょっと嘲笑する世捨て人な雰囲気。冷たい金属質というか。桑名江には真逆の土のような温かさと育てる温厚さ、柔らかな部分があって。
「このふたりが(一緒に)いる空気感ってどんな感じなんだろう?」と思っていたんです。今回の作品を通じてふたりの間には自然な関係が成り立っているのだと感じました。桑名江や豊前江がいるから、松井江の雰囲気が出るんだろうなと思います。真逆の桑名江がいてくれることで、救われている……と言うと大仰ですけど、その場にいられるのかなって。
さっきとっとさんが「羨ましい」といった話をしていましたが、僕はとっとさんは桑名江役にピッタリだなと思います。時間をゆっくりと過ごすのが好きな人だから。とっとさんと桑名江の心の時間の進み方が近いというか……。
伊東:そうね、どこかで余生感がある。ジジイ感というか(笑)。
土岐:ジジイという言い方が合っているかはわからないけど(笑)。ゆっくりと時間を過ごす時があるじゃない? その時のテンション感が桑名江と似ている気がする。
伊東:だんだんお互い(伊東さんと桑名江)に寄っているのかもしれないですね。最初、桑名江はビジュアルからクールだと思って、もっと低めの声でキャラを作っていったんですよ。だんだん柔らかくなってきたな。
土岐:今まで(共演した作品)と逆だよね。僕が柔らかい役柄で、とっとさんが堅めな役柄が多かった気がする。
伊東:僕が今まで演じたなかで一番柔らかくてホヤホヤしているキャラですね。
土岐:あなた(伊東さんの性格や雰囲気が)ホヤホヤしてるし。
伊東:うん、そうです……!
ーー力強い(笑)。
伊東:ボケっとしてるんですよ(笑)。ふわっとしているところは桑名江と近いのかもしれない。
土岐:スイッチを入れている時はホヤホヤしていないけど、普通に過ごしている時とかご飯に行く時とか、本当にふわ~っとみんなの話を聞いてるイメージがあります。だから似ているように感じる。
伊東:肝に銘じます(笑)。
ーーインタビュー現在、「 特『刀剣乱舞-花丸-』~雪ノ巻~」が上映中です。お話の中では“時空転移装置”が登場しますが、おふたりが時空転移装置を使えるとしたら行きたい場所はありますか?
伊東:行きたい場所がたくさんありすぎて、最終的に行かなくていいやって気になりそう……(笑)。
土岐:ああ、わかるかも。考えすぎてやらなくなることあるよね。
伊東:そう、「今いいや」って。もっと小さなことに使うかもしれない。
土岐:億馬券買うとかね(笑)。僕は歴史上の人物や史実を見に行きたいですね。織田信長は本当に死んだのか……とか。
伊東:あー。燃え盛る本能寺に行って確認したいね。五稜郭に行って土方歳三は本当に死んだのか、坂本龍馬は本当に殺されたのか……。
土岐:『刀剣乱舞』に縁がある刀がたくさんありますから。作品ではいろんな描かれ方をするので、白黒はっきりさせたいです!
伊東:でも歴史が変わっちゃうかもよ?
土岐:見た歴史が本当だから。史実には興味があります。
伊東:……あ、それなら祖先を見てみたいかも。
土岐:確かに! でも一歩間違えたら自分たちがいなくなってしまう可能性もあるけど(笑)。
伊東:それもそうだし、この服で行ったらやばいよね。「何者だ!?」ってなっちゃう。
土岐:一瞬で捕らえられて終わってしまう(笑)。
土岐&伊東:(その姿を想像して爆笑)
ーー(笑)。では最後に、 「特『刀剣乱舞-花丸-』~月ノ巻~」の刀剣男士たちの日常で、おふたりが印象に残った場面を教えてください。
伊東:季節柄というのもあると思うんですけど、夏の浜辺でみんなでワイワイしているシーン。衣装なしで刀剣男士達の肉体美が見れます。良いですよね、あれ(笑)。アニメにおけるいわゆるサービスカットがふんだんに出てきます。彼らは浜辺で競争したり……。
土岐:ビーチフラッグのシーンは新鮮で僕も楽しかったです。ぜひ見てもらいたいですね。
伊東:あと、何度もお話した通りですが、キャラクター同士の関係性も印象に残っています。桑名江を含め、チームワーク・良い関係性を再確認できて嬉しかったです。
土岐:江一同の会話や空気感を知れたのは一番大きな発見です。個性が強い刀剣男士ですが、江はより個性が強いのでどう関わり合っているのか。ゲームの中だとひとりで完結することが多いから、松井江は悲観的な台詞や寂しい言葉が多くて。『花丸』の世界観の中で、松井の楽しい感情が伝わってきてすごく嬉しかったです。今回以上に柔らかくて明るい松井江を演じる機会はないだろうなと思います。
[インタビュー:逆井マリ]
神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。
月ノ巻:7月8日(金)より3週間限定上映
華ノ巻:9月1日(木)公開
<ストーリー>
時は西暦二二〇五年。
歴史改変を目論む“歴史修正主義者”による、
過去への攻撃がはじまった。
歴史を守る使命を与えられた“審神者(さにわ)”によって励起された
最強の付喪神“刀剣男士”。
これは、そんな彼らが“とある本丸”を舞台に、
ひたむきに、そしてほがらかに生きる“花丸”な日々の物語
とある本丸に夏がやってきた。
新たな刀剣男士も増え、さらににぎやかな日々を送っていた彼らに、審神者から伝令が言い渡される。
それはなんと“3日間の休暇”だった!
審神者の粋なはからいに喜ぶ刀剣男士たちは、お返しに休暇を過ごすみんなの姿を集めたアルバムを作ることに。
山でしたいこと、海でしたいこと……各々やりたいことを考える刀剣男士たち。一方、大和守安定は修行で不在の加州清光のためにもアルバムを作ろうと考え、できるだけ多くの仲間たちの姿を写真に収めるため、みんなの休暇を見て回ることにした。
花見酒ならぬ樹木見酒を満喫したり、木々を使っていろんなものを創作したりと、山ならではの楽しみを満喫する刀剣男士たち。そんな様子を、写真に収めていた大和守安定は、髭切から一緒に鬼退治をやらないかと誘われる。翌日、海へやってきた大和守安定。こちらでも刀剣男士たちは、海でしか味わえない遊戯や、料理に興じていた。
はじめての夏休み、忘れられない光景が心に刻まれてゆくーー
声の出演:市来光弘、増田俊樹、鳥海浩輔、河西健吾、広瀬裕也、八代拓、伊東健人、土岐隼一、井上和彦 ほか
原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMM GAMES/NITRO PLUS)
監督:越田知明
脚本:猫田幸
キャラクターデザイン:谷口淳一郎
サブキャラクターデザイン:森光恵 飯田恵理子 刀剣デザイン:秋篠denforword日和 中島絵理
プロップデザイン:伊澤珠美 秋篠denforword日和 小野和美
美術設定:高橋武之 美術監督:安田ゆかり(オリーブ) 色彩設計:石黒けい 撮影監督:呉健弘
編集:坪根健太郎(リアル・ティ)
音響監督:郷文裕貴 音響効果:中野勝博 音楽:川井憲次
アニメーション制作:動画工房
特『刀剣乱舞-花丸-』~雪ノ巻~ 監督:直谷たかし
特『刀剣乱舞-花丸-』~華ノ巻~ 監督:野呂純恵
配給:東宝映像事業部