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- 逆井マリ
- 神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。
──オーディションの時に、種﨑さんもガチ猫演技をされたと伺っています。
種﨑:はい。初回の収録時に発覚したのですが、私も日野(聡)さんもキュルガを受けていて。その中で、キュルガ度が高い人というか、猫度が高い人でフータくん、ピーちゃんを決めたとうかがいました。
「キャラではなく、本当の猫の声が欲しい」といったことがオーディションの応募要項にも書かれていて。今回はテープオーディションだったので、精一杯に猫愛をぶつけましたけど、声帯模写が上手な方はたくさんいらっしゃいますし、自分は難しいだろうなと思っていました。特に猫の喉鳴りが……私は調子が良ければ出るんですけど、なかなかできなくて。高垣さんの喉鳴りは完璧だったという話を聞きました。それがアニメでどう聴こえてくるのかが楽しみです。
──演じるピーちゃんついての印象をおうかがいできればと思います。
種﨑:キュルガの漫画なので、フータくんとピーちゃんのパーソナルな部分ってあまり出てこないんですよね。でもフータくんのほうがキュルガに穏やかに接している印象があります。だからフータくんは穏やかな性格といったイメージがあって。ピーちゃんのほうが天真爛漫な感じがなんとなくしています。そんなところが伝わったらいいなと。
──皆さんの演技がイメージどおりで、ものすごくスムーズにアフレコが進んでいるといったお話をうかがったのですが、演じる際に意識したことや受けたアドバイスやディレクションで印象的だったことはありますか?
種﨑:ピーちゃんを演じる上ではディレクションはひとつもなくて。「いい感じなのでそのままでいきましょう」って感じで、ホッとしました。ただ、今日の収録は少し手こずってしまいました。それはピーちゃんのお芝居とかではなくて。
ある話数でアニメーション全体に音楽が乗っていて、音楽とピーちゃんのセリフがリンクしているんです。その音楽にノるのに時間が掛かってしまいましたね。音楽にノっていたほうが見ていて面白いものになると思うので「なんでもっと早くノりきれなかったんだろう」って後悔はありますが、私ができるまで待ってくださって。この作品には優しいスタッフさんたちが揃っております。
──現場はすごく温かい雰囲気なんですね。きっと心地いい音楽が彩られているんだろうなと想像しています。
種﨑:はい、すごく心地良い音楽です。その収録をしてから、他の話数の音楽も耳に入ってくるようになって。「1秒ごとに音楽が違う!」と衝撃でした。あまりにも自然に耳に入ってくる、その話数に合った音楽になっているがゆえに気づいてなかったんです。音楽にもぜひ注目してほしいですが、意識しなくても、自然と耳に入ってくると思います。だから逆に注目する必要もないかも(笑)。それくらい本当によく出来ている作品だなと思っています。
──逆に種﨑さん的な注目ポイントで言うと……? やはりキュルガのかわいさでしょうか。
種﨑:はい。「今日のキュルガ」を楽しんでもらいたいです。主役はキュルガなので。音楽もフータくんもピーちゃんもキュルガの背景のひとつだと思ってもらって大丈夫かと(笑)。
──皆様別々で録音されているとうかがっているのですが、現段階でお話できる範囲で、キュルガとフータくんのキャラの印象と、お二人それぞれのお芝居についての感想をお聞かせください。
種﨑:まだPVでしかおふたりの声は聞いていなくて(※取材時はPV公開後・放送前)。フータくんはどんなお声になるんだろうな?と思っていたんですけど、日野さんの中のやさしいが詰まったお声になっていたので「なるほど!」となりました。
高垣さんのキュルガはまだ一声しか聴けていませんが、作者のキュルZさんが「高垣さんのキュルガが一番(実物の)キュルガに近い」とおっしゃってたそうで。私も一声聞いたときに納得しました。自分も日野さんも奮闘したのかもしれないですけど、高垣さんのキュルガの声と自分の猫の声は全然違うと思うんですよね。高垣さんが一番キュルガっぽいというのが、その一声だけで伝わってきました。それと同時に「キュルガの本当の声が聞いてみたいな」と思いました。
──いまPVのお話がありましたが、ご覧になられてどのような印象がありましたか?
種﨑:漫画だけでも「猫ってこう、こう!」っていうのが伝わってくるのに、それが動いているので、早くアニメを見たいなぁと思いました。本作の監督は獣医師でもあるので動物の生態にお詳しいんです。獣医師さんが作られているアニメなので、猫が出てきたアニメ作品の中で、いちばんリアルでしっかりしたものができあがっているに違いないと思っていました。
──すごい! 猫のことを相談したくなりますね。
種﨑:「なにかあれば、なんでも聞いてください」と言ってくださったので、実際に相談もしています。
──種﨑さんなりの猫のご機嫌の取り方や喜ばせ方はありますか?
種﨑:なんだろうなぁ……。ちゅ~るをあげるとかしか思いつかない(笑)。分かりやすくて、手っ取り早いのがそれかなと。あげすぎには注意していますが、ちゅ~るにはお世話になっております。
──「疲れて帰ってきた夜は、猫と過ごしたい。」というキャッチコピーが印象的ですが、こんな時、猫と過ごしたくなる、癒されたくなるのはどんな時ですか?
種﨑:基本的に仕事終わりでしょうか。仕事で1日家に帰れないときの会いたさが尋常じゃないです。2日以上会わないとか考えられない。
──キュルガのお気に入りの仕草はありますか?
種﨑:仕草……仕草……なんだろうなぁ。仕草ではないのですが、好きな話はキュルガが色んなものに見えちゃうやつです(笑)。あと、お尻を向けてくる話。仕草となると……全部うちの子とかぶるんですよね。
あ! 何か作業したいのに、紙の上に乗ってきたり、パソコンの邪魔をしたりしてくるところ。うちの猫の仕草としても、キュルガの仕草としても好きです。紙に書いているところなのに、自分の手の上に乗ってくる感じ。「はい、かわいい。一旦止めようか」ってなります(笑)。
──台本にも乗ってきそうですね(笑)。
種﨑:はい(笑)。でも可愛いから良いんです。
──せれぶちゃん、愛されていますね。改めて、最後に『夜は猫といっしょ』の見どころのご紹介をお願いします。
種﨑:スタッフさんも、キャストも、みんな猫が大好きで。猫への愛が詰まったこの作品をアニメにしているので、もう、間違いないです。猫を飼われている方は刺さりに刺さりまくる作品です。また、興味はあるけどまだ飼うには…という方も、猫より犬派!(笑)という方も「猫ってこんな感じなんだ」と興味を持っていただけるのではないかと思います。何も考えずただただ楽しんでいただきたいですし、キュルガの可愛さに存分に癒されていただけたらと思います!
インタビュー・逆井マリ
神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。
2022年8月3日よりTVアニメ放送&絶賛配信中!
【配信情報】
・YouTube アニメ『夜は猫といっしょ』チャンネルにて毎週水曜日20:00~ "第2夜"より毎週2話ずつ配信!
【放送情報】
TV放送では、毎週2話ずつ放送!
・TOKYO MX:毎週水曜日25:00~
・AT-X:毎週木曜日22:05~<リピート放送>毎週月曜日10:05~/毎週水曜日16:05~
※放送・配信日時は変更になる可能性がございます。
原作:キュルZ(「夜は猫といっしょ」/KADOKAWA刊)
監督・脚本:芦名みのる
キャラクターデザイン・作画監督・美術監督・美術設定:たけはらみのる
音響監督:郷文裕貴
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
音楽:うたたね歌菜
音楽制作:KADOKAWA
アニメーション制作:スタジオぷYUKAI
製作:KADOKAWA
主題歌:伊東歌詞太郎「ひなたの国」
キュルガ:高垣彩陽
フータくん:日野聡
ピーちゃん:種﨑敦美